ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

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 樋口誠

南フランスのワイン

2012年06月09日 03時40分04秒 | ワインの事

南フランスのワイン、と言うと以前はコート.デュ.ローヌとプロヴァンスのワインを指すことが多かったかな、と思います。

少なくても20年位前まではそうでしたね。

実際の所はラングドックとルーシオンの2地方が最も南に位置します。

が、昔はいわゆる品質重視のワインは少なく、あっても規定外のヴァン.ド.ペイの範疇のものばかりでした。

となると葡萄品種はカベルネを中心とするボルドー品種に偏っており、地方性に乏しい物でした。

 

しかし、ここ20年の間(私の体内時計ですが)に自立したAOCワイン(原産地呼称ワイン)が、しっかりと主張し始めています。

例えばグルナッシュ、ムールヴェードル、シラー、サンソーなどの地中海系の品種の赤、モーザックやピクプール等による白や発泡性ワイン。

北の産地と違い、意外なほど温暖化の影響を感じないな、と言うのが私の感想です。

南であっても過度に熟した糖度からのアルコールの強さが目立たない、更に酸の低さが輪郭を崩している訳でもないワインたちが出来上がっています。

そういう点では寒い産地の方が温暖化の影響を受けやすいのだな、と感じます。

また、かつて「安ワイン」と呼ばれた産地からの若い生産者の情熱が良い方向に働いているのでしょう。

11日に行われるワインメーカーズディナーはそんな中でも注目、成功を収めているエシュ.エ.バニエ社のものですが、今月は何種かをグラスで開けています。

お手軽な価格で高品質な南フランス。

しかも、キッチリと地方性を兼ね備えて、過熟していないワイン。

有名産地がアジア市場で高騰してゆく中、これからの日常を支えるワインとして考えてもいいのではないかと思います。

ところで地中海に面したところは青魚、例えば日本人の大好きなマグロなどの漁獲も消費もありますね。

是非合わせて頂きたいですね。