今回よりミシガン校の執筆を担当します、よろしくお願いします。
前任者が英語辞書について書いていましたので、それに対するオマージュとして、今回は国語の辞書について書きます。
わからないことばがあればパソコンやスマートフォンで検索する、書けない漢字があればやっぱりパソコンやスマートフォンで文字変換をさせる、と、国語辞書が生徒の座右に置かれなくなって久しいと思います。ウエブ検索で知りたいことばがすぐわかる、たしかに便利です。
ところで、ミシガン校ではご家庭で不要となったり本帰国の際に持ち帰らない書籍があったりするときには、寄贈をお願いしています。多くのご家庭からの厚意によって、ミシガン校のライブラリはとても充実しています。
ところが、小学生向けの国語辞典は頻繁に寄贈があるのですが、中高生の学習に耐えられる手合の国語辞典の寄贈は、皆無です。理由はおそらく先述したように、中高生が紙媒体の国語辞典を使わなくなっているからなのだと思われます(それに、海外赴任の荷物に、かさばる国語辞典を加えるのは避けたいからかもしれません)。
こと海外で学ぶみなさんには、国語辞典を知りたい語があるときだけ開いて調べるレファレンス・ツールとして用いるのではなく、ぜひ折に触れて開いては読んでもらいたいと思っています。豊かなことばの世界を切り拓くには、国語辞典はすばらしい「読み物」になるでしょう。辞典ごとの解釈の違いなどもわかって、さまざまな発見があることうけあいです。
駿台ミシガン校 S.T