3月30日(日)日直の時に、20歳代後半の男性が受診した。知的障害があり、施設に入所している方だった。肉眼的血尿と発熱で週末から外来を受診していた。
前回記載した検死・AIの他にも忙しく、予定された外来での抗菌薬点滴静注をしただけだった。後で経過を確認すると、受診時の検査は沈査で赤血球は>100/HPFだが、白血球は10~19/HPFで細菌は陰性だった。尿培養を提出しているが、グラム染色で菌は見えていない。
尿路感染症なのかわからなくなったが、週末に診た先生が月曜日に自分の外来に予約を入れていたので、お任せすることにした。
3月27日(木)肉眼的血尿で内科外来を受診していた。新患で診た先生が、泌尿器科外来(非常勤医)に紹介した。
泌尿器科医が腹部エコーで診て、膀胱内に腫瘍はなく、コアグラの浮遊を認めた。出血性膀胱炎として抗菌薬の内服を開始した。
翌28日に38℃の発熱があり、内科の別の先生が診ていた。抗菌薬点滴静注を外来で行うことになった。患者さんは動いてしまい、長い時間の点滴はできない方で、入院加療も難しい。
点滴を入れる時は、施設職員と看護師2名で声がけと腕の抑制を行って穿刺する。長時間は抑えきれないので、30分の点滴がやっと、ということだった。
3月31日(月)の夕方に診察した先生が病棟に来て、いやあ腎癌だったよ、といっていた。腹部CTで左腎臓に腫瘤があり、腎癌としてがんセンターに紹介したという。腎(細胞)癌は発熱しますよね、ともいっていた。
後でCTを確認したが、腫瘍なのか膿瘍なのか、はたまた腫瘍に膿瘍併発なのかわからかった。経過は急性で、発熱・炎症反応上昇からは少なくとも膿瘍の要素はある?。造影CTをすればもっとわかるが、同意書をもらうのに遠方の家族を呼ばないとすぐにはできない。
当院では対応できないので、高次医療機関の泌尿器科に紹介することは絶対だった。腫瘍ではなく重度の感染症と判断されれば、また別の医療機関(大学病院?)に回されるかもしれない。(がんセンターは癌以外は診ない)
(後日記)
がんセンターを受診して、腎外傷(による破裂?)と診断されたそうだ。安静しかないが、施設にいる方が安静を保てるとして帰されていた。
当院を再受診して、泌尿器科医(非常勤)に相談したところ出血による貧血(血尿が続く)や感染併発の危険があり、腎摘出術を要するされた。県内有数の市立病院泌尿器科に相談して、手術目的で受診となった。
施設職員は外傷を目撃はしていないが、患者さんは急激に動く方なので、発症前にひどく打撲したのだろうと推察されたのだった。