昨日、内科医院から90歳女性が心不全として紹介され、救急搬入された。確かに全身浮腫があるが、全身に皮疹(紅斑)がある。胸部X線・CTで心拡大があり、胸水も少しだけあるが、肺うっ血~肺水腫はない。慢性心不全が軽度にあるとしても、今増悪しているわけではない。肺炎の浸潤影もなかった。聴診上は喘鳴を認めた。この発疹自体が主病であり、それによる浮腫と判断された。喘鳴も気道の浮腫が疑われた。血圧はむしろ少し高めでショックではない。
高血圧症で処方をうけていた(アムロジン・ミカルディス)。昨年末から浮腫でダイアートを追加したと紹介状に記載されていた。患者さんの家族から薬手帳を見せてもらうと、アロプリノール(200mg/日)が処方されていた。今月初めから高尿酸血症で処方されたらしい。そのころから浮腫が増加して、数日前から発疹として認識できるようになったらしい。感染症として明らかなものはないので、アロプリノールによる薬疹が疑われた。ステロイド(デカドロン4mg)を点滴静注して、抗ヒスタミン剤とH2ブロッカー内服で経過を見ることにした。
今日は皮疹は赤みがとれて、浮腫も軽減していた。食欲も良く、受け答えも昨日よりずっと良くなっていた。喘鳴も消失した。今日もデカドロンを点滴静注して、明日からはプレドニン内服(20mg/日)にした。