内科新患を診ていた先生から、全身筋肉痛の24歳男性の診察を依頼された。内科再来の診察が終わってからになった。
痛みのために足を引きづるようにして診察室に入ってきた。先週の金曜日(3日前)に、まず両側下腿の痛みを自覚した。次の日には両側上肢・下肢それに体幹部、つまり全身の筋肉痛になった。
土曜日に外科系の救急外来を受診した。38℃台の発熱もあったが、体温測定して始めたわかったもので、患者さん自身は発熱を自覚していなかった。アセトアミノフェンの処方を受けていた。
鼻汁・咽頭痛・咳はない。嘔気・腹痛・下痢はない。明らかな表在リンパ節腫脹はない。上肢・下肢・肩・肩甲部の把握痛があり。それに、なぜか鼠径部の陰茎の両脇にも圧痛があった。
白血球6100(好中球66.1%)・CRP2.9と軽度の炎症反応上昇を認めた。肝機能は正常域だった。CKが111と正常域にあるのが、むしろ奇異な感じだった。何故上がらないのか。
何らかのウイルス感染によるのだろか。心雑音も敗血症性血栓もないが、念のため血液培養2セットを提出した。
食欲は良好だった(あり過ぎるくらいと)。入院しても経過観察になるとお話すると、自宅静養で様子をみるという。NSAID(ロキソニン)内服で3日後に再度受診とした。
昨日は布施明さんのコンサートに行ってきた。ご本人はニューアルバムの曲を聴かせたいようだが、ファンとしては昔の定番ヒット曲が聴きたい。当方は、「カルチェラタンの雪」・「めぐり逢い紡いで」が聴けて満足。12月で72歳になるというが、声量はものすごい。
(後日記)
予約を入れていた3日後の木曜日に再受診した。もう診察室に入ってくる様子が違っていた。まったく普通に歩いている。月曜日に筋肉痛でそろそろと歩いていたのとは全然違う。検査ではCRPが0.7と低下していた。CKはやはり正常域だった。
やはり何らかのウイルス感染でいいのではないか。根拠はないが。患者さんはさらに経過をみて受診するほどではないというので、これで終診にして、気になる症状がある時に受診とした。
それにしても四肢の筋肉痛と把握痛もあるのに、なぜCKが上昇しないのだろうか。草むしりやスポーツをした翌日の採血でもCKが上昇しているのをよく見かけるので、敏感な検査だと思うが。