木曜日の夜に、県庁で結核の会議があって行ってきた。佐々木結花先生の特別講演があるので聴きたかった。
日本の結核患者数は次第に減少はして、高齢者結核の割合が増加している。若年者では多くが外国出生者で、要するに日本に留学で就労できている外国人だ。
健診を受けないで入国しているので、日本でした病院で健診を受けて診断書がないと入国できないようにする計画があるそうだ(まだしてない)。できたとしても、不法就労者は抜け落ちてしまう。
高齢者の結核はわかりにくい(診断が難しい)。高齢者結核は呼吸器症状が少なく、発熱・倦怠感・食欲不振などの非特異的な症状を呈する。高齢ほど(結核を想起する)空洞のない病変が多い。高齢者は他の呼吸器疾患による呼吸器症状が元々あるので、結核の症状と気づかれない。
気管・気管支結核は診断が難しい(肺野に陰影がない)。気管支鏡検査で白苔病変を認めるが、CTでも指摘できることがあるので読影でチェックする。
肺結核と非結核性抗酸菌症(NTM)は同一患者にも生じる。結核だけと思ったらNTMもある、NTMだけと思ったら結核もあるので、ひとつ診断しても併発を否定しない。
結核を発症しやすい疾患の患者さんに注意する。糖尿病で血糖コントロールが悪いと結核になりやすい。ステロイドなどの免疫抑制剤の治療を受けている患者さんは要注意。吸入ステロイド使用で結核・NTMが増加する。
検痰は良い痰(膿性痰)を1ml以上とること。入院時に脱水症で良い痰が出ないこともあり、再検する。検痰は3回行う。(採痰の指導の仕方は、ロッシュのホームページなどに載っている)
結核菌数が、10の5乗で喀痰塗抹が陽性になり、10の4乗でPCRが陽性になり、10の2乗で液体培地でが陽性になる。行った検査が結核菌数のどのくらいだと陽性になるかを意識すること。喀痰塗抹が陰性、PCRが陰性で結核ではないと隔離を解除した後に、液体培地で結核菌が検出されることもある。
IGRAはwindow期で陰性になることもあり、そもそも陽性にならない人もいる(佐々木先生も暴露を受けてて、BCG陽性になるが、IGRAは陰性と)。陽性陰性の境界に相当する人では、陽性になったり陰性になったりする。IGRAの結果を過信しないこと。
第一人者の話は迫力がある。キャラクターの問題かもしれないけど。