内科の若い先生方が休みなので、今日はひとりで新規入院と病棟を診ていた。昨日の夜に入院した91歳女性は発熱が続いて内科医院で点滴を受けていたが、発熱が続いて救急外来を受診した。内服はグレースビットが出ていた。胸部X線・CTで肺炎があるようないような。尿路感染症や他の発熱をきたす疾患はなさそうだった。誤嚥による気道感染としてユナシンで経過をみることにした。先月も発熱で入院して1週間で治って退院していた。婦人科病棟を借りての入院だったが、前回も同じ病棟で、看護師さんからはこの方はムセるからと言われた。
内科の若い先生が外来で緩和ケアを行っていた肺癌の83歳男性も食欲不振で昨夜入院していた。先月に食欲不振・体重減少で外来を受診して、右肺癌と判明した。県立がんセンターに紹介となったが、PSの悪さから治療は無理と判断されて、緩和ケアで経過観察となった。ステロイドの投与でも食欲はあまり改善したかったようだ。とりあえず今日明日の点滴を出しておいた。
私が外来で経過をみていた肺癌・癌性胸膜炎の82歳男性も食欲不振で入院した。昨年秋に大学病院泌尿器科で膀胱癌の手術を受けた。入院中に右肺癌があることがわかり(術前にわからなかったのだろうか)、呼吸器外科に回された。胸水が増加して、胸水細胞診で癌細胞(扁平上皮癌)が検出されて手術適応なしとなった。肺線維症の変化も軽度にあり、一見認知症はなさそうに見える方だが、入院中に認知力低下を指摘され、化学療法もしない方針となった。その後、当院内科へ経過観察・緩和ケア目的で紹介された。今月中旬から胸水が増加して、ステロイドと利尿薬を処方した。一時的には効いたが、1週間前から食欲が低下していた。
さっき循環器科医が急性間質性肺炎の女性が呼吸困難で受診して、大学病院に搬送されたという話をしていた。大動脈解離と大動脈弁閉鎖不全で大学病院で手術を受けて、週1回大学から応援に来る心臓血管外科医が外来で経過を見ていた。胸部CTで両側肺野全体にスリガラス様陰影が広がっていた。酸素6L/分で酸素飽和度が80%台で増量したぞうだ。前のCTでわずかに間質性の変化があるようにも見えるが、明らかというほどでもない。今月に痔核に漢方薬(乙字湯)が処方されていた。関係あるのだろうか。通常ならば、当地の基幹病院呼吸器科への転送だが、心臓大動脈の術後ということで、手術をした大学病院(呼吸器科)への転送となった。
3日前にひどい脳梗塞で入院した76歳女性が亡くなった。若い先生の担当だったが、今日は不在なので変わりに看取った。この方は海辺の市から当地の温泉に来ていた。夕食の時から言語障害が発症していたが、そのまま様子を見ていたらしい。翌日早朝に意識障害が進行して救急搬入された。結局意識が戻らないままの死亡となった。家族との話でDNRの方針となっていて、遠方から来た家族はいったん戻っていた。電話で連絡すると、病院まで来るのに3~4時間はかかるというので、時間確認と処置を行うことになった。同じ県内ではあるが、首都圏から来るのと同じだけの時間になってしまう。