先週のブログで金沢城について触れましたが、今週、少し続編を書いてみようと思います。
江戸時代、兼六園の一角には氷室(氷を保存する小屋)がありました。冬の間に降り積もった雪を氷室で圧縮して氷状にして半年以上、保存します。この氷は毎年、夏の盛りに江戸の将軍へ献上されていました。
東大の本郷キャンパスは加賀金沢藩及びその支藩の大聖寺藩の上屋敷でした。(赤門は徳川家斉の二十一女・容姫が金沢藩十三代目の藩主前田斉泰に嫁いだ際に建造されました)
屋敷内(赤門の近く)にも氷室が建造されていて、金沢から運ばれた氷が一時保管されました。旧暦6月1日(現7月1日)に氷室の節句というお祭りが行われていましたが、この日に氷室から取り出された氷が将軍へ献上されていたのです。
冷凍庫のないこの時代に、よく半年以上、氷を保存できたものです。よく、金沢から江戸まで、氷を解かすことなく運搬できたものです。氷室は断熱性を高める建築方法がなされていたからでしょう。運搬用の長持ちにもいろいろな工夫がなされていたはずです。
日本の誇る技術はこんな時代からすごいものを持っていたのだな、と考えてしまいます。
東大の入試日はまだ少し先ですが、入試当日、赤門を眺めて、新しい時代の技術を学んでみよう、と決意しながら試験にのぞんでもらえたらな、と思いました。
(yos)