銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

朝日湯(横浜・戸部)

2017-06-08 12:45:41 | 銭湯
京急戸部駅を降りて戸部公園をめざし、住宅街の中へと入ると、すぐそばに朝日湯がみえる。
この日は戸部駅の近くにある萬歳湯を目指したのだが、土曜日が休日のはずなのに、なぜか平日に休業している。
ならばBプランと、近くの朝日湯に向きを変え、歩くこと5分。あっという間に朝日湯に到着。







外観から分かる通り、時代の風雪に耐えてきた昭和に相応しい銭湯だ。


下足箱に靴を入れて中に入ると、「いらっしゃい」とのびやかな声が掛かる。番台は誰も座っておらず、男湯の方に店主のおやじさんが座っていた。


「貸しタオルありますか?」と聞くと「おう、あるよ」とざっくばらんな感じ。「せっけんは?」と聞かれたので「大丈夫です」とこたえると「お、あるんだな」と持ってないことを分かりつつ(?)、そんな返答。
気遣いはするのだが深くは聞かない。この距離感が絶妙だ。


脱衣場は、そこそこの広さで島ロッカーと壁際にもロッカーがある。
しかしここのロッカーの扱いは難易度が高い。というのも番号の配置が適当なのと(隣の数字がランダムに飛んでいる)、カギのあるロッカーを開けると、お店の荷物などが入っているからだ。
空を当てるのに3つも開けてしまった(他の店なら不審者扱いだ)。
それと建物もすごく古いのだが、周囲に置かれた品々も昭和時代から変わってないのだろうなと思われるものが埃をかぶって無造作に置かれていた。


浴室に入ると、特段広いわけではないのだが、すごく視界が開ける空間。
とにかく物がないのだ。
本当に最低限の桶と椅子。それと、デザイン自体がシンプルである。脱衣場のごちゃごちゃぶりと比べて対照的だ。


配置は、ほかの銭湯と同様に手前側にカラン。
壁際と真ん中にある。真ん中のカランは背が低くて、シャワーはついていない。左隅の立ちシャワーも壁が凹んでいるだけの最低限の作り。


奥の浴槽は、7対3の割合で、7の主浴槽は壁面から赤外線の赤い光が放たれており、ジェットバスが二つ。
3が薬湯で緑色をしていた。種類はじっこうと表記されてある。それとおそらくだが、ここの薬湯はじっこうしかないのかもしれない。
というのも、脱衣場にある関東学院大学のポスターがここ朝日湯の浴槽をモデルに使用した広告なのだが、薬湯が同じ色をしている。
たまたまかもしれないが、都合よく同じというのはあるだろうか?


主浴槽は温度が45℃。薬湯はかなり低く、40℃ちょいぐらいではないか。
最近は45℃じゃないと入った気分になれないので、ちょうどよい温度だった。


客はかなり少なくて、自分が入ったときは先客が一人しかいなかった。途中でもう一人入ってきたのだが、中年男性でおそらく知的障害者の人だったのではないかと思う。
というのもその人が湯船に入ると「今から数をかぞえま~す」と大きな声で言って数をかぞえはじめたからだ。
小さいときの教えを今も守っているのかもしれない。三つ子の魂百までもとは、こういうことなのかと思った。
大きな声で「1、2、3、4…」とゆっくり数えはじめて、最後は100近くになると高速で数え始めていた。
さすがに45℃だと最後は限界に近づいていたのかもしれない。


約30分ほど滞在したが、先客や後から来た客も含めて入浴客は、4~5人ほど。萬歳湯が休業なので、そこの客が流れてくると思いきや、そうでもなさそうである。
たしかに老朽化が激しく、若い人などは積極的に来たくなるような銭湯ではないだろう。


ただ店主がすごく気さくな人だし、障害者らしき人が来るというのもなんだか安心できる銭湯だからではないか。
そうした点からも、関東学院が広告の写真に朝日湯を選んだのも分かるような気がした。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急戸部
経路 戸部公園の近く
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 古くて庶民的
壁画・眺望 もちろん富士山
置物 ポスターが多数なのと、雑品が色々置かれてある
★設備
休憩所 脱衣場兼用
脱衣所 そこそこ広いが、ロッカーに難儀する
シャワーの出 勢いは良いが、均一性に欠ける
浴槽 白湯(赤外線、ジェットバス)と薬湯
温度 45℃と40℃前後
棚 なし
サウナ なし
男女入れ替え
■サービス
接客 心地よい対応
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(無料)
備え付け なし
◆人
受付 60代以上の男性
客層 中高年


【案内】
住所
〒220-0051 横浜市西区中央2-44-6
電話
045-321-5472
営業時間
15:00〜23:00
定休日
不定休
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

第二天狗湯(東京・平和島)

2017-06-08 07:21:04 | 銭湯 温泉
京急平和島駅を降りると環状七号線を大森方面に向かい、すぐ住宅街の中へ。しばらくすれば天狗湯に到着。
東京にある場末の銭湯とあなどっていたら、ものすごくお客さんが多いのでビックリした。
さすがは東京の下町という感じである。



▲平和島を降りる


▲環状七号線を歩いて、平和島駅を振り返る


▲工場の脇道から住宅街の中へ


▲住宅街の道を通って


▲到着。
この建物はコインランドリーで、右の赤いレンガ風の建物が銭湯入り口。
不特定多数のお客さんが出入りする場所だが、政治ポスターを張ってある銭湯は少なくない




天狗湯前は道が狭いのに自転車が数多く止めてあって、しかも自動車が通ったり人も通るので、すごく混雑してる。
それと店内もひっきりなしに人の往来があり、かなり人気店のようだ。


下足箱に靴をしまって左の部屋に進むとフロントがある。
受付には、40代半ばか後半ぐらいの男性が座ってた。
貸しタオルの有無を聞いたら素っ気なく「うちはないです」ということなので、お風呂セット(フェイスタオル、リンスインシャンプー、石鹸)を購入。といっても120円なのでかなり良心的な値段だと感じた。
フロント前は休憩室になってるので、お風呂に入る前に飲み物を飲んで発汗に備える。


いざ脱衣場に入ると、そこそこ広いという感じだろうか。特に際だった特徴はないが、きちん清掃されている印象を受けた。
それとお客さんがやっぱり多い!


服を脱いで浴室に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、浴槽の大きさ。
浴槽はL字型になっているのだが、奥の方から入り口前まで繋がっている。


左手前が水風呂(源泉)で、隣が温泉。そして奥のほうは、左がスペースを広く取られた白湯、右に電気湯、ボディジェット、エステなんとかジェット(ハイパワージェットが縦に二基ついているものだ)


そのハイパワージェットはお腹に当てるものなのだが、上に注意書きがあって、「勢いが強いので排便に気をつけてください」とある。
つまりウンコを漏らすなということなのだが、こういう注意書きがあるということは、過去に粗相をしてしまった人がいるのか? かなり危険なジェットバスである。
実際に使ってみたが、たしかに勢いがあった。不安な人は控えたほうが無難だろう。


それと、入り口に戻ると、真ん中に島カラン。右の壁際にもカラン。手前右側にはカーテン付きの立ちシャワーがふたつ。
ふだんはカーテンがなくても疑問に思わないのだが、カーテンがあるとなぜか閉めないと気が済まない気分になる。
別に見られても困るようなことはしてないのだけれども…。


それと、先ほど触れた温泉なのだが、ここらへんだと黒湯が出るようなイメージだったが、ここは完全な透明の無臭。これが温泉と言われても全然実感が湧かない。一応、成分表が張ってあるが、適応症はなし。療養泉ではないらしい(そもそも銭湯で療養泉はほとんどないが)。
ただ、温泉成分は入ってて、温泉として認められているとのこと。


温度は、白湯で42℃ぐらいか。温泉がたぶん43℃ぐらい。温度計が36℃だったので、まったくあてにならない。


客層は、だいたい高齢者が多いが、中年の男性もだいぶ目立った。若干若い人もいた。
入るときは、脱衣場に高校生(制服を着てた)がいて、珍しい客もいるものだと思った。銭湯で制服を着た高校生を見たのは初めてだった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急平和島駅
経路 幹線道路
周辺の環境 住宅やコンビニ
●空間演出
建物外観 昔ながらの古い銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 ある
置物 特になし
照明 明るい
★設備
休憩所 フロント前に椅子とテーブル
脱衣所 そこそこ広いが、お客さんの数を考えるとキャパシティが足りない気がする
シャワーの出 少し良くない
浴槽の種類 温泉、電気湯、ボディジェット、ハイパワージェット、水風呂
サウナ あり
温度 42℃、43℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 無愛想
清潔さ きれい
貸しタオル なし
備え付け なし
◆人
受付 40代半ばの男性
客層 高齢者や中年


【案内】
住所
大田区大森西2-15-3
電話番号
03-3761-0675
定休日木曜日、第3水曜日
営業時間
14:30–23:30
交通機関
京浜急行線 平和島駅 より徒歩 6分
※太田浴場連合会ホームページ転載