「ヘヴン/書籍」★★★☆
川上未映子著、2009/9/1初版
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「同じクラスでイジメに遭う「僕」と「コジマ」
ふたつの無垢な魂が小さな密室で汚されていく、
大阪弁でちょっと変わった文章を書く川上未映子が
イジメという今日的なテーマを大阪弁を封印して挑んだ作品、
予約して届くのを楽しみしていた作品、さっそく読み切った」
物語はクラスの仲間から徹底的に苛められている
「僕」によって語られ、
「私も同じだよ」という手紙から
同じクラスで苛めにあっている女子「コジマ」と
ひっそりとした手紙のやり取りで
つかの間の安らぎを覚える中学の日々。
人はどこまで他者を蔑むことができるだろう、
そして人はどこまで他者からの蔑みに耐えられるのか。
イジメの中心人物が勉強も出来、ルックスもいい少年というのが
気になった、たぶん実際だとこういう少年はその中心にはいなくて
少し離れた所から「困ったな」という気持ちで
見過ごすのじゃないだろうか、
でもそんなことはどうでもいい、この密室で行われた事は
彼らのその後の人生にどう影響するんだろうか。
そんなことが気になった。
こんなことがあったことも忘れてしまうよ、
そこでそう感じたかという気持ちを忘れるというより
そういう事実そのものさえ、記憶は無かったものと。
そうかもなと思った。
主人公の「僕」よりも
彼とわずかな触れ合いを求める「コジマ」という少女が
気になった、彼女が見せたかった「ヘヴン」が
どんなものなのか気になった。
さて、息を詰めて読み切って感じたのは、
これまでの彼女の作品との違いだ、
尖って、才気煥発、才能の発露を抑えられないような
彼女の文章は自分には重かったし、
女性としての文章を前面にしすぎているのが
息苦しかった、
今回は彼女は「文学」というものから真正面に向きあい、
「心の輝き」のようなものについての
彼女の考えを書ききっていると感じた。
イジメを扱いながらも、
ここにあるのはイジメへの
彼女の考えというわけではなく、
人が生きているうちに起こる数々の出来事も
そのうち「あったのか、無かったのか」
分からないように感じるだろうという
誰でも分かっている事実だ。
でも、まだ物足りない、
それは期待の値が高すぎて
着地点が予想の範囲でどうにも
心の奥を揺さぶられるというところまで
達していないのだ。
ただ今回の作品を読んで安心した、
フツーの文章も書けるじゃんと、
きっと彼女の頭の中には書きたい、書くべき
「物語」があふれているのだろう、
それを広く一般の読者に向けて
また新しい物語を読ませて欲しいと思った。
才能ってあるのだと、そのことは確かなようだ。
でもまだ届かない・・・・。
★100点満点で75点★
soramove
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芥川賞という大きすぎる勲章を彼女はどう感じているんだろう。
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そして人はどこまで他者からの蔑みに耐えられるのか。
イジメの中心人物が勉強も出来、ルックスもいい少年というのが
気になった、たぶん実際だとこういう少年はその中心にはいなくて
少し離れた所から「困ったな」という気持ちで
見過ごすのじゃないだろうか、
でもそんなことはどうでもいい、この密室で行われた事は
彼らのその後の人生にどう影響するんだろうか。
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こんなことがあったことも忘れてしまうよ、
そこでそう感じたかという気持ちを忘れるというより
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主人公の「僕」よりも
彼とわずかな触れ合いを求める「コジマ」という少女が
気になった、彼女が見せたかった「ヘヴン」が
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これまでの彼女の作品との違いだ、
尖って、才気煥発、才能の発露を抑えられないような
彼女の文章は自分には重かったし、
女性としての文章を前面にしすぎているのが
息苦しかった、
今回は彼女は「文学」というものから真正面に向きあい、
「心の輝き」のようなものについての
彼女の考えを書ききっていると感じた。
イジメを扱いながらも、
ここにあるのはイジメへの
彼女の考えというわけではなく、
人が生きているうちに起こる数々の出来事も
そのうち「あったのか、無かったのか」
分からないように感じるだろうという
誰でも分かっている事実だ。
でも、まだ物足りない、
それは期待の値が高すぎて
着地点が予想の範囲でどうにも
心の奥を揺さぶられるというところまで
達していないのだ。
ただ今回の作品を読んで安心した、
フツーの文章も書けるじゃんと、
きっと彼女の頭の中には書きたい、書くべき
「物語」があふれているのだろう、
それを広く一般の読者に向けて
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才能ってあるのだと、そのことは確かなようだ。
でもまだ届かない・・・・。
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