先週から耳鼻咽喉科に入院していた口唇・口腔内・喉頭蓋のアフタと高熱の31歳男性は、入院後1週間経過した月曜日になっても高熱が続いていた。3週間高熱が続いたことになる。単純ヘルペス初感染を疑っていたが、IgM抗体陰性・IgG抗体陽性の既感染という結果だった。
白血球分画に異型リンパ球が2%あったが、芽球は出ていない。造影CTで表在リンパ節腫脹はなく(脾腫はある)、深部リンパ節腫脹もなかった。経過に沿ってLDHが上昇してきているのが気になった。血液疾患疑いで骨髄検査をすべきと考え、血液内科のある病院で診てもらうのが好ましいと判断した。患者さんは疲弊した様子で、精神的にもまいっている。高次病院へ紹介することにした。
医療センターから地域医療に来ている内科専攻医にお願いして、同センターの総合診療科に転院を依頼したところ、引き受けてもらえることになった。患者さんは翌火曜日に転院した。
同じ火曜日に53歳女性が発熱と咽頭痛で耳鼻咽喉科外来を受診した。物を飲み込むのもつらい状態で、食事をとれない。診察の結果、右扁桃周囲膿瘍があり、さらには喉頭蓋炎(主に右側)もあった。白血球数13200・CRP11.7と炎症反応上昇を認めた。呼吸困難までではなく、横臥してCTも撮影できたが、気道狭窄はある。
耳鼻咽喉科に入院して、抗菌薬投与(セフトリアキソン2g/日)とデカドロン吸入が開始された。入院後は解熱して、症状が軽快している。昨日は流動食だったが、今日からは全粥が開始された。
これまでだったら耳鼻咽喉科のある病院(ちょっと遠方になる)に転送していたが、4月から耳鼻咽喉科医が来たので院内で対応できるのはありがたい。ぜひ長く勤務してほしい。
医療センターから地域医療研修で4か月間来ていた内科専攻医は、昨日で当院での研修が終了して戻って行った。合わせて2か所以上の地域の病院で12か月研修することになっているそうだ。引っ越しもあるので数日休めのか訊いてみたが、さっそく今度の日曜日は医療センターの当直に当てられていた。まあ、若いうちは頑張って。
もうひとりの自治医大出身の内科専攻医は1年間の予定なので、来年3月まではいてくれる。来週研修プログラム責任者の先生が医療センターから当院を訪問する予定になっている。はたして来年度はどうなるか。(来年5月の10連休を内科常勤医2名でカバーするのは大変だ)