【ロンドン時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が、売買春の合法化を支持する方針を決定した。
性労働者の人権保護につながるという趣旨だが、反対派からは「(人権団体としての)信用性に傷が付いた」と批判の声が上がっている。
アイルランドのダブリンで11日に開かれたアムネスティの総会には、70カ国から約400人の代表が出席。売買春のほか、売春あっせん、売春宿の経営を含む「合意の下での性労働に関わる行為」について、全面的に合法化すべきだとする決議を賛成多数で採択した。シェティ事務局長は「性労働者は世界で最も軽視された職業集団であり、差別と暴力、虐待の危険に常にさらされている」とし、合法化を目指す意義を強調した。
世界中に700万人の会員・支持者を有し、国際的な発言力を持つアムネスティの今回の動きに対しては、他の人権団体や女性団体から非難が殺到。米拠点のNGO「女性の売買反対連合」は、総会に先立ち「搾取される者を守るために搾取する側を合法化するのは、筋が通らない」と批判する公開書簡を出し、米女優メリル・ストリープさん、英女優ケイト・ウィンスレットさんら多数の有名人も署名した。
ルーマニアやハンガリーやマケドニア等の旧ユーゴスラビア諸国などの東欧諸国では、人身売買が社会問題化している。彼女らはロンドンやパリ、フランクフルト等の裕福な西ヨーロッパに売られている。10年ほど前からこの問題がEU諸国で問題になっていた。女性が人身売買だけでなく裕福な生活に憧れ自ら売春婦になるケースが圧倒的に多いことが、この問題を複雑にしてきた。更に、売春婦を毛嫌いする女性の世論がこの問題の根本を解りにくくしてきた。現在ロシアでも売春を合法化しようとする動きがある。
道徳的に許されるかどうかを別にして、葬儀屋、兵隊と共に世界最古の職業である。人類文明発祥以来なくならない職業でもある。道徳的理想を優先させたのが現在の情況である。売春婦は地下に潜り、エイズ等の病気の蔓延や犯罪組織の資金源になってきた。この歴史は否定できない。
一方、オーストラリアやニュージーランド等は、売春は合法であり、社会保険(社会保障とは少々異なる、年金等は個人で行う)も完備している。勿論登録制であり、税金も徴収されている。合法化されれば悪質なマフィアは介入が難しくなる。店舗展開しているのはマフィアであるが、合法化されているのでボッタクリや薬物密売等の違法行為は少なくなってきている。また女性の取り分も契約で明確化され保証されてきている。
ネパール等の災害直後、韓国人が家族をなくした若い女性や少女を人身売買の対象として騙してネパール国外に連れ出そうとしていて国際問題化したことがあった。日本のマスコミが先ず報じないニュースである。フィリッピンでもタジキスタン(未だに略奪婚の風習が残り世界中から問題視されている)でも同様の問題で韓国人は非難されている。
犯罪組織も違法の犯罪行為を行うよりもより安全な合法の商売の方が良い、お金になればとの条件が付くが。
日本でも1958年まで売春は合法であった。当然売春を商売とする店舗は行政の許可が必要であった。数年前、もう亡くなれたが幼馴染のお祖母さまに聞いた話である。幼馴染みの昔の家業が地域で一番の売春宿であり、そこの女主人のお祖母に色々お話を聞くことができた。1958年以降は商店街の中心地なので地主として生計を建てられていた。幼馴染等の孫は中学から県庁所在地の私立学校に通わせていた。「子供が色気付く中学生から、元女郎の娘と間違いを犯しては地域の秩序?が乱れる」と仰っていた。そのお祖母が仰るには、「苦界に身を沈める女性は、家族の借金返済の為、男好きが止まらない為が圧倒的に多く、たまに女衒が田舎の少女をサラってか騙して連れてくる」と仰られていた。「人身売買に手を出したら営業許可が取消になるので関わらなかった。その女衒は殆どが朝鮮人だった。その朝鮮人が『従軍慰安婦』とは開いた口がふさがらない。昭和50年(1975年)ごろは未だ自分を売った父親が生きていたので何も言えなかったのが、父親が死んだので言い出した」とお話ししていただいた。
更に売春宿を合法的に運営するには、保健所の検査が五月蝿く性病の検査をはじめ月に一度は往診で費用がかかったこと。当時死病の結核が一番厄介だったこと、などなど管理売春の事業の苦労をお話しいただいた。
売春の合法化、その周辺の医療行政等をはじめ、日本の1953年以前の基準で行うことを考えればそう簡単な話ではないようだ。もっともいい加減な国ではいい加減に行うのであろうが。