IAEAで全面的核兵器廃絶に日本が賛同しなかったことに、一部左翼と左翼系マスコミと広島・長崎市長が抗議をしているが、理想だけでは現在の日本の安全は守れない。米国の核の傘の下にいることで、北朝鮮の直接的な核の脅威からも中国・ロシアの潜在的核の脅威からも回避できているのが、現在の日本の姿である。現状を無視してイキナリ理想だけを叫んでも、国際社会の中では寝言にしかならない。その隣国の核の脅威を退ける現実的な代案でもあるのか?まずそれを提示してからの議論である。「外交で」などと言うことが予測されるが、近代兵学の祖クラウゼビッツは「戦争は外交の延長線上にある」と言っている。また鉄人宰相と言われたビスマルクは「外交とは右手で握手左手にダガー(両刃の短剣)」と言っている。外交をただ仲良くするだけと考えている愚か者の発言が「外交で」である。軍事力の裏づけのない外交など片手落ちも良いところである。
今回の左翼の発言はある意味日本の戦後の世相を良く表している。現状を無視した理想論で、自己の地位を確立してきた方々の足掻きに見える。幸い北朝鮮や中国のお陰で、日本を取り巻く環境がそんな寝言を許してくれる環境でないことを多くの国民に知らしめた。
核武装には基本的に反対である。日本が核武装すれば外交的優位を損なう可能性も大きい。しかしロケットの近くに、プルーサーマルで精製されたプルトニュウムを保管し、起爆装置のシュミュレーションを常に行っていれば、例え核実験を行わなくても日本は核兵器を直に作ることが出来る。核兵器など脅しにしか使えない兵器である。実際に使用すればその反攻を受け自らも大きな被害を受ける。故に「何時でも作れますよ」と言う体制を見せるだけでも同等の効果を期待できる。IAEAの議長席に現在日本代表がいるのは、過去に「原発を有してロケットも有している、更に精密機械の製作は世界一の経済大国が核兵器を製造しないわけはない」と言うことで、日本は長年(約5年ほど)IAEAの査察を受けていた。結果、核兵器は無かった、それに驚いたIAEAがその無礼を詫び、日本が今期もIAEAの議長国になっている。いざとなればそのIAEAの議長国の座をケルだけでも大きな脅しになる。「日本が核武装するかも知れない」と勘違いする。
基本国際社会は不良グループの世界と似ている。そこには警察はいない、自らの安全は自ら守るほかはない。優秀でこのような不良グループと関わりがなかった左翼の方々には理解できない世界がそこにある、学校では教えてくれない。民主党政権時代の尖閣ビデオ問題をみれば、大よそ想像できるであろう。社民党や共産党の発言を省れば良く分る。
「外交で」とノタマウ方、具体的にどうするのか?代案を提示すべきである。