16歳男子高校生が頭痛・嘔気・視覚障害(右側がぼんやりして見えにくい)で救急搬入された。高校への通学途中に視覚障害が出現して、少し遅れて頭痛が出現した。拍動性の頭痛だった。登校して授業を受けていたが、症状がつらくなり、保健室に行った。その後内科医院をして、そこから当院へ救急搬入された。
中学1年から拍動性の頭痛(両側性)が2か月に1回あるそうだ(母親の話でももう少し多い)。嘔気を伴うが嘔吐したことはない。右側が見えにくくなるという視覚障害が毎回ではないが前兆としてある(閃輝はない)。母親も片頭痛があるが、頻度は息子のほうが多いという。搬入時には視覚障害は消失していた。軽度の頭痛ではじまり、何分かで頭痛は一定の強さになる。普段は頭痛薬として市販のロキソニンを内服して、それで治まるが治まらない時もある。1時間くらいで治まる時もあるが数時間ソファーで横になるそうだ。
頭蓋内疾患鑑別のため頭部CT(頭蓋内出血なし)、さらに頭部MRI・MRA(もやもや病なし)を行ったが異常はなかった。血液検査でも異常はない。神経内科医に相談して、前兆のある片頭痛と診断された。