12月10日(火)に地域の基幹病院脳神経内科から脳梗塞の70歳代後半の男性がリハビリ転院してきた。左放線冠の脳梗塞で右半身はほぼ完全麻痺だった。
麻痺の程度からは歩行は不可能で、リハビリとしては介助で車椅子移乗程度になる。構語障害・嚥下障害があり、食事摂取ができなくはないが、進まなかった。
12月16日(月)の朝に右上肢のしびれと脱力を訴えた。頭部MRIを行ったが、対側に新規の脳梗塞はなかった。翌日は左肩関節周囲炎の症状を訴えた。脱力自体は疼痛で力が入らないようだ。
頸椎MRIで確認すると、C5/6~C6/7レベルに前縦靭帯骨化症と考えられる低信号構造があり、頚髄を右前方から圧迫していた。濃厚梗塞による右半身麻痺があるので、頚髄由来の症状はわからないかったようだ。
健側の症状はBrown-Sequard症候群に相当するようだ。翌日整形外科で診てもらったが、しびれは軽減していた。脱力が左肩痛で評価し難いので、肩の治療(ステロイド局注)が行われた。
症状の進行といっても右半身麻痺なので、左側のしびれの程度で判断するしかない。あるいは頚椎MRI再検になる。
脳神経内科の診療情報提供書にはっきりとは記載されていないが、放線冠の脳梗塞ではあるが、もう少し動いてもいいのにという感じがみてとれる。脳梗塞の症状に頚髄圧迫の症状も加わっていたのだろう。