これも書いたことかもしれません。
シラーは色々なところで造られ、色々なスタイルがあります。
ピノノワールやカベルネは熟成の樽のサイズなどは殆ど変わらないですし、土地や天候の違い、という要素が大きいかな、と思います。
しかしシラーは違います。
フランスのローヌ地方のシラーは小樽より大きめの樽(500㍑~600㍑)が多く、しかも新樽はあまり使いません。
よってシラーの特徴である胡椒やスミレの花が綺麗に香ります。
また北ローヌは南仏とはいえ涼しい風が吹き、よって酸が綺麗です。
それに対して、もう一つの有名産地オーストラリアでは小樽での熟成、新樽も少ならず使います。更に最近は減ってきたと聞きますがアメリカンオークの樽による香味が特徴的に感じるものも少なくありません。
しかしシラーもカベルネなどと並び世界中で栽培されていますから、更にタイプが広がる訳です。
そういう中でイタリア.トスカーナも「シラーの銘醸地」と言えるくらい生産者が増えています。
私の印象では総じて「男前」です。アメリカのマッチョではなく、伊達男でちょい悪な感じ。
充分熟した葡萄をとれる割に過熟感はなく、新樽を使っていてもシラーのスパイシーな特徴を消さず、スマートさと果実味のバランスが良い。
スーパートスカンなどを造る「土地の慣習に縛られない」気風があるのでしょうか?
研究熱心でチャレンジ精神旺盛、な素晴らしいワインが多数造られる中でシラーも目が離せないトスカーナです。
今月はちょっと高価ですがスイサッシという「男前シラー」が開いています。
お試し頂きたいと思います。