soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「しゃべれどもしゃべれども」伝えたいことがあるなら何としてでも伝えるしかない

2007-06-03 00:27:10 | 邦画
「しゃべれどもしゃべれども」★★★★オススメ
国分太一、伊東四郎、香里奈主演
平山秀幸監督、2007年



うだつの上がらない二つ目の落語家、
芸にかける情熱は充分あるが
自分のスタイルを探している状態の主人公。

彼の元に話がうまくなりたいと
面白いキャラクターの三人が集まった。

映画の日、1000円ならいいか、くらいの気持ちで
映画館へ。

冒頭のセリフ回しがうまくて
すぐに映画の中へ、
国分君は張り切りすぎの大きな目が気になるし、
香里奈が話がうまくないというだけで
モテないというのも、なんとなく納得は出来ないが
それでも所々のハッとするような言葉が
いくつも散りばめられて
とても面白かった。

口数の少ない野球解説者が
夕暮れの草野球場で
「好きなこと諦めたら、一生後悔するぞ」
朴訥な人からの不意の名言が心にしみる。

しゃべってもしゃべっても人に伝わらない、
伝えたいことはある、
がんばってもいる、だけどそれだけでは伝わらない。

自分の胸に聞く、
伝えたいことはあるのか、
そして充分それは伝わっているのか、
そのための努力をしていうのか。

普通にやっていれば時間は過ぎ、
目の前の事柄はとりあえずは終わる、
そしてまた同じ日常が始まる。

同じ繰り返しなら
やはりこの映画の主人公のように
相手に伝えたいと思った。

人に教えること、
そしていくつかの事柄でふれあい、
主人公は少しだけ、ほんの少しだけ
成長する、
その辺も良かったな、あんまりに大きな成功を得てしまうと
うそ臭いからね。

しゃべれどもしゃべれども

その言葉は相手に伝わるといいな。

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国分君は張り切りすぎが印象に残ったけれど、
自分の芸を高めるための様々な事柄は
なんか、そういう積み重ねが力になるのだとあらためて考えさせられた。

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「明日、君がいない」映画はまだまだネタは尽きないと実感

2007-06-02 00:42:04 | ミニシアター系映画
「明日、君がいない」★★★★オススメ
ジョエル・マッケンジー 、クレメンティーヌ・メラー主演
ムラーリ・K・タルリ監督、オーストラリア、2006年

最初にこの映画はあるイメージを
見る者に与え、
その後は高校生への
インタビューと彼らの高校生活が
淡々と映し出される。

どこにでもある風景といえば
そうだろうし、
同級生との恋愛、同性愛、近親相姦

そんなに色々ないだろうとも感じるが、
縮図と考えたら急にリアルに感じる。

ちょっとしたことで
悲しくもないのに涙が出たり、
急に怒り出したり、
誰かに優しくしたくなったり。

不安定な感情の揺れ動きは
誰にでもあったことなので
この中の誰かに共感するというより、
やはりそういうこともあるだろうなと
受け入れる要素を誰もが持っている。

映像は粗く、語りから現実の映像へと
流れもいまひとつスムーズには感じられない、
けれど何か激しく心を揺さぶるものがある。

ひとつのイメージは
映画の進行中もずっと残り、
ラストに最初のイメージが現実として
映し出された時、
残酷な事が起こってしまったのだなと
確認すると同時に、
なんだかほっとする自分を見つける。

シンプルな着想で最後まで
引き付け、考えさせ、見せ切った手腕はすごい。

こういう映画を見ると
まだまだテーマはそこら中に眠っているのだなと
実感する。
何がどうこうというより、
この映画を見ている時の自分の心の動きや、
見終わった後の、後味の悪さも含めて、
この映像体験は新鮮だった。

期待してないぶん、拾い物の映画だった。

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19歳で書き上げたという脚本は実体験に基づいたもの、
完成度の高さは驚くべきもの。

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