私たち駿台国際教育センターは帰国入試の予備校であり、志望大学に合格していただくためのサポートが主目標であるのは間違いありません。しかし、帰国入試の指導を重ねていくうちに、私たちの指導が、単に受験にとどまることなく、人材養成の領域にまで、結果として踏み込んでいることに気づいたのです。
海外で貴重な体験をしてきた学生たちが入試突破で求められること・・・その多くは日本語で意見を発することにあります。もちろん、大学側としては、日本の授業についてこられるかが気になるところのようです。また、就職活動においても、学生からよく聞くのは、「日本語大丈夫?」ということ。日本の社会についての知識、認識も求められるのです。
なぜなのか?それは、国際人としての資質を問われていることでもあるのではないでしょうか。私もこのように、つい「国際人」という表現を多用しがちですが、本当は国際人というのは無いのかもしれません。正しくは、国際的に活躍できる日本人、あるいは韓国人、フランス人の省略なのかもしれません。ここで国籍にこだわっているのではありません。国籍ではなく、アイデンティティが重要なのではないでしょうか。それぞれがそれぞれの国や文化等を大切にし、それらを活用していく。
帰国生は経験的にそのことを知っていて、日本の大学で、日本語で学ぶことを選択する学生が圧倒的に多いようです。大学側は、「帰国生だから英語プログラムがぴったり」と考えるところも少なくありません。でも、多くの学生のニーズに合っていない現実があるのではと感じるのです。
(Nas)