今回は、薬学部についての特集です。
医歯薬系の学部は、帰国生入試においても、特に難易度が高いこともあり、受験者が多くない状況です。しかし、一般入試においては、この1・2年で人気が回復してきています。これはいまだ続く景気低迷によっての資格志向の高まりによるものです。また、昨年の一般入試においては理系人気がより一層強くなった年であり、理高文低に拍車がかかった年となりました。
さて、人気回復してきた薬学部ですが、全国で国立大14大学、公立大で3大学、私立大で49大学合わせて、66大学しかありません。また、帰国生入試を実施しているのが国立大7大学(全体の50%)、公立大で静岡県立大の1大学(全体33%)私立大11大学(全体の22%)と
帰国生には、受験大学が国公私大併せて19大学しかなく、狭き門です。そういったことも要因としてあり、志願者の減少を招いているかと思います。
しかし本気で薬学部を目指している帰国生にしてみれば、志願者減少はチャンス拡大にもなります。受験科目も文系に比べて多く、一般生への問題を帰国生も解答しなければならないので、負担が大きいのですが、自分の将来のためにも夢を諦めることはありません。しっかりと準備をしておけば、合格を勝ち取れます。
実際、2012年度駿台国際では私大薬学部最難関の慶應薬学部に唯一合格を果たしています。
受験に際しての注意としては、大学によって、募集単位が異なることです。たとえば、慶應義塾大学や東京理科大、富山大などは6年制と4年制を分けて募集しており、北大、千葉大、静岡県立大、東京薬科大(男子、女子別での募集を実施)などは、6年制、4年制分けずに募集し、2年次または4年次に分けている大学もあります。また、受験できる大学が少ないのであれば、将来自分のやりたい仕事が、薬剤師なのか、医薬品や化粧品、サプリメントなどの健康食品の開発をする研究職なのかはっきり決めること、そして各大学の就職状況を確認することも大切です。折角頑張って合格したのに、卒業後に自分の就きたい仕事に就けないということにならないように!
例えば、関東でいえば、東京理科大は研究職養成に強く東京薬科大学は、薬剤師養成に力を入れています。その大学が臨床なのか研究なのかいずれかに力を入れているかは、国家試験の合格率にも反映されています。大まかに言えば、全体的に国立の国家試験の合格率は低い。それは、薬剤師の養成というより、研究者の育成に重点をおいているからです。
反対に私立大は、国家試験の合格率は9割前後の大学が多い。これは薬剤師養成に力を注いでいるためです。私立は、国家試験対策を行っている大学も多く、大学によってはOB・OGが国家試験対策をやってくれる大学もあります。国立・私立および各大学の特性がありますので、時間があるときに大学のHPを覗いて、調べてみるのもよいですし、駿台国際の進学ナビBirdsでも紹介していますが、日本に帰国していれば、オープンキャパスに行ってみることもよいことです。
百聞は一見にしかず!
(ots)