ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

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 樋口誠

ドイツの赤ワイン

2014年06月13日 03時06分01秒 | ワインの事

ドイツは白ワイン、とりわけ甘口の銘醸地として有名です。いや、有名でした、と言ったほうがいい様な時代になって来ました。

ドイツのみならずアルザスなども95年の「フレンチシンドローム」というポリフェノールを知らしめたアメリカのテレビ番組の影響を受けて主産品である白が売れなくなってきた、と聞きます。

で、当初はドルンフェルダーという品種で赤を造るところが増えたらしいのです。

この品種は果皮だけでなく果肉も赤く、つまりは果汁も赤い、言い換えれば濃い「色」の赤ワインを造りやすかったのですね。

しかし色は濃いけれども深みに欠けるという理由でドルンフェルダーの天下は短く、次第にシュペートブルグンダーが増えてきます。ピノノワールです。

以前はドイツもアルザスも赤とは言え、目を閉じて飲むと赤ワインとは判らないようなものが多かったのは私も経験していますし、生産者自体が「俺たちの赤ワインは別に飲まなくていいよ!!オマケみたいなもんだから」と自嘲気味に言っているのを何人もの生産者から聞いています。

90年台の前半まではそうだったと思います。

ところがドンドンいい赤=赤ワインらしい赤ワイン、突っ込んでいうとブルゴーニュのピノノワールに負けない赤が出来てきます。

先月からシュペートブルグンダーを使っていますし、今月は老木のものも入れています。

この話は前にも書きましたね。

アルテレーベン=老木のものは開けたても美味しいのですが、時間が経てば更に発展します。



ポリフェノールブームだけではなく温暖化も北限の地での赤ワイン生産の後押しになったことは否めないでしょう。

またオーストラリアやワシントン州でドイツ、アルザスの横綱葡萄リースリングの良質のものが造られるようになって久しいというのも反動の理由かもしれません。

これがピノノワールでなくカベルネやメルロなら世界中にライバルが多かったかもしれませんがピノノワールはライバルや生産量が多くない、ということが発展につながっているのかな、とも思います。


私はワイン研究家ではありませんので余計な推測はこの辺にしますが、ワインを選ぶエリアが増えたことは有難い話です。