なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

片頭痛

2014年07月31日 | Weblog

 16歳男子高校生が頭痛・嘔気・視覚障害(右側がぼんやりして見えにくい)で救急搬入された。高校への通学途中に視覚障害が出現して、少し遅れて頭痛が出現した。拍動性の頭痛だった。登校して授業を受けていたが、症状がつらくなり、保健室に行った。その後内科医院をして、そこから当院へ救急搬入された。

 中学1年から拍動性の頭痛(両側性)が2か月に1回あるそうだ(母親の話でももう少し多い)。嘔気を伴うが嘔吐したことはない。右側が見えにくくなるという視覚障害が毎回ではないが前兆としてある(閃輝はない)。母親も片頭痛があるが、頻度は息子のほうが多いという。搬入時には視覚障害は消失していた。軽度の頭痛ではじまり、何分かで頭痛は一定の強さになる。普段は頭痛薬として市販のロキソニンを内服して、それで治まるが治まらない時もある。1時間くらいで治まる時もあるが数時間ソファーで横になるそうだ。

 頭蓋内疾患鑑別のため頭部CT(頭蓋内出血なし)、さらに頭部MRI・MRA(もやもや病なし)を行ったが異常はなかった。血液検査でも異常はない。神経内科医に相談して、前兆のある片頭痛と診断された。

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くも膜下出血・脳血管攣縮

2014年07月30日 | Weblog

 87歳女性が昨日の夕方に構語障害で救急搬入された。頭部CTで右側頭葉から頭頂葉にかけて低濃度域を認めた。脳表面に薄く高濃度域があるように見えた。脳梗塞+出血が疑われた。この方は1週間前から頭痛があったらしい。一昨日当院の内科新患外来(大学病院からの応援医師担当)を頭痛で受診した。頭痛に対してロキソニンが処方されていた。微熱のあって、風邪症状と判断されたという話だった。

 頭部MRIのフレア画像でくも膜下出血と判断された。MRAで両側の中大脳動脈が全体的に狭細化していた。くも膜下出血に伴う脳血管攣縮があり、それで脳梗塞も併発したと判断された。脳血管障害の専門病院に転送となった。内科の若い先生が搬送に付き添ったが、その病院の脳外科医からくも膜下出血(脳動脈瘤も指摘された)と脳血管攣縮と診断された。

 初診日に頭部CTを撮影するか、専門医にコンサルトすれば、1日早く診断がついたかもしれないが、後からでは何とでも言えるわけで、初診で診たとしてわかっただろうか。高齢者の頭痛なので頭部CTは行ったとは思う。読影できて、あるいはよくわからなくて放射線科医か神経内科医に相談したと思いたいが。

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看護師さんに抱きつくと治る?

2014年07月28日 | Weblog

 金曜日の夜に入院した79歳男性は、脱水症だったらしく、点滴をするとすぐに良くなった。高齢で糖尿病でもあるので、週明けに退院の予定だった。翌日の夜中に点滴を抜いて歩き回ったことと、血圧が高めと看護師さんが言ったところ、「看護師さんに抱きつけば治るよ」と言ったために、病棟看護師さんから早く退院にして下さいと要望がきた。脳梗塞後遺症だが、入院翌日に話した感じではそれほど理解力が低下しているようではなかった。

 内科病棟の入院数が多いために、循環器科・神経内科病棟を借りていた。内科病棟に比べると、指示通りでないときつく怒られる病棟なので、普段から看護師さんはピリピリしている。また、最近患者さん(認知症あり)から蹴られた看護師さんもいて、妊娠している看護師さんもいることから、さらにピリピリしていた。

 「看護師さんに抱きつけば治るよ」は軽い冗談のつもりなのかもしれないが、今時は通用しない。結局奥さんに電話して、その日の午後に退院にしてもらった。

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昨日は当直ー小脳梗塞

2014年07月27日 | Weblog

 昨日は当直だった。日直の腎臓内科医に画像を見てほしいと言われて、一緒に見た。95歳女性が熱中症様の症状で受診していた。点滴をして症状は軽快したので帰宅できそうだった。胸部X線で胸腔内に消化管ガスが目立つが、どうしたものかという。胸腹部CTで確認してみてはと勧めた。胸腔内に胃全部が入り込んでいた(食道裂孔ヘルニア)。ただし、胃内に胃液や食物が充満しているわけではなくて、それなりに流れているようだ。症状があるか聴いてみると、食後に多少の違和感があるらしい。消化器科に相談するので、外来予約しますと言われたが、相談された消化器科医も困るだろうなと思った。

 今年高齢者で胃全体が胸腔内に入り込んだ食道裂孔ヘルニアの高齢者2名が手術を受けた。それぞれ食事摂取できない状態だったので手術せざるを得なかった。1名は順調に経過して食事摂取良好となった。もう1名は術後に合併症を起こして亡くなった聞いた。今回の方は食事摂取できないわけではないし、高齢すぎるので、特に処置はしない(できない)のではないか。

 当直帯に入ってすぐに回転性めまいの79歳女性が救急搬入された。これまで同様の症状が3回あって、今回は比較的軽いという。搬入時は浮遊感になっていて、首を回すことができた。一人暮らしなので短期入院で週明けの退院予定とした。

 すぐまた回転性めまいの75歳男性が搬入された。他の病院に糖尿病で通院している。冷汗・嘔吐もあった。自分で低血糖だと思ってアメをなめたそうだ。血糖は140mg/dlだった。薬はSU薬(アマリール)、DPP4阻害薬(スイニー)、それにランタスを注射している。糖尿病手帳を見ると、HbA1cは7%で推移していてまずまず良いコントロールだった。回転性めまいは初めてだった。嘔吐を繰り返して、重症感があった。頭部CTでは頭蓋内出血(特に小脳出血)はなかった。嘔気・嘔吐が治まったところで、頭部MRIを行った。左小脳に梗塞を認めた。小脳半球の7割で範囲で広い。

 当院は脳外科1名、神経内科1名で夜間休日の対応ができない。まず当地の基幹病院に電話して受け入れを依頼した。内科系の当直医が出て、血栓溶解療法の適応があるのですぐに送ってくれと指示された。あわてて救急隊を読んで、搬送した。搬送先の病院に着いてぎりぎり3時間というところだ。そういえば、小脳梗塞でも血栓溶解療法の適応があるのかどうか知らなかった。

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青木先生の若手医師セミナー

2014年07月26日 | Weblog

 昨日は早めに帰宅して、7時15分にはファーザープロのホームページにアクセスした。妻は帰宅が遅かったので、セブンイレブンで冷やし中華を買って帰った。15分で食べて準備完了。7時30分から青木眞先生の講義を聴いた。感染症診療の原則は毎年同じといえば同じだが、少しずつ変えているので飽きない。やっぱり年1回は青木先生の講義を聞かなければ。ただ、感染症診療マニュアルは厚すぎて通読できないので(若手の先生で通読して付箋をびっしり付けているのを見たことがあるが)。感染症診療の原則だけの著書がほしい。医学書院では出さないのだろうか。

 昨夜、神経内科に脳梗塞後遺症・症候性てんかん・糖尿病で通院している79歳男性が、ふらつきを主訴に救急外来を受診した。もともと血糖コントロールは悪いが、最近2か月は特にHbAcが8%台から10%台に上昇していた。そこにこの暑さが加わっての症状らしい。当直医(外部からの応援医師)が入院させて生食の点滴をしてからは症状が改善していた。食事も全量摂取になっている。インスリンをBOTで入れたいが、自己注射は困難だろう。さてどうするか。

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90歳前後の入院

2014年07月25日 | Weblog

 今日は非結核性抗酸菌症の89歳女性が入院した。一昨日に発熱で受診して、肺陰影の増加を認めたが、前の入院がいやだったらしく入院しないと主張した。しかたなく3日分の抗菌薬内服で経過をみて、今日再受診としていた。今日は連れてきた娘さんに押し切られた格好でしぶしぶ入院となった。通常の細菌性肺炎の併発だと見込みはあるが、NTM自体の悪化では難しいだろう。

 昨日肺炎で入院した89歳女性は、夜間不穏で結局夜をナースステーションで過ごした。幸いに解熱して食欲良好だった。点滴が困難(抜かれる)ので入院継続でも抗菌薬経口で行く予定だったが、家族と相談して外来治療となった。来週の眼科外来予約に合わせてほしいというので、同じ日に内科外来の予約を入れた。もし外来治療が難しい時は、再入院の約束にした。

 3日前に肺炎が治って施設に戻った92歳女性は、また発熱で再入院した。胸部X線で明らかな陰影増加はないが、酸素飽和度が低下しているので、数日で出てくるのかもしれない。

 発熱で救急搬入された91歳女性は、泌尿器科外来に通院していたが、肺炎もなく尿路感染症と判断された。認知症でとにかく両手が良く動く。ふたりで押さえないと何も処置できない。グループホーム入所中で、家族は外来治療でもと言っていたが、多分施設側の要望で入院となった。この患者さんは、前に入院を担当した内科の若い女性医師に依頼した。

 それにしても、みんな女性だ。

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ケアネットTV

2014年07月24日 | Weblog

 ケアネットDVDを購入してきたが、本数も増えて置き場所に困る。月々5000円でケアネットTVが視聴できるので、今月から申し込んだ。これまで購入したのがムダになるが、それはしょうがない。さっそく山中先生・仲田先生の新作を見た。セミナーなども入っているので、それも見ることにする。

 春日武彦先生が新著を出したので、アマゾンで購入した。題名は「キモさの解剖室」。春日ファンにはたまらないが、春日先生が好きというのは、それなりに性格的に片寄りがあるということかもしれない。

 基幹病院から2か月前に転院してきた肺癌・癌性胸膜炎の80歳代女性が午後に亡くなった。一応紹介してきた先生に報告を出したが、その先生はすでに大学病院に戻っているので現在はいない。入院は救急外来からの肺炎の87歳女性だけだった。高熱でふらふらして転倒したそうで、左下腿に擦過傷があった。骨折はない。

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高齢者の肺炎

2014年07月23日 | Weblog

 87歳女性が肺炎・胸膜炎が入院して、そのあと93歳女性が誤嚥性肺炎(前日に嘔吐下痢)で入院した。非結核性抗酸菌症で外来通院している87歳女性は浸潤影と空洞の増加で受診した。入院をいやがったので3日分の内服薬を出して、明後日外来とした。入院する気になったら明日来てもいいということにした。まあ結局入院になると思われる。

 機械(重機)が胸部に落ちて胸部圧迫で一時的に呼吸が困難となった41歳男性が救急搬入されていた。当直の外科医と2名の外科医、さらに通り合わせた循環器科医で対応していた。肺と肝臓の挫滅があるが、破裂はないようだ。頭部CTで所見はないが、二次的な脳損傷が疑われる。

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セレウス菌

2014年07月22日 | Weblog

 昨日カテーテル関連血流感染が疑われて検査した検体から、グラム陽性桿菌が検出されたと細菌検査室から報告があった。セレウス菌Bacillus cereusらしいという。末梢静脈からの血液とカテーテルからの血液、さらにカテーテル先端(これが最初)から出ている。

 入院時に救急担当医が挿入したカテーテル(右大腿静脈から)で、症状が改善しきたので、連休明けに抜去としたが、もっと早く週末にするべきだった。幸い解熱して、食事摂取も良好となってきた(高熱の時もある程度食べていたのもすごいが)

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今日も日直

2014年07月21日 | Weblog

 今日も日直で病院に出た。午前中から受診が続いたが、午後になって救急車が立て続けに来た。救急室に3人の患者さんがいて、さらに救急車が来たので、救急室に入れなかった。何が来たのが、覚えられないくらいだった。

 右不全片麻痺の70歳代男性は左内包のラクナ梗塞だった。神経内科医が当直で来るので、点滴(カタクロットとラジカット使用)の指示を出して、そのまま頼んだ。

 末期腎不全の70歳代女性は腎臓内科医に連絡して、点滴の指示をもらった。時間20ml/分にしないと尿毒症肺が悪化すると言われた。シャントをつくるところまで勧めたが、患者さんが拒否したそうだ。ADLが低下していて、透析に通院するのが困難になっていてもう適応はないようだ。

 先月肺炎が軽快して退院した70歳代女性(もっと老けて見える)がまた肺炎で搬入されて、この方は自分が主治医となった。外来で診ていて前回入院した時担当したのが内科の若い先生だった。

 60歳代男性が腹部膨満で受診した。S状結腸が空気で膨張している。捻転している可能性もあるが、CTが正確に読めない。患者さん自身はそれほど痛がっていないが、精神遅滞でグループホームに入っている方で自覚症状が当てにならない。数日経過していることから、血行障害で壊死するほどではないのかもしれない。消化器科医に連絡して入院とした。

 入院していた80歳代後半の認知症の女性が高熱を出した。入院時に救急で見た循環器科医が挿入した右鼠径部からのCVカテーテルからの感染が疑われた。血液培養を2セット(うち1セットはカテーテルから採取)とカテーテル先端の培養を提出した。

 土日は夫婦で山形の天童温泉に行ってきた(旅館が空いていた)。2日間ゆっくりしたので、今日の仕事はけっこう疲れた。9月初めに箱根に行きたいが、予約がとれるかどうか。

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