個人的評価: ■■■■□□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
J.J.エイブラムズという監督。人気テレビドラマを手がけたらしいが、映画は「M.I.3」しか観たことなく、それだけで判断するとさほど注目すべきクリエイターとは思えない(「クローバーフィールド」は一部の人間で高評価だが、監督していたわけではないし)。
情報番組で監督やキャストたちの「スター・トレックは別に好きじゃなかった発言」を聞くにおよび、期待はさらに不安へと変わる。
さらに言えば、「失敗作」の「1」、凡作の「9」(『スター・トレック/叛乱』)、そしてラジー史に残る伝説的作品「5」(『スター・トレックV 未知の世界』)と奇数ナンバーはスター・トレックにとって鬼門なのである。そして本作は制作順でいえば「11」。不安要素の塊だが、スター・トレックなら見ないわけにはいくまい!!
結論から言うと結構面白かった。・・・のだが、心配した通りにファンをがっかりさせる部分も少なくなかった。
タイトルバックにかかる曲がアレクサンダー・カレッジ作曲の「スター・トレック・テーマ」でなかったことに「違うだろ・・・」と落胆。
少年のカークがロックンロール聞きながら断崖絶壁を白バイとチェイスしながら爆走し車は崖下に落下し自分は飛び降りて助かり「何か問題でも?」というマイケル・ベイみたいなバカ演出を見せられると、こんな奴にスター・トレックの映画化認めたのはどこのどいつだとイラっとさせられる。けれども「ゴジラFINAL WARS」を傑作と絶賛する俺にあるまじき感想だと自分を戒め、気を取り直して鑑賞する。
しかしあのバルカン星消滅には激しい憤りを感じる。惑星消滅くらいならスタトレで何度も見てきた光景ではあるが、こともあろうにあのバルカン星を滅ぼすとは何を考えているのか!!?
M.I.3では穴を迂回すれば済むものをわざわざ飛び越えようとして飛距離足りず、あげく悪党にまんまと逃げられた「バカじゃねーの?」シーンがあった。本作にもある。エンタープライズのフェイザーとか光子魚雷であのドリルを破壊すれば(エンタープライズは報復攻撃を受けて轟沈するかもしれないが)バルカン消滅は防げたのに、わざわざ3人だけで白兵戦を挑ませて、あげく数十億のバルカン人民を犠牲にしてしまった。「ごめん」で済まない宇宙史に残る判断ミスであろう。
クライマックスでロミュラン艦がブラックホールに飲み込まれそうになるシーン。ロミュランもスポックもブラックホールを潜って時間移動してきたのだ。「あそこに飛び込んで時間を逆行してバルカン滅亡を食い止めよう」と俺の知ってるカークなら言ってたハズだ。きっとスポックが「成功確率は約12万5167分の1です」とか言って、カークはニヤリと「やりがいがある」とか答えて。
このバルカン滅亡に関してはファンなら声を大にして批判していいところだと思う。
きっと「スター・トレック2 カーンの逆襲」公開時も「スポックを殺すなんて!!」と猛抗議され、それがスポック生き返りを描いた「スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ」の製作につながったのだ。
批判すれば続編でバルカン星が復活するかもしれない!!(でも監督はかえて欲しいなあ)
そうした一ファンとしての批判的見解は抑える事ができないのだが、作品としてはなかなかよくまとまっていたと思う。
レナード・ニモイが自伝の中で、自身が監督した「スタトレ3」と「4」について、レギュラーメンバー全員に役割を与えて誰か1人でも欠けたら成功しないようなストーリーにしたかった・・・と語っていたが、本作にもそうした無駄なキャラを作らない姿勢が引き継がれている。
マッコイはカークの乗船を仕組み、スールー(TV日本語吹き替えではカトー)は得意のフェンシングでカークのピンチを救い、チェコフは落下するカークとスールーに座標を合わせて転送し、スコッティ(TV日本語吹き替えではチャーリー)はカークの再乗船を助けさらにエンタープライズのワープドライブを改良してロミュランの攻撃にさらされる地球にいち早く駆けつけさせる。そしてウフーラはロミュランによる歴史介入が最も良い方向に働いたのか旧シリーズのニシェル・ニコルズとは似ても似つかない超グラマラス美女に変身してお色気担当にはげんでおられた。
そしてまた旧シリーズをよく研究してか、旧テレビシリーズで未開宇宙への性の親善大使然としていたカークは、ちゃんと人種はおろかエイリアンも差別しないプレイボーイぶりを見せてくれてうれしい。
何より二つのスタトレ世界をつなぐ架け橋としてのレナード・ニモイの老スポックがいい。若きカークたちへのスポックの眼差しは、レナード・ニモイ本人の若い次世代スタトレ俳優たちへの慈愛の眼差しと重なり感慨深い。「メビウス&ウルトラ兄弟」や「超ウルトラ8兄弟」の黒部進のような存在だ。
この新スター・トレックがシリーズ化されて長寿と繁栄を享受できるかわからないが、とりあえず「グッドラック」
[追記1]
老スポックの星ではバルカンが空を覆うほどの大きさで見える。地球と月くらいの距離だろうか?それくらい近い天体がブラックホール化したら老スポックのいた惑星なんぞ瞬く間に吸い込まれてしまうんじゃ・・・なんてこと考えだしたらスタトレなんて観れないか・・・
*****
[追記2]
【旧シリーズと本作の関連や旧シリーズとの違いについて】
以下に本作に関係のある旧シリーズのエピソードなどを書いてみる(うろ覚え)。
旧テレビシリーズから映画「ネメシス S.T.X」までを「正史」、2009年版「スター・トレック」の世界を「新史」とする
[ロミュラン]
「正史」では惑星連邦とロミュラン帝国との本格的コンタクトはカークのエンタープライズ艦長就任後である。ロミュランにより連邦の艦艇が攻撃され、カークのエンタープライズが救援に向かうが、惑星連邦はロミュランに対する知識がほとんど無く、この戦闘をきっかけにロミュランがバルカン人の末裔であることが明らかになる。「新史」ではまだ士官候補生のカークがロミュランについてよく知っていたり、バルカンと同族であることが常識のように語られている。
[クリストファー・パイク艦長]
パイク艦長は「正史」でも登場する。スター・トレックTVシリーズのパイロット版でエンタープライズの艦長を務め(パイロット版にはカークは登場しない)、またそのパイロット版エピソードを回想シーンとして流用した本シリーズのエピソードでは全身麻痺の重度の障害者として登場する。
[スポック大使]
「新史」でネロがスポックを「大使」と読んでいるが、これは「正史」のネクスト・ジェネレーションTVシリーズの1エピソードでスポックがバルカンの大使としてロミュランに赴いていたためである。スポックはロミュラン内の民主化組織を支援するためロミュランに留まることを決意していた。
[コバヤシマル・テスト]
「正史」の「スター・トレック2 カーンの逆襲」の冒頭シーンで士官候補生のサービックがコバヤシマル・テストを受けるシーンがある。サービックはカーク提督にこのテストは勝ち目が無く不公平であると訴えるが、カークは「実戦では勝ち目の無い戦いもあり得る」とサービックを諭す。ところがサービックはカークがかつてコバヤシマル・テストでクリンゴン艦隊に勝利したことがあると聞きつけ、カークにどうやったのかを尋ねるが、カークは教えてくれない。後々のシーンでマッコイがサービックに実はプログラムを書き換えたんだと種明かしをして、ズルじゃねーかとつっこまれるのだった。
[歴史介入]
「新史」でカークは老スポックに「未来人が歴史に介入するのは規則違反では?」と尋ねるが、老スポックは「君に教わった」と答える。「正史」の「スター・トレック4 故郷への長い道」やTVシリーズでいくつかあったタイムトラベルネタのエピソードのことを指していると思われる。他にも「正史」「スター・トレック/ファースト・コンタクト」でも人類初のワープ航法成功にピカード艦長率いるエンタープライズクルーがめちゃめちゃ手伝ったりしていた。「新史」でいまさら歴史を変えたら違う歴史の流れが生まれてウンチャラカンチャラ言われてもなあ
[スポック父母]
スポックの父サレックと母アマンダは、「正史」のTVシリーズに登場し、映画の「3」と「4」にも登場(俳優も同じで)。
TVではサレックがアマンダのことを非論理的だと文句を言い、ではなぜそんな非論理的な母と結婚したのかと尋ねられると「あの時はそれが論理的だと思った・・・」と言い、クルーの失笑を買う。なお「正史」のアマンダはウィノナ・ライダーには全く似ていない。
[自白剤代わりに使った虫]
「新史」でネロがパイクに虫を寄生させる。脳に寄生すると自白剤の効果があると説明。似たような虫が「正史」の映画「2」に登場。この時はカーンに飼われていて、その幼虫は耳から入って人間の脳に寄生する。寄生されたされた人間は命令に従順になる。「2」ではチェコフがこの虫でカーンに操られカークを殺しそうになる。チェコフが気合いでカーンの命令に抵抗したら居心地が悪くなったのか虫は耳から這い出してきて、カークはフェイザーで虫を焼き殺した。「新史」ではでかい成虫がパイクの口につっこまれていたが、あの虫がどうなったのか気になる。また正史「2」の虫と同種かは未確認。(形は似ていた)
[スポックの恋愛]
正史においてはスポックも任務の最中に現地人と恋に落ちることが何度かあった(もちろんカークほどじゃないが)。未知の病原菌などに犯されるなどして精神が破綻した際に女性と恋に落ちるケースが何度かあったが、ウフーラとのロマンスは記憶にない。新史スポックは正史の映画「6」あたりのすっかりおばさん化したウフーラを見ても彼女への想いは変わらないのだろうか?
[テーマ曲]
新史でもエンドクレジットになってようやく旧シリーズのテーマ曲がかかる。作曲は故アレキサンダー・カレッジ。「宇宙、それは最後のフロンティア」で始まるナレーションのバックにかかっている曲は正史の映画版では「1」を除く全作で使われている。カレッジは晩年は故ジェリー・ゴールドスミスのオーケストレイターを務め、ゴールドスミスが担当したスター・トレックの映画版にも参加している。ナレーションに続くメインテーマ曲は正史の映画版では「1」でしか使われていない。ゴールドスミス、ジェームズ・ホーナーら様々な作曲家が独自のスタートレックテーマを思い思いに作り奏でてきたからだ。
ちなみにスター・トレックTVシリーズのテーマはポップス調にアレンジされて日テレの「アメリカ横断ウルトラクイズ」でテーマ曲として使われていた。
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[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
J.J.エイブラムズという監督。人気テレビドラマを手がけたらしいが、映画は「M.I.3」しか観たことなく、それだけで判断するとさほど注目すべきクリエイターとは思えない(「クローバーフィールド」は一部の人間で高評価だが、監督していたわけではないし)。
情報番組で監督やキャストたちの「スター・トレックは別に好きじゃなかった発言」を聞くにおよび、期待はさらに不安へと変わる。
さらに言えば、「失敗作」の「1」、凡作の「9」(『スター・トレック/叛乱』)、そしてラジー史に残る伝説的作品「5」(『スター・トレックV 未知の世界』)と奇数ナンバーはスター・トレックにとって鬼門なのである。そして本作は制作順でいえば「11」。不安要素の塊だが、スター・トレックなら見ないわけにはいくまい!!
結論から言うと結構面白かった。・・・のだが、心配した通りにファンをがっかりさせる部分も少なくなかった。
タイトルバックにかかる曲がアレクサンダー・カレッジ作曲の「スター・トレック・テーマ」でなかったことに「違うだろ・・・」と落胆。
少年のカークがロックンロール聞きながら断崖絶壁を白バイとチェイスしながら爆走し車は崖下に落下し自分は飛び降りて助かり「何か問題でも?」というマイケル・ベイみたいなバカ演出を見せられると、こんな奴にスター・トレックの映画化認めたのはどこのどいつだとイラっとさせられる。けれども「ゴジラFINAL WARS」を傑作と絶賛する俺にあるまじき感想だと自分を戒め、気を取り直して鑑賞する。
しかしあのバルカン星消滅には激しい憤りを感じる。惑星消滅くらいならスタトレで何度も見てきた光景ではあるが、こともあろうにあのバルカン星を滅ぼすとは何を考えているのか!!?
M.I.3では穴を迂回すれば済むものをわざわざ飛び越えようとして飛距離足りず、あげく悪党にまんまと逃げられた「バカじゃねーの?」シーンがあった。本作にもある。エンタープライズのフェイザーとか光子魚雷であのドリルを破壊すれば(エンタープライズは報復攻撃を受けて轟沈するかもしれないが)バルカン消滅は防げたのに、わざわざ3人だけで白兵戦を挑ませて、あげく数十億のバルカン人民を犠牲にしてしまった。「ごめん」で済まない宇宙史に残る判断ミスであろう。
クライマックスでロミュラン艦がブラックホールに飲み込まれそうになるシーン。ロミュランもスポックもブラックホールを潜って時間移動してきたのだ。「あそこに飛び込んで時間を逆行してバルカン滅亡を食い止めよう」と俺の知ってるカークなら言ってたハズだ。きっとスポックが「成功確率は約12万5167分の1です」とか言って、カークはニヤリと「やりがいがある」とか答えて。
このバルカン滅亡に関してはファンなら声を大にして批判していいところだと思う。
きっと「スター・トレック2 カーンの逆襲」公開時も「スポックを殺すなんて!!」と猛抗議され、それがスポック生き返りを描いた「スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ」の製作につながったのだ。
批判すれば続編でバルカン星が復活するかもしれない!!(でも監督はかえて欲しいなあ)
そうした一ファンとしての批判的見解は抑える事ができないのだが、作品としてはなかなかよくまとまっていたと思う。
レナード・ニモイが自伝の中で、自身が監督した「スタトレ3」と「4」について、レギュラーメンバー全員に役割を与えて誰か1人でも欠けたら成功しないようなストーリーにしたかった・・・と語っていたが、本作にもそうした無駄なキャラを作らない姿勢が引き継がれている。
マッコイはカークの乗船を仕組み、スールー(TV日本語吹き替えではカトー)は得意のフェンシングでカークのピンチを救い、チェコフは落下するカークとスールーに座標を合わせて転送し、スコッティ(TV日本語吹き替えではチャーリー)はカークの再乗船を助けさらにエンタープライズのワープドライブを改良してロミュランの攻撃にさらされる地球にいち早く駆けつけさせる。そしてウフーラはロミュランによる歴史介入が最も良い方向に働いたのか旧シリーズのニシェル・ニコルズとは似ても似つかない超グラマラス美女に変身してお色気担当にはげんでおられた。
そしてまた旧シリーズをよく研究してか、旧テレビシリーズで未開宇宙への性の親善大使然としていたカークは、ちゃんと人種はおろかエイリアンも差別しないプレイボーイぶりを見せてくれてうれしい。
何より二つのスタトレ世界をつなぐ架け橋としてのレナード・ニモイの老スポックがいい。若きカークたちへのスポックの眼差しは、レナード・ニモイ本人の若い次世代スタトレ俳優たちへの慈愛の眼差しと重なり感慨深い。「メビウス&ウルトラ兄弟」や「超ウルトラ8兄弟」の黒部進のような存在だ。
この新スター・トレックがシリーズ化されて長寿と繁栄を享受できるかわからないが、とりあえず「グッドラック」
[追記1]
老スポックの星ではバルカンが空を覆うほどの大きさで見える。地球と月くらいの距離だろうか?それくらい近い天体がブラックホール化したら老スポックのいた惑星なんぞ瞬く間に吸い込まれてしまうんじゃ・・・なんてこと考えだしたらスタトレなんて観れないか・・・
*****
[追記2]
【旧シリーズと本作の関連や旧シリーズとの違いについて】
以下に本作に関係のある旧シリーズのエピソードなどを書いてみる(うろ覚え)。
旧テレビシリーズから映画「ネメシス S.T.X」までを「正史」、2009年版「スター・トレック」の世界を「新史」とする
[ロミュラン]
「正史」では惑星連邦とロミュラン帝国との本格的コンタクトはカークのエンタープライズ艦長就任後である。ロミュランにより連邦の艦艇が攻撃され、カークのエンタープライズが救援に向かうが、惑星連邦はロミュランに対する知識がほとんど無く、この戦闘をきっかけにロミュランがバルカン人の末裔であることが明らかになる。「新史」ではまだ士官候補生のカークがロミュランについてよく知っていたり、バルカンと同族であることが常識のように語られている。
[クリストファー・パイク艦長]
パイク艦長は「正史」でも登場する。スター・トレックTVシリーズのパイロット版でエンタープライズの艦長を務め(パイロット版にはカークは登場しない)、またそのパイロット版エピソードを回想シーンとして流用した本シリーズのエピソードでは全身麻痺の重度の障害者として登場する。
[スポック大使]
「新史」でネロがスポックを「大使」と読んでいるが、これは「正史」のネクスト・ジェネレーションTVシリーズの1エピソードでスポックがバルカンの大使としてロミュランに赴いていたためである。スポックはロミュラン内の民主化組織を支援するためロミュランに留まることを決意していた。
[コバヤシマル・テスト]
「正史」の「スター・トレック2 カーンの逆襲」の冒頭シーンで士官候補生のサービックがコバヤシマル・テストを受けるシーンがある。サービックはカーク提督にこのテストは勝ち目が無く不公平であると訴えるが、カークは「実戦では勝ち目の無い戦いもあり得る」とサービックを諭す。ところがサービックはカークがかつてコバヤシマル・テストでクリンゴン艦隊に勝利したことがあると聞きつけ、カークにどうやったのかを尋ねるが、カークは教えてくれない。後々のシーンでマッコイがサービックに実はプログラムを書き換えたんだと種明かしをして、ズルじゃねーかとつっこまれるのだった。
[歴史介入]
「新史」でカークは老スポックに「未来人が歴史に介入するのは規則違反では?」と尋ねるが、老スポックは「君に教わった」と答える。「正史」の「スター・トレック4 故郷への長い道」やTVシリーズでいくつかあったタイムトラベルネタのエピソードのことを指していると思われる。他にも「正史」「スター・トレック/ファースト・コンタクト」でも人類初のワープ航法成功にピカード艦長率いるエンタープライズクルーがめちゃめちゃ手伝ったりしていた。「新史」でいまさら歴史を変えたら違う歴史の流れが生まれてウンチャラカンチャラ言われてもなあ
[スポック父母]
スポックの父サレックと母アマンダは、「正史」のTVシリーズに登場し、映画の「3」と「4」にも登場(俳優も同じで)。
TVではサレックがアマンダのことを非論理的だと文句を言い、ではなぜそんな非論理的な母と結婚したのかと尋ねられると「あの時はそれが論理的だと思った・・・」と言い、クルーの失笑を買う。なお「正史」のアマンダはウィノナ・ライダーには全く似ていない。
[自白剤代わりに使った虫]
「新史」でネロがパイクに虫を寄生させる。脳に寄生すると自白剤の効果があると説明。似たような虫が「正史」の映画「2」に登場。この時はカーンに飼われていて、その幼虫は耳から入って人間の脳に寄生する。寄生されたされた人間は命令に従順になる。「2」ではチェコフがこの虫でカーンに操られカークを殺しそうになる。チェコフが気合いでカーンの命令に抵抗したら居心地が悪くなったのか虫は耳から這い出してきて、カークはフェイザーで虫を焼き殺した。「新史」ではでかい成虫がパイクの口につっこまれていたが、あの虫がどうなったのか気になる。また正史「2」の虫と同種かは未確認。(形は似ていた)
[スポックの恋愛]
正史においてはスポックも任務の最中に現地人と恋に落ちることが何度かあった(もちろんカークほどじゃないが)。未知の病原菌などに犯されるなどして精神が破綻した際に女性と恋に落ちるケースが何度かあったが、ウフーラとのロマンスは記憶にない。新史スポックは正史の映画「6」あたりのすっかりおばさん化したウフーラを見ても彼女への想いは変わらないのだろうか?
[テーマ曲]
新史でもエンドクレジットになってようやく旧シリーズのテーマ曲がかかる。作曲は故アレキサンダー・カレッジ。「宇宙、それは最後のフロンティア」で始まるナレーションのバックにかかっている曲は正史の映画版では「1」を除く全作で使われている。カレッジは晩年は故ジェリー・ゴールドスミスのオーケストレイターを務め、ゴールドスミスが担当したスター・トレックの映画版にも参加している。ナレーションに続くメインテーマ曲は正史の映画版では「1」でしか使われていない。ゴールドスミス、ジェームズ・ホーナーら様々な作曲家が独自のスタートレックテーマを思い思いに作り奏でてきたからだ。
ちなみにスター・トレックTVシリーズのテーマはポップス調にアレンジされて日テレの「アメリカ横断ウルトラクイズ」でテーマ曲として使われていた。
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トレッキーというか、私を映画に目覚めさせたのがスター・トレックで、思い入れのかたまりで観るものにとっては、あれこれひっかかる映画でした。でも監督が誰だろうと浄化してしまう「スタートレック」の強さを感じもした作品でした
>えいさま
私は巷の感想を観て、スタートレック知らなければこんなに楽しめたのか・・・とフクザツな心境でした
とても読み応えがありました。
これぞトレッキーならではというレビュー。
観ている観点がまったく違い、
自分もここまで詳しければ、
別の楽しみ方ができただろうにと、
悔しくなりました。
子供のころから、普通にTVでやってたもんで、大した思い入れもなく、普通に見てきたもんで、それほど思い入れもないのですが、その辺の人にちょうどいい映画だったと思いました。
飛びぬけてないけど、ちょうどいい。
そんな感じで見ました。
突っ込み無用・・・のシリーズなんでしょうね。