すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

同志Ⅱ(バックナンバー)

2007-03-13 00:04:43 | じいとんばあ
    同志Ⅱ

 母親が倒れたとき
 彼女は 夜勤をしながら
 ICUへ通い詰めた
 親の死に目に会えないかも
 そんな想いに 涙がにじんだ

 買い物途中で 脳梗塞に倒れた彼女は
 病院から自分で 入院しますと
 電話を入れた
 彼女の上司は 一言
 「困るな・・・」と答えた

 ねぎらいの言葉が欲しい訳じゃない
 誰かが倒れれば 確かに現場は困るのだ
 だけど
 その一言は 飲み込んで欲しい

 痛み止めの注射を打ち続けながら
 家と職場 同時介護
 弱音を吐かない彼女は
 限界まで働いて 現場を去った

 夜中と言わず 早朝と言わず
 呼び出されるナースは

 「どうしてお母さんだけ忙しいの」と
 幼い子供に 言われた

 この仕事が好きだからこそ
 この仕事を続けたいからこそ
 どうか 分かってください
 ほんの少しでいい
 同じ目線で見て欲しい


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コメント (2)
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