[人間の弱さがわれわれを社交的にする。
共通の不幸がわれわれの心を互いに結びつける。]
◇人間は、一人では生きてはいけない。
誰かに承認されなければ、生きるエネルギーがわいてこない。
自分だけでは自家発電しないのだ。
だから、人間は、社交的になって皆と交わるのだ。
◇そして更に、人間の弱さが、その結びつきを強くする。
それは、皆の敵を勝手に作って、皆のベクトルを外に向けるからだ。
弱い人間は、自分自身にベクトルを向けるようなことはしない。
それよりは、自分を安全地帯に置いて、他人を敵に見立てて、
自分と他人の結びつきを強くする。
出来ることなら、私たちは、誰かを敵に見立てて、
集団を強化することはやめておこう。
私たちには、そういう思考に対して苦い経験があるのだから。