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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「アポカリプト」走る!走る!走る!ギブソンお見事!

2007-06-24 00:16:12 | 大作映画ハリウッド系
「アポカリプト」★★★☆
メル・ギブソン監督
ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス出演
2006年、アメリカ、138分



まだ西洋文明が入り込む前の中南米、
マヤ文明が栄えていたが、
多くは生まれた海や山で自由に暮らしていた。

家族を養い、
村単位の暮し、
豊富な食物と大自然。

そんな文明以前の暮しは
否応無く武力や権力に侵されていく。

マヤの部族に捕らえられ
逃げまくる主人公。
森の民は険しいブッシュを味方に、
自分の村で待つ妻とこの元へ懸命に走る。

簡単に言えばこんな物語り、
特に声高になにかを言おうというより、
まずは見るものをいつの間にか
主人公と同じブッシュに連れて行ってくれる。

後ろから放たれる追っ手の矢から、
思わずこっちも頭を下げたり、横にずらしそうに
なるからね。
「うわー、早くしないと捕まるー」と
単純に主人公を応援し、
一緒にブッシュを走り回る。

これだけでかなり楽しませてくれるのだから、
映画って見せ方なんだなと思う。

マヤの遺跡にはかなり興味があるが、
この映画では悪者として登場、
だからといって悪い印象は受けない、
この当時は力があるものが神であり、
だからこそあのような壮大な神殿も作られたのだから。

しかし製作のメル・ギブソンは、何を思ってこの映画を
作ったのだろうか。
前作はキリストの最後の日を描き、
今度は文明前夜の南米、
しかも自分の出演作とは対極だ。

どこにもヒントさえ見つけられないが、
まだまだ何かを見せてくれそうで楽しみだ。

クリント・イーストウッドが
70を越えてまだまだ野心的な作品を見せてくれているように、
心に表現したい何かがあるかぎり
それを具体的に形にして見せて欲しい。

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文明は人の心から、本来の豊かさを奪ったような
ことを文章などで目にするが、
そんな短絡的に比べられるものじゃない。
何が幸せかの物差しはそう簡単に計れないのだ。

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「ゾディアック」犯罪者を追い詰める狂気

2007-06-22 00:35:05 | ミニシアター系映画
「ゾディアック」★★★
ジェイク・ギレンホール主演
デヴィッド・フィンチャー 監督、2007年(157分)



連続殺人発生、
犯人はナゾのメモを送り付け、
警察やマスコミはその扇情的な態度に躍らされる。

主人公はあるきっかけで
事件にのめり込んで行く。
それは興味本位のような軽いものじゃ無く、
生活そのものを事件の解明に捧げ、
結婚生活は破綻し、
それでもわずかな糸口を執念深く追うのだ。

はた目に見るとちょっとやり過ぎだと思うし、
趣味の範囲なら面白いかも知れないが、
全人生を懸けているようなところをみると
痛々しいなと。

でもその一方でなんだか羨ましくも感じるのは、
何か他の判断基準など全く
入り込めないほど何かに夢中になるなんてことは、
なかなかないからだ。

時間がもったいないとか、
自分の楽しみの時間を削ってまでなんて
考えていても、じつは大したことやっているわけでもなく、
だったらこんなふうにのめり込むのも
幸せな事かもしれない。

ただし周囲はかき回されて大変そうだ。

デヴィッド・フィンチャー 監督作品ということで、
どんなおかしな映像を見られるかと思っていたが、
出来は映像としての驚きは無かった、
やはり実際の事件を元にしていては
なかなか創造の入り込む余地は少なかったのか。

主人公の気持ちになじめないと、
少し長めの上映時間は、終盤から時計が気になる
なんてことにもなりかねない。

★ジェイク・ギレンホールは「遠い空の向こうに」から
注目の俳優、固定されずいろんな役を
選んでいるようだ。
100点満点で70点並の出来だった★

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古くはダーティ・ハリーでも描かれていたという
当時は大きな話題だったこの事件、最近では
大きな事件も風化はあっという間だ。

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「GOAL! 2」これぞアメリカンドリーム、批判的な視線を封印し楽しみたい

2007-06-20 20:37:27 | 大作映画ハリウッド系
「GOAL! 2」★★★☆
クノ・ベッカー主演
ジャウム・コレット=セラ監督、2007年イギリス(114分)


当初の予定より遅いペースでの公開で、
この調子なら、主人公は次のワールドカップに
出られそうだ。

メキシコから逃れ、アメリカで暮らしていた少年は
イングランドで幸運なデビューを飾り、
今度はベッカム達のスター選手のいる
レアル・マドリッドと契約し
控えからスタメンへと成長していく。

完全な成功物語で、
出来過ぎと思えるところも多いが、
最初から分かっていたことだからかそれほど気にならない。

それよりもボールを蹴りもしない自分までが
試合のシーンでは熱くなることに戸惑いながらも、
ひとりの青年のサクセスストーリーを
心地よく受け入れ、
このまま夢を掴んで成功してもらいたいと
切に願うのだ。

実際の生活では周囲のだれからも認められ、
何より自分の思い描く理想像を
達成する事は難しい、
いや、まず無いと言っても良いくらいに
その道は険しく扉は誰にでも開かれているものではない。

だからこそ、劇場の暗闇の二時間くらい
夢が見たいのだ。
出来過ぎだって良い、
そんなことありえないと思いながらも
映画の主人公の栄光の瞬間を見たいのだ。

シニカルな目でみなければ
この映画を見ている二時間は
他人事ながらなんとなく幸せな気分が味わえる。

★ありがちな展開で驚きもないが
点数をつけるとしたら75点くらい
見逃すと損するとも思えないが
悪い気はしない★

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サッカーの試合シーンは臨場感があり
やはりシュートはいいものだ、スタジアム全部の視線を一身に集め
美しいゴールが決まる。

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「300」劇画タッチの全身全力作品、力を抜く部分も欲しかったか

2007-06-17 00:22:02 | 大作映画ハリウッド系
「300」★★★☆
ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ主演
ザック・スナイダー監督、2007年



実はこの映画、3月にタイの
ハートヤイというマレーシアとの国境の街で見た。

その時は、なんとタイ語の吹き替え
もちろん何を言ってるのかは分からず、
ただ観客の興奮だけは
同じスクリーンを見て感じていた。

実写に全部後で暗い陰影を入れて、
わざとスパルタの戦士の筋肉を
強調させたような画像と
ほとんど戦いのシーンばかりで
単調になるところを、脚本が救っている。

今の時代、国の力を示すものは
経済力に変わっているが、
以前は命を懸けて示さなければならなかった。
その情熱は今、何に変わっているのだろうか。

明確な目標も無く、
ただ毎日を過ごしていると
生きることが全ての目標に思えてくる、
でも人は何かに力を尽くして
そこで自分の力を確信したい生き物だ。

このややこしい生き物は、
だから時々、荒々しい過去の時代の人間の
生きざまを見て、鏡とするのだ。

守りたいものはあるか、
そしてその為に力を尽くしているか。

伝説の戦いを目の当たりにして、
スパルタという言葉が記憶に残り
命は別の形で次へと続くものだと知る。

やはり日本語字幕があって良かった。

★劇場で見ないと迫力は伝わらない、
100点満点で70点というところ★

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画面のつくりが全部が全部、渾身の力を尽くしているようで
終わるとちょっと疲れるかな。

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「女帝」絢爛豪華+チャン・ツィイーそれでも気分は晴れない

2007-06-15 00:44:42 | 香港・アジア映画
「女帝」★★★
チャン・ツィイー主演
フォン・シャオガン 監督、2006年、中国



東洋趣味に彩られた絢爛豪華な映画、
古来のものと
新しいものが融合され、
静かに地面を流れ、
時には優雅に空を駆ける。

すごい映画だなと冒頭から
10分あまり画面を凝視した、
目が離せないという感じ。

しかし物語が動き始めると
それらの絵画のような舞踏のワンシーンの
静けさが破られ、
しっくりしないのだ。

絢爛たる舞台のうえで
小さい声を張り上げたような
ちまちました演技が上滑りしている。

チャン・ツィイーは確かに美しい
だけどこんな時、画面全体を支配するような
圧倒的な存在感はまだムリのようだ。

思えば「初恋の来た道」の可憐な少女は
話題作に多く出演し
今ではハリウッド女優に成長しているが
何か足らないとしたら
迫力なのかな。

ただあまり凄みを身につけると
今度は強い女性くらいにしか感じられないので
そのあたりのさじ加減がこれからの課題だろう。

出だしの意欲的な作り手の情熱みたいなものが、
空回りしてしまった感じだ。

とはいえ大好きな女優チャン・ツィイーの姿を
大画面で見ることができるのは
幸せなことだ。

見終えて、やはり脚本は大事だと
いまさらながら実感。

★好きな俳優が出ていても、映画の中で
輝きを放つかどうかは別問題
100点満点で50点の出来★

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かなりの製作費を使った意欲作、
この調子でもっと面白い映画を見せてもらいたい


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