緊張感の持続はなかなか難しいものだ。現在、北朝鮮の攻撃に対しての意識が低くなっているようだ。過去の例からしても緊張感が切れた時期にミサイルを発射したことや、砲撃した事実をお忘れか?最も対艦ミサイル演習に過激に反応したマスコミは、もっと軍事について勉強すべきだ。が、軍事に詳しくなると出世が難しくなるそうだ。
日本人の生活のテンポと北朝鮮の生活のテンポは大きく違う。日本のように早いテンポで生活が進むところは、戦時下でなければ欧米先進国以外にありえない。その速いテンポで、「待つ」ことは苦痛以外の何物でもない。何時の間にか北朝鮮の話題が消えかかっている。
「災害は忘れた頃にやって来る」と言う名言がある。この「災害」は自然災害に限らない。昨今は北朝鮮の行動が代表的であるが、オウム真理教の事件、中国による台湾沖のミサイル演習(内数発が日本領海内に着弾)、山口組の内乱、新宿で暴力団の銃撃戦、極左による爆弾テロ、極左による浅間山荘事件、北朝鮮による拉致事件、などなど自然災害以外の厄災が日本国内で10年とはならない間隔で起こっている。
緊張感が切れた防衛意識が薄れた時期に、厄災は起きている。この緊張感を維持し続けることは、人間には不可能である。何時でも対応できる準備をして日常に戻ることが一番実態に合っている。「準備」とは装備や施設と言ったハード面だけではない。「知識」と言うソフト面が重要である。防犯と言った地域コミュニティーへの参加や興味を失わないことも身を守ることに繋がる。
東日本大震災の津波の被災者の方の講演でも、「先ずは我が身、それで助かったら家族や友人、周りの人」と経験に基づいて講演された。現実には我が身を守ることで精一杯である。ご自身は小学生のお子さんと共に丸2日間食事が出来ず、空腹に耐えたそうだ。備えが僅かでもあった地域は命が助かった後(食、医薬、暖など)のことで苦労が少なかったそうだ。
人間は緊張感の維持が困難な以上その備えをしておくことが大事である。