なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は当直

2012年04月29日 | Weblog

 今日は当直で1日内科の当番にもなっている。日直が小児科医なので、内科系の入院があれば朝から行くようになる。午前中用事があったので、午後2時に病院にいったが、幸いに受診はほとんど小児科の患者さんだった。、夕方から内科の患者さんが続々受診した。

 40歳台後半の男性。嘔吐・腹痛・水様下痢・発熱で受診した。孫が2日前に感染性胃腸炎になったという。最近検査で確診できるようになったせいか、大人のロタウイルス感染が目立つ。外来で点滴していたが、症状が続き、希望もあって入院にした。

 80歳台後半の女性。先月末に頭位変換性めまいで月の病院に数日入院していた。今日はマッサージに行って、帰りに回転性めまいが再発した。救急車で来てもいいのに、家族におんぶされて来た。今回は当院に入院となる。

 70歳台前半の女性。家族と車で山に観光に来ていた。強い風で帽子を飛ばされそうになり、手で押さえた時に回転性めまいが発症した。呼ばれた救急隊が山の上まで行って連れてきた。眼振を認め、頭を動かすと回転性めまいが起きる。帰れそうもないので入院とした。

 60歳台後半の女性。神経疾患で寝たきり状態となり、胃瘻による経管栄養を受けている。前回退院して施設に入所していたが、高熱で救急搬入された。誤嚥性肺炎かと思われたが、胸部X線・CTで明らかな浸潤影はなかった。尿カテーテルが留置されているので尿混濁しているが、尿路感染症が発熱の原因と思われる。

 当直帯が始まって5時間で4人入院している。明日まで何人入院するのだろう。外科はイレウスで緊急手術になった。小児の骨折で整形外科医も呼ばれて手術をしていた。

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内科新患いろいろ

2012年04月27日 | Weblog

 応援医師が3月いっぱいで来れなくなって、交代で金曜日の新患外来をやっている。今日は連休前のためか、いつもより受診数が多かった。

 70歳台前半の女性。後頸部重苦感があり、両側の前額部も圧迫感があるという。2か月前に夫がくも膜下出血で急死したそうだ。寝ていると思って、しばらく様子をみていたのが、悔やまれると言う。話をしているうちに涙ぐんでしまう。ふだんは発作性心房細動と高血圧症で循環器科の外来に通院している。以前からパキシル少量が処方されていて、もともと心気症傾向がある人らしい。1か月前から睡眠薬(マイスリー)も追加になっている。希望で頭部CT検査をしたが、異常はなかった。異常がないと伝えると、喜んでいた。頭部CT検査自体が、安定剤のように働いたことになる。まだ気持ちが落ち着かないのは当然なので、時間が経つのを待つようにと話した。

 やはり70歳台前半の女性。1~2か月前からかぜ症状が出たり治ったり繰り返しているという。かぜとはいえないような、さまざまな症状を訴える。とりとめのない話だなと思って聞いていると、認知症が心配という。近く息子夫婦と同居することになっていて、認知症になると迷惑をかけるので、認知症があるかどうか検査して、認知症なら治療したいという。物忘れがあるというが、生理的な範囲内のようだ。この方も希望で頭部MRIを予約した。認知症の診断は画像も参考にはするが、認知力の評価で診断すると伝えたところ、認知症のテストも希望した。やるまでもなく大丈夫だと思うが。

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リハビリ病棟の急変

2012年04月26日 | Weblog

 リハビリ病棟には、神経内科や脳外科に入院して急性期を過ぎた脳出血・脳梗塞の患者さんや、大腿骨頸部骨折で整形外科に入院した術後の患者さんが入院している。リハビリ担当の整形外科医が主治医となって、約20~30名の患者さんを診ている。基本的には病状が落ち着いているので、それほど手間はかからない(何事もなければ)。しかし、なにしろ高齢者が多く、ほとんどが80歳以上なので、内科的な疾患が急に発症する。

 80歳台前半の女性は、腰椎圧迫骨折後のリハビリだったが、急性腎盂腎炎になって血圧が下がった。内科に連絡がきて、リハビリ病棟ですぐに治療が始まったが、そこは慢性期担当の病棟なので急性疾患に対応できないということで内科病棟へ転棟となった。一時あぶなかったが、なんとか治癒した。今は廊下を歩いてトイレまで自分で行けるようになった。腰痛も軽快してしまった。

 70歳台前半の男性は、脳出血後遺症後のリハビリだったが、休日に昏睡となった。検査すると。もともとアルコール性肝硬変があり、血中アンモニアが200を超えて肝性脳症になっていた。すぐに消化器病棟に転棟して治療が開始された。

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昨日は歓迎会

2012年04月25日 | Weblog

 昨日は新任の内科医師の病棟歓迎会があった。思ったより品の良い居酒屋風の店だった。新任の先生はもともと外科医で、途中から内科になった。お酒は好きなようで、気持ちよく飲んでいた。私は飲めないのでいつものウーロン茶。 朝病院に来て、昨日の当直帯の受診を確認した。昨日の当直は外科医。準夜帯で50歳台半ばの男性が右下腹部痛で受診していた。白血球13000・CRP13と炎症反応の上昇があった。、腹部造影CTで右上行結腸に複数の憩室があり、憩室壁の肥厚と周囲脂肪組織の炎症像を認める。結腸憩室炎の診断で外科入院になっていた。また右大腿骨頸部骨折で整形外科に入院して退院したばかりの80歳台女性が、右恥骨骨折でまた整形外科に入院していた。午前0時過ぎに50歳台前半の男性が左尿管結石で受診していたが、疼痛が軽減して午前中に泌尿器科外来受診になっていた。当直すると、いつも「当たる」」外科医なので、この先生としては今回の当直はまあまあというところ。

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すごい既往歴

2012年04月24日 | Weblog

 60歳台前半の男性。糖尿病・糖尿病腎症で糖尿病外来に通院して、インスリン治療を受けていた。早朝から意識障害があり、救急搬入された。低血糖があり、グルコース投与で意識は軽快した。意識が回復すると、呼吸苦を訴えた。両側肺の背側に浸潤影というべきか肺水腫様というべきか、という陰影を認めた。胸水はない。炎症反応はごく軽度。血液ガスでPaO2が40台、PaCO2が50台と低酸素血症、高炭酸ガス血症だった。明らかなCOPDの所見はない。救急担当の消化器科医が診ていたが、どうしましょうと相談を受けた。110~120Kgの肥満があり、人工呼吸器管理は専門医がいないと無理と思われた。呼吸器科の医師が複数いる基幹病院に搬送してもらった。

 あとで、これまでの既往歴を確認した。10年前から糖尿病で通院が始まっていた。最初の入院は外科で、会陰部壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)で入院していた。さらに足指の壊死で切断術を受け、昨年は足の潰瘍で入院して、完治していないのに途中で退院していた(本人の希望)。循環器科には心不全で入院して、心不全軽快後に冠動脈ステント留置の治療を受けていた。腎症の悪化でネフローゼ状態となり、腎臓内科でも外来経過観察となっていた。今回の陰影は肺水腫としての陰影のような気もしてきた。呼吸器科じゃなくて循環器科に送るべきだったかもしれない(搬送した病院は、循環器科医師も6名いて当院の3倍)。この患者さんは、もし標準体重だったら、糖尿病の治療も経口剤少量で済んで、これほどの合併症は起こさなかったと思われる。入院した時は10Kg体重減少して、血糖コントロール良好なっているが、退院するとすぐ元に戻ってしまっていた。アルコール性肝障害もあった。

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脳出血後遺症という人生

2012年04月23日 | Weblog

 50歳台後半の男性。10年以上前から脳出血2回の後遺症で寝たきり状態となった。複数の救急病院・リハビリ病院などを転々として、今は施設に入所している。嚥下障害で、胃瘻造設による経管栄養を受けていた。一昨年に誤嚥性肺炎で入院したが、幸い治癒して施設に戻っていた。一昨日から発熱があり、昨夜救急搬入されて、誤嚥性肺炎の診断で当直医が入院させていた。今朝病院に来ると、当直医(循環器科医)から報告を受けてまた主治医となった。両側肺に浸潤影が散在していた。施設から連絡がいって、午後から妻が仕事の都合をつけて病院に来た。病院に来るまで2時間かかるという。一昨年にも会っているので、顔は忘れていたが、何となく対応した時の雰囲気を思い出した。若い時から寝たきりとなったため、妻が仕事をして家庭をささえていた。長期の入院費用が必要だったし、、現在の施設入所もそれなりに費用はかかるはずだ。大事な家族(夫)には違いないが、複雑な思いがあるのだろう。

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消化器病学会

2012年04月21日 | Weblog

 4月19日から3日間消化器病学会に行ってきた。病院を離れて、少し気分的にリフレッシュした。宿泊毎日ランチョンセミナーで昼食を食べて、モーニングセミナーにも2日間出るという学会場籠り切りの3日間だった(空いた時間も近くの喫茶室ルノアールにいた)。一番ためになったのは、一見地味な大腸憩室症のセッションだった。大腸憩室症の症例はけっこう多いが、まとまった教科書・文献がない。大腸憩室研究会が立ち上がったようで、いずれ憩室出血と憩室炎への対応についてまとめたものが出ると期待できる。IgG4関連疾患のセッションを見て、記念に肝胆膵の自己免疫性膵炎の特集号を買ってきた。

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この時期にCOPDの息切れ

2012年04月18日 | Weblog

 70歳台後半の男性。糖尿病・糖尿病腎症・高血圧症で内科外来に通院している。一昨年急性心筋梗塞(下壁梗塞)で心臓センターのある専門病院で冠動脈ステント留置を受けていた。昨年11月から息切れがあり、症状が続くため今日初めて息切れの話をした(ふだんは血糖の話だけ)。確かにCOPDの症状が出やすい時期に症状が始まっているが、寒い時に言わないで暖かくなってきたこの時期に訴えるとは。喘鳴はない。4年前まで喫煙していて、20本/日が50年以上になる。心不全ではなかった。COPD疑いとしてスパイロをしてみたが、正常域にあった。酸素飽和度も正常だった。胸部単純X線ではわかりにくいので、胸部CTを行ったところ、両側肺に気腫性変化を認めた。さらにCTで見ると、胸部X線で右肺の肺動脈陰影に重なる位置に結節性病変があった。肺癌が疑われる。呼吸器科外来(大学医師担当)に紹介することにした。

 明日から3日間消化器病学会で東京へ出張。

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息切れと咳

2012年04月17日 | Weblog

 70歳台後半の男性。5か月前(昨年の11月)から労作時の息切れが続き、内科新患を受診した。内科医院に心房細動・高血圧症で通院している。下肢の浮腫がある。血圧・心拍数(当然不整脈)・酸素飽和度は正常域。胸部X線で心拡大・少量の胸水貯留があり、BUPは300だった。心尖部に収縮期雑音が目立つ。同居の妻は今日デイサービスに行っているそうで、ひとりで受診していた。ふつうに話もできて病院内をちゃんと歩けた。明後日に心エコーを予約して(大学からの応援医師担当)、利尿剤(ラシックスとアルダクトン)を処方して1週間後に再受診とした。症状が悪化する時はすぐ入院治療とすることを伝えた。

 60歳台後半の男性。心房細動・心不全・高血圧症・糖尿病などで地元の病院に通院していた。2か月前から咳が続き、その病院など3か所を受診したが、よくならないため、当院内科新患を受診した。薬手帳を持って来なかったので、調剤薬局から処方箋をFAXしてもらった。かなりの肥満があるが、下腿浮腫はまったくなし。BNPは72と有意ではない。胸部X線で心拡大が目立つ。心拍数が正常域の心房細動を認めた。肺機能検査で混合性障害がある。1秒率50%台。気管支拡張剤投与による肺機能の改善の有無をみるのは、以前呼吸器科があったころから当院ではやっていない。喫煙歴はなし。聴診して強制呼気でも喘鳴は聴取しなかった。夜間早朝の喘鳴も自覚していないそうだ。炎症反応は陰性。処方にエナラプリルが入っていて、おそらく以前からなのだろうが、休止が好ましい(ARBのオルメテックも処方されている)。また気道過敏があるとすれば、βブロッカー(インデラル)も他剤に変更したほうがいいかもしれない。処方の変更と吸入ステロイドで経過をみるかどうか。今後の対応にあまり自信がもてない。通院している病院宛てに、症状と検査の結果を書いて、基幹病院の呼吸器科への紹介も勧めてみた。

 

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急激な呼吸困難

2012年04月16日 | Weblog

 70歳台後半の男性。循環器科に高血圧症で通院していた。昨年秋に咳で呼吸器科(大学医師担当)を受診して、胸部CTで胸膜直下にごく軽度の間質性陰影があったが、鎮咳剤で経過観察となっていた。1週間前から呼吸苦があり、市内の内科クリニックに行っていたらしい。日曜日の日中に当院の救急外来を受診して、当番の小児科医師が肺炎として入院させていた。新任の内科医師が当直だった。夜間呼吸困難・低酸素で喘息発作に準じてステロイドを使用していた。今朝外来で診ている循環器科医師に相談したが、BNPは有意な上昇がなく、画像上も心不全ではないと判断された。その後に私が相談された。胸部X線のみで胸部CTは撮っていなかったが、両側肺にびまん性に陰影があり、肺自体が縮小していた。間質性肺炎の急性増悪(あるいは急性間質性肺炎)と思われた。酸素飽和度はリザーバー付きマスク10L/分でもギリギリのところだった。基幹病院の呼吸器科に連絡して搬送するよう伝えた。搬送候補の病院を2か所決めて、どちらも受け入れ困難な時はまた相談とした。幸い一番近い基幹病院が受け入れOKで、すぐに搬送した。搬送した病院から、今日肺癌骨転移のある80歳台後半の女性が転院してきた。看取りまでのターミナルケア依頼だった。もっとも最近はターミナルと言わず、best supportive careという。

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