5月7日、中国銀行が北朝鮮の朝鮮貿易銀行の口座を閉鎖した。米国が3月11日に同銀行の資産を凍結している。日本も同様の処置を行っている。北朝鮮がミサイル発射準備態勢の解除を行ったようだ。中国がなぜこの時期に北朝鮮に圧力をかけたのか?単なる事務手続きの遅滞か?中国内部の統一性のなさの顕在化か?いずれにしろ北朝鮮は金融と言う面において頼っていた中国からもソッポを向かれた。これは北朝鮮に大打撃を与える。中国は朝鮮半島に核があることを望まないようだ。しかし、北朝鮮が2~3年に1度このような騒動を起す要因の1つは中国にある。国連の制裁決議に反対してきた過去、1000億円を越える支援、等等中国が北朝鮮を増徴させた。
北朝鮮に対してはこれで武力による圧力以外カードが無くなってしまったのか?他にもあるのではと思うが?欧米の方々が良く「日本人が良く理解できるのではないか?太平洋戦争前のABCD包囲陣と似た状況だ」と言うが、今の日本にその状況を知る方は存命していない。北朝鮮のミサイルへの緊張が無くなったと考える方多いだろうが、この中国の金融制裁で追い詰められたことも確かである。金融制裁の効果が出る数ヶ月後、北朝鮮では一番食料が少なくなる時期である。追い詰められた可能性が大きい、ミサイルを密売してもその代金を決済する金融機関が無いわけだ。食料との物々交換でも行うつもりか?それには臨検が邪魔になる。過去にオーストラリア海軍が北朝鮮の船舶を臨検しミサイルを輸出する事を防いだ事実がある。おそらく現在その買い手になる国家はイランしかないであろう。しかし、アグニと言うミサイルを有するイランが北朝鮮のミサイルを欲すだろうか?シリアは内戦で食料が自国でも足らない。アフリカ諸国で欲しがる国は多くても対象国は輸出する食糧さえない。
ある意味これで北朝鮮は追い詰められた訳だ。暴発するか国連決議に従うかいずれにしろ日本は最悪のことを想定し準備しておかねばならない