すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

大阪てんやわんや④~老人ホーム~

2012-07-20 15:52:11 | ひとりごと
 16日早朝、モーニングバイキングを堪能した後、老人ホームに入所している叔父様を訪ねた。おじ様はピンクの義理の弟に当たり、齢94歳である。
 本当ならおじ様の家族に連絡すべきだろうが、気を遣わせてもいけないし、アポなしで訪問しておじ様の顔だけ見て帰るつもりだった。
 それでも、入所前のおじ様しか知らないので、施設には事前に電話して状況は聞いてから訪問した。
 お部屋を訪ねると、おじ様は一瞬きょとんとする。
 「おっちゃん、分かる?」
 「分かるが・・・、お前は誰の子だった?」
 「清とキヨ子の子。」
甥っ子や姪っ子、その子供が沢山いるおじ様。私と姉妹たちも見分けがつかない。
 「おお、すずじゃ。すずが来てくれたんか。」
 私と分かって、おじ様は涙ぐみながら私の頭を撫でてくれた。
 「お前は清とキヨ子の子になって、大学まで出させてもらって、賢い子になってよかったのう。」
と優しく言う。
 「つーネエも元気でよ。」
と、私はピンクの娘、つまり私の実の母の写メや動画を見せた。
 「おうおう、ええ顔しとる。幸せなんじゃなあ。」
とおじ様は喜んでくれた。
 おじ様は自宅に長男がいるが、迷惑をかけてはいけないので黙って訪問した。ところが、スタッフに持ってきた差し入れなどの事について確認しているうちに、おじ様は息子さんに電話して呼び出してしまった。そして
 「すずが来たけん、家に帰って婆さんの仏壇を拝んでもらいたい。」
と言い出したのだ。
 それから家事の途中だったお兄さんは、慌ててホームにやってきて、おじ様と私を乗せて自宅に。車椅子で生活しているおじ様だが、家に帰ると杖なしで歩けてしまう。危なっかしいのでひやひやものではある。
 おば様の仏壇を拝ませていただくと、
 「すず、田舎ではこんなものは食えんだろう。」
とガリガリ君を出してくれた。
 「うん、食べられない。」
という事にしておく。
 それから火のついたおじ様は、家中を見せたくて私を連れて歩いた。元々自転車などを作っていたおじ様。自分の働いていた自慢の工場も見せたがった。鉄板や機材のある足場の悪い工場を、私もドキドキしながら着いて行った。
 本当はそれから、西宮のおじさんの家にも一緒に行きたそうなおじ様だったが、私も予定があったので11時にはホテルに戻った。
 おじ様、また会いに行くから、お元気で長生きしてね。


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コメント (3)
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