soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「プール」チェンマイが舞台だけれど観光の見所は出てこない

2009-09-18 00:09:53 | 邦画
「プール」★★★普通
小林聡美、加瀬亮、伽奈、もたいまさこ主演
大森美香監督、96分、2009年



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なーんにも起こらない、映画。

「タイの古都・チェンマイを舞台に、
5人の男女の6日間を描いた作品、
みんな何かをしてるけど、訪ねてきた娘以外は
何をしてるかは全くわからない、そんな映画」



小林聡美が好きだ、
もたいまさこは好きって程じゃない、

加瀬亮は良い、何をやらせてもそこに
ちゃんと存在しているように感じられる、
だからって圧倒的な迫力は全くない。

そんな3人とそのゲストハウスで育てられている
タイの少年の穏やかな生活に
日本から小林聡美演じる京子の娘がやってくる、
そのことで穏やかな水面に微妙な波紋が広がり、
みんなちょっとだけ、今の場所から
別の場所へと。


雰囲気があり、「好きだ」という人もいるだろう、
いくらなんでも「何も起こらない」と感じる人もいるだろう、
でもこの映画は「そこ」を狙った映画だから
そのままを受け入れられるなら楽しめるし、
「何か」を求めるなら、お金と時間の無駄となるかも。

自分はどうだったかというと、
こういう現在の場所とは全く違う風や
空の青さを感じさせてくれる映画は好きだ、
それでも思うのだ、いくらなんでも力を抜きすぎだと、
もう少し「何か」ないと。


慌ただしい毎日、無理してでも
一週間とか休みをとって、非日常へ身を置くことで、
何もしなくてもたぶん心や体が癒されるだろう、
リゾートのプールの掃除風景を
朝食のレストランの大きな窓からボヤっと見たことを思い出した、
日本人だったら10分もかかりそうもないことを、
ゆっくりゆっくりプールのごみを取り、
やる気のなさそうなホウキ使い、
何かに追い立てられるような日常に笑いそうになる、
他人の動作を見ながらそこによく知っている自分を投影するように。

何も起こらない分、自分で色々考える映画だった。


★100点満点で70点


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「かもめ食堂」「めがね」と小林聡美の魅力でなんとかしているが、中身は無い。でも好きだ。

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「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」怒涛のハリウッドアクション・文句なしの娯楽大作

2009-09-16 00:19:02 | 大作映画ハリウッド系
「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」★★★★
ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、リン・コリンズ、ダニー・ヒューストン主演
ギャヴィン・フッド監督、109分、2009年、アメリカ



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もう一度見たい!

「孤高のヒーローとして異彩を放つウルヴァリン、
彼の生い立ちからウルヴァリンという名前の由来や
謎の軍人の組織する特殊部隊チームXでの仕事を
メンバーとの対立で離脱し、
カナダの山奥で静かな暮らしをしていたが、
その穏やかな日々も長くは続かなかった。」



日本でh初登場首位獲得ならず、何が足りないんだろう、
これをヒットさせられなのは宣伝の力不足だ。


特殊な力があったら楽しいだろうなと
誰もが夢想する、瞬間移動できたら、
壁を動物のようによじ登れたら・・・、
そんな力をいつもは隠しながら
人知れずそんな特殊な力を使ってみたいものだ。


でもここで描かれる特殊能力を持った人たちは
ミュータントとして区別され、
その力を持つが故、常人のささやかな幸せを
享受出来ない、このあたりの苦悩も
アクション大作でありながら緻密に描かれていて
俄然、画面にクギ付けになる。


もうこれ以上の凄い映像ってないだろうなと
ハリウッドの大作を見るたびに思うが、
新しいアイデアと迫力の映像で大画面を活かして
新しい体験をさせてくれる、
これこそが映画の醍醐味

今回は悲しみを胸に秘め、その怒りを爆発させる
定番の設定ながら大満足の出来だった。

今回はウルヴァリンが愛する女優と、
島から唯一脱出したミュータントの男優と
二人もこれから活躍しそうな役者の輝きも見つけた、
名前はまだ分からないが。

もちろん、見た後には何も残らないが、
この映像体験はしっかり記憶に刻まれる、
そしてもっともっと凄い映像をと劇場へ向かうのだ。


★100点満点で80点


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ヒュー・ジャックマンの画面のアップ多様で、顔が狼に見えてきた。

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国内ランキング「20世紀少年 最終章/ぼくらの旗 」3週連続首位キープ。

2009-09-15 07:32:07 | 映画のランキング
最新国内映画興業成績ランキング(9/13付)



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今週(先週)
1(1)20世紀少年 最終章/ぼくらの旗
  まだまだ踏ん張ってますが、映画の出来は3作の中で
 3番目という感じ、でも邦画の新しい可能性は見せた。


2(初)ウルヴァリン:X-MEN ZERO
  金曜を初日にしても首位獲得はならず、名古屋は小さい劇場で
 公開と不利な状況、近日見ます。


3(2)BALLAD(バラッド) 名もなき恋のうた
  モトネタのしんちゃん版は好きですが、実写はどうかな。
 それでも15億くらいは最終的に行きそう。


4(初)火天の城
   地味目な印象ですが、中高年を中心に割と頑張ってます。

  
5(初)しんぼる   ダウンタウンの松本の2作目、見る気はおこらないな。
  たけしと比べると興行的には頑張ってる。


6(3)サブウェイ123 激突
  リメイク映画、内容的に驚きは無いが
  キッチリ作っていて、安心して楽しめる。


7(初)TAJOMARU
  小栗旬主演でもこの位置、「しんぼる」にも勝てないのは
  時代劇だからか、もう少し頑張ってもらいたい。


8(5)ハリー・ポッターと謎のプリンス
  今年最高の成績を上げる映画がゆっくりと
 チャート降下中。


9(初)キラー・ヴァージンロード
  この映画が9位に入るとは思わなかった、
 でも来週は圏外だろうな。


10(7)サマーウォーズ  評判がいいですが、見れそうにない。
  

今週のランキングは3本見ています、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」は
楽しみにしてますが、他は見るかは微妙。
ミニシアターで映画を楽しみます。



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「20世紀少年 最終章/ぼくらの旗」の出来はひどいと思ったが、こういうとき続きものって強いな、
こういうやり方もアリなのか。

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「幸せはシャンソニア劇場から」下町の劇場の再生物語

2009-09-14 07:49:32 | ミニシアター系映画
「幸せはシャンソニア劇場から」★★★
ジェラール・ジュニョー、クロヴィス・コルニアック、カド・メラッド、ノラ・アルネゼデール主演
クリストフ・バラティエ監督、120分、2008年、チェコ、 ドイツ、フランス




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「1936年、パリのミュージックホールの
シャンソニア劇場は、経営不振のため閉鎖となる。
30年以上劇場一筋の主人公ピゴワルは、
妻に逃げられ子供とも会えなくなる、
そして仲間の手で劇場を再建しようと立ち上がる」



パリの劇場といえば、
イメージは華やかな舞台だが、
このシャンソニア劇場は素人芸程度、
庶民の娯楽で客の顔が分かるほどの距離、
きっとこの頃はこんなふうに人々は
日本の演芸場のようなところへ通って
非日常を楽しんだのだろう。



不況で劇場が閉鎖、
そこから皆で「夢をもう一度」と再建を果たし
スターも生まれてうまくいくはずだったが、
不運な殺人事件が起こる、
どこまでも運がない人っているのだ、
でもきっとラストは希望があるはずと
展開を見守った。

主人公ピゴワルは見た目、
それ程実行力があるとも思えないが
不思議と人を動かせる力があるようで、
そんな彼を中心に色々と動いていく、
これだけの登場人物をテンポ良く紹介し、
労働ストや時代背景も盛り込み、
人はただ生きてくだけでも大変なのに
時代や何か大きな力に翻弄されていくのだな。

こういうドタバタ喜劇のような映画は
嫌いじゃない、
そんな中に必ず悲劇的な要素を盛り込み、
ちゃんとラストに希望を見せてくれるところも、
頑張ってればきっとなんとかなるよなと、
こんな映像体験は自分の心のどこかにしまわれて、
いつか別の場面でも笑いながら
こんな映画のいくつかのシーンを思い出すのかもしれない。



劇場の暗闇で親密に見たい映画だ。


★100点満点で70点


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「ムーランルージュ」のイメージで見に行くと全然違っていて面白い。

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「ヘヴン/書籍」その向こうにあるヘヴンを見たい

2009-09-13 00:09:20 | 読書の時間
「ヘヴン/書籍」★★★☆
川上未映子著、2009/9/1初版



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「同じクラスでイジメに遭う「僕」と「コジマ」
ふたつの無垢な魂が小さな密室で汚されていく、
大阪弁でちょっと変わった文章を書く川上未映子が
イジメという今日的なテーマを大阪弁を封印して挑んだ作品、
予約して届くのを楽しみしていた作品、さっそく読み切った」



物語はクラスの仲間から徹底的に苛められている
「僕」によって語られ、
「私も同じだよ」という手紙から
同じクラスで苛めにあっている女子「コジマ」と
ひっそりとした手紙のやり取りで
つかの間の安らぎを覚える中学の日々。

人はどこまで他者を蔑むことができるだろう、
そして人はどこまで他者からの蔑みに耐えられるのか。


イジメの中心人物が勉強も出来、ルックスもいい少年というのが
気になった、たぶん実際だとこういう少年はその中心にはいなくて
少し離れた所から「困ったな」という気持ちで
見過ごすのじゃないだろうか、
でもそんなことはどうでもいい、この密室で行われた事は
彼らのその後の人生にどう影響するんだろうか。

そんなことが気になった。

こんなことがあったことも忘れてしまうよ、
そこでそう感じたかという気持ちを忘れるというより
そういう事実そのものさえ、記憶は無かったものと。


そうかもなと思った。

主人公の「僕」よりも
彼とわずかな触れ合いを求める「コジマ」という少女が
気になった、彼女が見せたかった「ヘヴン」が
どんなものなのか気になった。

さて、息を詰めて読み切って感じたのは、
これまでの彼女の作品との違いだ、
尖って、才気煥発、才能の発露を抑えられないような
彼女の文章は自分には重かったし、
女性としての文章を前面にしすぎているのが
息苦しかった、
今回は彼女は「文学」というものから真正面に向きあい、
「心の輝き」のようなものについての
彼女の考えを書ききっていると感じた。

イジメを扱いながらも、
ここにあるのはイジメへの
彼女の考えというわけではなく、
人が生きているうちに起こる数々の出来事も
そのうち「あったのか、無かったのか」
分からないように感じるだろうという
誰でも分かっている事実だ。

でも、まだ物足りない、
それは期待の値が高すぎて
着地点が予想の範囲でどうにも
心の奥を揺さぶられるというところまで
達していないのだ。


ただ今回の作品を読んで安心した、
フツーの文章も書けるじゃんと、
きっと彼女の頭の中には書きたい、書くべき
「物語」があふれているのだろう、
それを広く一般の読者に向けて
また新しい物語を読ませて欲しいと思った。

才能ってあるのだと、そのことは確かなようだ。
でもまだ届かない・・・・。


★100点満点で75点


soramove
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芥川賞という大きすぎる勲章を彼女はどう感じているんだろう。



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