昨日発売された月刊誌WiLLは当然ながら毎日配達されている全国紙とは発行部数は段違いに少ない。
だが、それはノーベル賞を受賞するような人たちは頻繁にマスメディアに登場したりする人達では全くない、言わば、ごく少数派であるのと同様なのである。
つまり本当の研究を為している人達、本物の知性は、ごく少数の中にいるのである。
昨日発売された月刊誌WiLLに掲載されている九段靖之助の連載コラムは、10月31日に投票を控えている日本国民全員のみならず世界中の人たちが必読。
日本国民は、投票する前に、この対談特集を読まなければならない。
本欄の読者の方々は、出来るだけ多くの周囲の人たちに、伝えて下さい。
枝野幸男クン、あんたアホや
国会は10月14日、万歳三唱で解散した。総理が全議員のクビをチョン斬る、それが解散だ。
猿は木から落ちても猿だが、失職した代議士は「猿以下のタダの人」となる(大野伴睦の言葉)。
なのに、なぜ万歳なのか、恒例とはいえ、なにやらヤケクソ万歳に聞こえて毎度、笑ってしまう。以来、テレビは総選挙報道一色。
見るともなしに見ていると、公明党代表・山口那津男が記者会見に応じて言う「自民党には幅の広いいろいろな主張がある。公明党の役割はアクセルとブレーキを適切に踏み分けることと、ハンドルをしっかり握ること。道幅を右にそれたり、左にそれたりしないようにコントロールする役目がある。まさにそうした役割が大事だということを強調していきたい」
これ、ちょっと言い過ぎじゃないの。だってハンドルを握る運転手は自民党総裁・岸田文雄のはずでしょ。
なのに不肖・山口がハンドルを握って自民党をコントロールしてみせますだと?
日中関係が緊張するたびに、CCTV(中国国営放送)のアナウンサーが次のように言うのを何度か聞いた。
「日本から公明党代表・山口那津男氏が訪中されました。中日関係の改善を願ってのことと思われます」
山口は日中関係のトラブルシューターを何度か務め、その都度、なぜか日本が譲歩している。
今回、山口は中国の人権侵害や海洋侵出については触れない。
憲法改正についても触れない。公明党は自民党の憲法改正案に反対し、「加憲」を唱える。仕方なく安倍晋三は憲法九条に「自衛隊の明記」を加える提案をした。
論争の火種を増やして憲法改正問題は前に進まない。
石原慎太郎は自民党を去るときに言い残した。「これから自民党は、なにかと公明党に足を引っ張られるぞ」
中国は日本の憲法改正を望まない。山口・公明党は中国が望む抑止力の役目を果たしている。山口の「ブレーキを適切に踏む」とは言い得て妙だ。
さて、今回の総選挙戦で最も面妖なのは立憲民主党と日本共産党、国民民主党の「三党合意」だ。
これについて自民党幹事長・甘利明は言う。「立憲民主党は共産党と候補者を一本化して戦うと言っている。勝ったほうが総理大臣(政権)を取るわけだから、われわれ(自民党)が持っている自由民主主義のもとで運営される政権と、社会主義(共産主義の意)が初めて入ってくる政権と、どちらを選びますかという政権選択の選挙だということが最大の焦点だ」まさにそのとおりで、総選挙は政権選択そのものだ。
だからこそ共産党委員長・志位和夫は言う。「日本の政治を変えるには、自公政治そのものを終わりにする政権交代が必要だ。立憲民主党との候補者一本化の合意が確認された。最大限の協力を追求し、自民、公明と補完勢力を全部で打ち破って、全部で勝利する」
総選挙は政策を掲げて国民の信任を問う。なのに三党が掲げる政策はそれぞれ違う。
たとえば共産党は「日米安保条約破棄、自衛隊は違憲」だ。政策の違いを不問にしての野合で、面妖と言うしかない。
志位は「三党全部で勝利する」、つまりは三党全部で自公の過半数(二百三十三議席)を阻止し、政権を取ると吠えるが、仮にそうなった場合、枝野政権の実体は全く不明となる。
いや、「閣外協力だから問題ない」と枝野も志位も言うに違いない。つまり志位ら共産党幹部が入閣することはない、だから安心(?)してくれと言いたい。
そこで想起するのはソ連共産党の権力構図だ。政治局委員九人は内閣の上に君臨し、政治責任は負わない。首相以下の内閣が負う。
かくて政治局のトップ、書記長・スターリンは無答責の存在となる。このシステムを踏襲したのが毛沢東らの中国共産党だ。
毛沢東の粛清の被害者となった鄧小平は、復権するや集団指導制に切り替えた。
それをまたぞろ元に戻し、終身・無答責の国家主席を目論むのが習近平だ。
仮に枝野が政権を取ったとする。志位は「政権を維持したいならオレの言うことを聞け」と、閣外から枝野を操り、自分は結果責任を一切負わない。
旧民主党で権力の旨味を知った枝野は志位に従わざるを得ない。かくて志位和夫はスターリンや毛沢東よろしく無答責の存在として日本の政治を左右できる。
枝野クン、このカラクリ、わかるかな。わからんやろうなあ、あんたアホやから。