なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腎腫瘍?膿瘍?

2025年04月02日 | 泌尿器科疾患

 3月30日(日)日直の時に、20歳代後半の男性が受診した。知的障害があり、施設に入所している方だった。肉眼的血尿と発熱で週末から外来を受診していた。

 前回記載した検死・AIの他にも忙しく、予定された外来での抗菌薬点滴静注をしただけだった。後で経過を確認すると、受診時の検査は沈査で赤血球は>100/HPFだが、白血球は10~19/HPFで細菌は陰性だった。尿培養を提出しているが、グラム染色で菌は見えていない。

 尿路感染症なのかわからなくなったが、週末に診た先生が月曜日に自分の外来に予約を入れていたので、お任せすることにした。

 

 3月27日(木)肉眼的血尿で内科外来を受診していた。新患で診た先生が、泌尿器科外来(非常勤医)に紹介した。

 泌尿器科医が腹部エコーで診て、膀胱内に腫瘍はなく、コアグラの浮遊を認めた。出血性膀胱炎として抗菌薬の内服を開始した。

 翌28日に38℃の発熱があり、内科の別の先生が診ていた。抗菌薬点滴静注を外来で行うことになった。患者さんは動いてしまい、長い時間の点滴はできない方で、入院加療も難しい。

 点滴を入れる時は、施設職員と看護師2名で声がけと腕の抑制を行って穿刺する。長時間は抑えきれないので、30分の点滴がやっと、ということだった。 

 

 3月31日(月)の夕方に診察した先生が病棟に来て、いやあ腎癌だったよ、といっていた。腹部CTで左腎臓に腫瘤があり、腎癌としてがんセンターに紹介したという。腎(細胞)癌は発熱しますよね、ともいっていた。

 後でCTを確認したが、腫瘍なのか膿瘍なのか、はたまた腫瘍に膿瘍併発なのかわからかった。経過は急性で、発熱・炎症反応上昇からは少なくとも膿瘍の要素はある?。造影CTをすればもっとわかるが、同意書をもらうのに遠方の家族を呼ばないとすぐにはできない。

 当院では対応できないので、高次医療機関の泌尿器科に紹介することは絶対だった。腫瘍ではなく重度の感染症と判断されれば、また別の医療機関(大学病院?)に回されるかもしれない。(がんセンターは癌以外は診ない)

 

(後日記)

 がんセンターを受診して、腎外傷(による破裂?)と診断されたそうだ。安静しかないが、施設にいる方が安静を保てるとして帰されていた。

 当院を再受診して、泌尿器科医(非常勤)に相談したところ出血による貧血(血尿が続く)や感染併発の危険があり、腎摘出術を要するされた。県内有数の市立病院泌尿器科に相談して、手術目的で受診となった。

 施設職員は外傷を目撃はしていないが、患者さんは急激に動く方なので、発症前にひどく打撲したのだろうと推察されたのだった。

 

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尿管結石+肺炎

2025年01月26日 | 泌尿器科疾患

 1月24日(金)の午後に右下腹部痛の60歳代後半の女性が救急搬入された。3日前から間欠的に痛んでいたそうだ(1回の痛みは20~30分くらい)。外科の非常勤医が救急を診ていて、入院があれば常勤医に依頼する日だった。

 1週間前から微熱・咳があり、新型コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。胸腹部CTで見ると、右尿管結石があり、腹痛はその症状だった。

 さらに右肺下葉に淡い陰影が散在していた。感冒をこじらせて肺炎を来しているようだ。痰が絡むがうまく喀出できない。

 救急を診ていた先生から連絡を受けて、見にいった。白血球17800・CRP4.5と炎症反応が上がっていたので、尿管結石による急性腎盂腎炎だと閉塞性腎盂腎炎として泌尿器科emergencyになると思ったが、肺炎もあると話は違ってくる。

 尿検査では赤血球50-99/HPF・白血球10-19/HPF・細菌(1+)だった。尿路感染症を伴っている可能性もあるが、肺炎もあり、泌尿器科紹介とはし難い。

 体調不良であまり食べていなかったらしく、BUN 43.2・血清クレアチニン1.73と急性腎障害を伴っていた。

 搬入後に腹痛は軽減して、鎮痛薬の投与はまだしていなかった。急性肺炎・尿管結石(尿路感染症否定できず)・急性腎障害として当院入院で経過をみることにした。

 

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出血は腎臓から

2025年01月22日 | 泌尿器科疾患

 1月20日(月)に80歳代半ばの女性が内科新患を受診した。知的障害で施設に入所しているので、正確には施設職員が連れてきた。ふだんはC型肝硬変で当院消化器科の外来に通院している。

 1月17日(金)に肉眼的血尿があり、市内の泌尿器科クリニックを受診した。(たぶん腹部エコーで)膀胱内の血腫か腫瘍があるといわれたそうだ。導尿しようとしたができなかった、という。

 18日(土)に再度受診希望で連絡したそうだが、診るとはいわれなかった関係で(?)、20日に泌尿器科外来はないが通院している当院を受診したという経緯だった。(当院泌尿器科外来は非常勤で週に3回)

 37.3℃と微熱があった。血液尿検査をオーダーしたが、自尿はなかった。炎症反応の軽度上昇と腎機能の軽度悪化があった。

 CTで確認すると、右腎盂腎杯に出血と判断される高濃度域があり、そこから右尿管・膀胱内まで流れてきている。膀胱内にかなり尿が貯留しているが、これで排出してないということは、血液が膀胱から尿道への内尿道口をふさいで排出し難くなっている可能性がある。

 

 これは泌尿器科で診てもらわないとどうにもならない。地域の基幹病院泌尿器科に連絡すると、外来で診てもらえることになった。施設車で来ているので、そのまま向かってもらう。

 

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尿管結石

2024年12月09日 | 泌尿器科疾患

 12月6日(金)の当直の時に、午後10時半ごろに腹痛の20歳代後半の男性が救急外来を受診した。午後7時ごろからの腹痛で、臍下の正中からやや右側の痛みだった。

 普通に歩いて診察室に入って来たので、その時点では激痛ではなかった。12月1日の午後5時ごろにも同様の痛みがあったが、1~2時間で治まったそうだ。

 体重100kg以上と体格がいい。大きな腹部は平坦・軟で圧痛はなかった。圧迫すると、むしろ気持ちがいいという。年齢的にも尿管結石が疑われた。

 正しくは尿検査(時間外はテープでの検査のみ)を行って、腹部エコーで水腎症を確認してから腹部CTになる。その日はその前に肺炎・心不全の高齢女性を入院させたばかりだったので、省略して最初から腹部CTを行った。

 右腎はやや水腎症になっていて、膀胱のすぐ上の尿管に結石を認めた。大きさ的には自然排出を期待できる。

 CTが終わるころには疼痛は治まっていた。CT画像を印刷して、付き添いで来た母親に渡した。母親が「夫も尿管結石に2回なりました」と言った。

 疼痛再発時のためにジクロフェナク座薬を持たせたが、100kg超だと50mgの座薬でも心もとない。1個挿入して30分経っても治まらなければもう1個追加していいことにした。

 この患者さんのような、楽な患者さんだととても助かる。この日の当直は朝方に難しい患者さんが搬入された。(今日大学病院に救急搬送した)

 

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精巣上体炎

2024年11月22日 | 泌尿器科疾患

 11月21日の午前1時過ぎに60歳代前半の男性が、睾丸痛で救急外来に救急搬入された。当直は小児科医(当院小児科は外来だけで入院はとらない)だった。

 ふだんは、前立腺肥大症で県庁所在地の総合病院泌尿器科に、心房細動で市内の循環器科クリニックに通院している。1週間前から睾丸の違和感があったらしい。前日(20日)の午後から睾丸(右側)が腫脹・熱感・疼痛が出現して、体温も38℃と上昇した。

 21日に泌尿器外来の予約があったためか、痛みを我慢していたが、耐えきれず救急要請した。経過と所見からは精巣(睾丸)の捻転ではなく、精巣上体炎が疑われた。腫脹した睾丸の大きさを6×8cmと記載していた。

 ジクロフェナク座薬(50mg)挿入と抗菌薬投与(セフトリアキソン1g)を行って、症状は搬入時より軽減した。帰宅してその日予約のある泌尿器科外来受診となった。

 睾丸痛(急性陰嚢症)は精巣捻転と精巣上体炎の鑑別とよく救急の本にある。精巣捻転疑いで受診した小児を泌尿器科へ紹介したことはあるが、精巣上体炎は見たことが1例くらいあったかなかったか記憶にない。

 精巣上体炎の治療は抗菌薬投与になる(と鎮痛薬)ようだ。性感染症からの波及の可能性があれば、その精査・治療になる。

 睾丸痛は小児でみるので、小児科医は案外得意なのだろうか。21日は当院も泌尿器科外来(非常勤)があるので、そちらに回せると思って受けたのかもしれない。

 

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尿管結石

2024年10月05日 | 泌尿器科疾患

 10月3日(木)の当直の時、翌日午前0時過ぎに救急搬入依頼がきた。50歳代前半の男性が右背部痛を訴えているという。

 この患者さんは昨年は左尿管結石で受診している。さらに2018年、2019年にも尿管結石で受診している。救急隊もまた尿管結石でしょうということだった。

 午前10時頃に突然右背部痛が生じて、昨年処方されたジクロフェナク座薬(50mg)を使用したが、痛みは変わらないという。痛みは波があるが軽減しても消失はしない。痛みはしだいに右側腹部に下がってきたようだという。

 腹部エコーで診ると、右水腎症を認めた。腹部CTを行うと、右腎層内と左腎臓内に小結石がある(尿管結石予備軍)。右尿管の膀胱入口部に小結石があるようだ。

 ジクロフェナク座薬を使用して2時間後なので、アセリオ1000mg点滴静注を行ったが、少し効いたくらいという。ジクロフェナク座薬を使用して3時間後だった、体重が80kgなのでもう1回使用してみた。

 朝まで外来で経過をみて、翌日の泌尿器科外来(非常勤医)に回すつもりだった。朝に、別の救急搬入患者を診る合間にいくと、すっかり痛みは消失していた。排石したらしい。

 泌尿器科外来受診は希望せず、ジクロフェナク座薬だけ追加で持っていたいと希望されたので、5回分渡した。

 

 

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両側水腎症

2024年09月04日 | 泌尿器科疾患

 9月1日(日)の夜間に、前日からの下腹部痛を訴えて70歳代半ばの男性が救急外来を受診していた。

 当直の内科医が腹部単純CTで確認すると、両側水腎症(右>>左)を呈していた。膀胱内に尿が大分貯留しているが、完全に尿閉になってはいなかった(尿排泄が多少はある)。

 尿カテーテルを挿入すると、1100mlの尿排出があり、下腹部痛は軽減した。これで水腎症が改善すれば尿閉による症状となる。

 90分後に腹部CTを再検して、両側水腎症の程度は変わりなかった。

 当直医はがんセンターに連絡を入れた。先方の当直は内科系の先生で、今来てもらっても対応できないので、日中に御紹介下さいということだった。

 

 この患者さんは昨年9月に、がんセンターで直腸癌の手術を受けている(人工肛門造設術)。退院直後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患して、退院直前に面会に行った家族が罹患していたことが判明した。

 当院に入院して、がんセンターにもその旨が報告されている。特に問題なく治癒して退院していた。

 

 膀胱・前立腺疾患による尿閉・水腎症なのか、直腸癌と関連しているのかはわからない。翌月曜日にがんセンターを受診したはずなので、それは先方での判断になる。

 

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精巣上体炎

2024年08月23日 | 泌尿器科疾患

 8月19日(月)に80歳代前半の男性が内科外来を受診した(予約日)。高血圧症・うっ血性心不全・気管支喘息で通院していて、息切れや下腿浮腫の確認になる。

 その日は別の話をされた。8月17日(土)入浴中に陰嚢が腫れているのに気付いた。37.8℃の発熱もあった。18日(日)は36.9℃で、19日は36.6℃だった。

 ご本人は鼠径ヘルニアではないかという。触診すると、左精巣自体が腫れているようだった。腸管が脱出しているようではない。自発痛はほとんどなく、触診しても圧痛はわずかだった。

 エコーで診る自信がないのと、ヘルニア否定もあり、腹部CTで確認した。ヘルニアはなかった。精巣炎より精巣上体炎がよく精索捻転との鑑別で記載されているが、そうなのか。要はよくわからない。精索捻転のような緊急性はないのだろう。

 抗菌薬はどうしようかと思ったが、セフトリアキソンを入れて、翌日20日の泌尿器科外来に紹介とした。尿路感染症が波及して精巣上体炎を来したものと診断された。セフトリアキソン点滴静注とオーメンチン内服が処方されていた。

 泌尿器科医に、抗菌薬投与前に尿培養を提出するように、といわれた。ふだん見ない場所の炎症なので、培養が思い浮かばなかった。

 

 プラチナマニュアルによれば、「急性精巣上体炎は35歳未満では性感染症(淋菌、クラミジア)を強く疑う。処方はセフトリアキソン1g静注単回+ドキシサイクリン内服200mg分2を10日間」。

 「高齢者の精巣上体炎は通常の尿路感染症同様に大腸菌を代表とした腸内細菌が主である」。

 

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尿管結石

2024年07月15日 | 泌尿器科疾患

 7月12日(金)の午前4時に左下腹部痛の62歳女性が救急搬入された。午前3時ごろ就寝中に突発した痛みなので、当直の若い内科医は尿管結石を想定したようだ。

 7月5日に同居の娘がコロナ(COVID-19)に罹患して自宅療養していた。発熱はなく、呼吸器症状もないが、コロナの迅速検査をするところから始まった。

 搬入時は疼痛が軽減してきて、診察時には消失していた。腹部は平坦・軟で圧痛なし。腹部CTで確認すると、膀胱内に結石を認めた。尿管膀胱移行部に引っかかっている可能性もあるが、おそらく膀胱内に落ち込んでいる。

 尿管結石による疼痛発症の平均的時間帯なので仕方がないが、この時間の搬入はつらい。うまく自然排石(膀胱内に落ちれば後は出るだけ)してきたので、その点は幸いだった。(この後午前6時に90歳代女性も搬入されて、入院になっていた。)

 

 若い先生だと当直しても回復は早い。当方は年齢的に1回当直すると、調子が戻るまで3日かかる。

 

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尿道結石(嵌頓)

2024年07月03日 | 泌尿器科疾患

 6月30日(日)の日直の時に地域の当番医の内科医院から連絡が入った。71歳男性が尿閉で受診したが、尿カテーテルを挿入しようとしたが入らないという。

 地域の基幹病院に連絡したが、近くのたとえば当院で診てもらうようにといわれたそうだ。尿カテーテル挿入に特別な工夫ができるわけでもないので、紹介されてもと思ったが、「よろしく」ということだった。(当院の常勤医だった先生のお兄さん)

 

 患者さんが紹介状を持って受診したきた。これまで尿が出にくいことはなかったらしい。急な尿閉だった。特に尿閉を来すような薬を飲んだわけでもない。

 腹痛や陰部痛はない。下腹部に圧痛というほどの所見はないが、腹部エコーを当てると、膀胱内の中等度の尿貯留を認めた。

 普通に16Fr.の尿カテーテルを挿入していみると前立腺部で止まってしまう。細径の12Fr.の尿カテーテルでも入らなかった。前立腺肥大ではなく、前立腺癌の浸潤だったりするとまずいと思った。(最近の消化器病研究会で前立腺癌の直腸浸潤の症例があった)

 最初から腹部CTで確認すればよかったと思いながら、撮影してもらった。尿道の前立腺部に結石があった。両側腎結石もあり、一部は珊瑚状になっている。尿管結石の既往もある人だった。

 これは泌尿器科に対応してもらうしかない。泌尿器科常勤医のいる基幹病院に連絡すると、外科系の日直医は耳鼻咽喉科の先生だったが、受けてくれた。

 内科医院から連絡があったかもしれませんが、と伝えた。すると、心肺蘇生術をしていた患者さんが安定して病棟に上がったので、今なら診られるということだった。

 内科医院から連絡がいった時は、心肺蘇生術の真っ最中だったらしい。内科医院への返事にはそのことも記載しておいた。

(後日記)

 泌尿器科からの返事は。「ブジーで尿道結石を膀胱内まで押し戻し、尿カテーテルを留置しました。膀胱結石除去術を予定します。」だった。

 

 

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