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書籍「芥川賞/春の庭/柴崎友香著」いつもの風景は相当な変化が無い限り、目に留まらない

2014-08-06 10:00:12 | 読書の時間
書籍「芥川賞/春の庭/柴崎友香著」★★★☆
柴崎友香 著 ,
文藝春秋 (2014/7/28)
(141ページ ,1.300円)





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第151回芥川賞受賞作。

「離婚したばかりの元美容師・太郎は、
世田谷にある取り壊し寸前の
古いアパートに引っ越してきた。
あるとき、同じアパートに住む女が、
塀を乗り越え、隣の家の敷地に
侵入しようとしているのを目撃する。
注意しようと呼び止めたところ、
太郎は女から意外な動機を聞かされる…」

(文藝春秋HPより)


予約した本が届いたので
早速読んでみた、
芥川賞の作品ってどれも本が薄い
一緒に届いた、直木賞の「破門」が
470ページで1700円なので
その薄さが際立つ、
もちろん内容には無関係だけど
こうなったら内容で勝負してもらおう。



と、意気込んで
読んだわけではないが
設定は少し変わってはいえるけど
誰にでも起こりそうな話が展開する。


主人公が移り住んだアパートは
住宅街にあり、隣家とは接近し、
ひょいと覗けば、お互いの日常が垣間見える、
自分も学生の頃
最初のアパートは
窓を開けるとすぐに隣の窓が
同じ高さにあり
お互いに手を伸ばせば
握手できそうな近さだった、
田舎ののんびりした所から
そんなごちゃごちゃしたところに住んだので
この小説の舞台のアパートは
すぐに頭の中でイメージ出来た。



ただ違っていたのは
いくつかの引越しを繰り返しながらも
自分はついぞ、隣の人と
仲良くなる事は無かったし、
もっといえば、名前さえ知らない、
偶然出くわせば、頭くらいお互い下げたけれど。


同じアパートの住人と触れあう事で
主人公は今まで見て来た
周囲の風景を
ちょっと視点を変えて見るようになる、

具体的には隣家には以前
有名人が住んでいて、彼らは
そこで撮った写真集を残している。


外からでもその建物の過去の雰囲気は
なんとなく伝わるが
変わってしまったことと
変わらないこと

そんなものを
これまで何気なく毎日目にしていたものから
強く意識させられるようになることで
彼の日常はやはり
ひっそりと変化していく。

何か掴みどころないもの
その「何か」は確かにあると感じた、
でもそれ自体があまりに
些細で
何があったかどうかも
すぐに忘れてしまいそうだ

ただいつかふっと、似たようなものを感じた時
そういえば、そんな小説あったなと。

★100点満点で75点

soramove
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