すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

やはり長い一日

2008-10-07 20:37:41 | ひとりごと
 昨日は休みで朝から病院へ行った。前日が早朝に病院へ行ってから出張。戻って病院へ寄ってから帰宅だったので、恐ろしく長い一日だった。
 ほとんど病院へはキヨちゃんが付いてくれているのだが、昨日は私がついた。前日の疲れもあって、うとうとしてばかりだった。
 微熱があったので清拭や更衣は見合わせたが、乾燥性の掻痒症があるので軟膏を塗り込んだ。二の腕が片手の手のひらで掴めてしまう。足の浮腫もひどかった。食欲は相変わらずない。朝はムカムカ止めをもらって、ようやく牛乳を少し。豆乳をと通で買って勧めたら、わずかだが飲めた。昼は粥もおかずも2匙ずつ。夕飯は少し頑張れて3分の1食べられた。
 途中主治医が様子を見に来た。その時、
 「確認したらAドクターはインスリン12単位指示だしてたんやね。知らなくて・・・。」
と言った。あまりにびっくりして、何も言えなかった。私も指示した単位までは知らなかったのだ。
 12単位。12単位?ご存じの方もいるだろうが、インスリンにも種類がある。おおざっぱに分けると「持続型」と「速効型」である。父の場合、昔は持続型を使っていた。それはゆっくり効いて、一日効果がある。急激に低血糖を起こさない代わりに、栄養状態によっては思わぬ時間に低血糖を起こす。対して「速効型」は急激に下がるが、効果の持続はない。最近では父は血糖値が安定せず、高いことが稀なので測って高い時だけ速効型を使っていた。
 だからインスリンは種類によって単位数も違う。12という数値はおそらく「持続型」の数値だろう。しかし、指示以外のインスリンを指示している事自体びっくりである。ましてや主治医が「速効」の指示を出しているのだ。数値だけ聞いてナースが指示通りの「速効」を打っていたら・・・・、死んでいる。
 嫌われてもいい。本当に気を張っていないと殺される。
 朝4時半に起床。透析の片づけをして我が家へ。シャワー浴びて洗濯して出勤する予定だったが、戻ると爆睡しているキヨちゃん。台所も洗濯機も全開で水が出しっぱなしである。洗濯に到ってはすすぎではなく
 「洗おう・・・」
と洗剤と水をいれたまま忘れている。しかも前日の洗濯物は全く乾いていない。
 「マジかよ~」
と叫びつつ、洗濯物を取り込んで乾燥。洗面所で父のタオルなどを消毒。その間にシャワー。出たら、神仏の水やお茶を換えつつ、洗濯。風呂掃除。時間はぎりぎりだった。
 出勤して車で利用者の所からの帰り、ふっと1秒気が遠くなった。やばい!と思い今日は直帰した。
 明日はまた、私が泊まりだ。なので・・・おやすみなさい。

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インフォームドコンセント

2008-10-05 23:37:02 | ひとりごと
 今日は徳島市内へ出張だった。今回は一緒に行くことになっていたナースの気配りで、早めに出て病院によることが出来た。
 6時前に病院に着く。血糖はまだ測定していないというので、自分持ちの測定器で測る。「HI」つまり500以上あるということだ。ナースコールをして病院の測定器で測って貰った。542・・・ほとんど下がっていない。
 「あまりに高いのでインスリンを投与したい。」
と訴えた。昨夜の私のクレームが申し送られていたのだろう、A医師ではなく主治医に連絡を取ったようだ。4単位の指示が出たが、父もキヨちゃんも私も不安になった。500を越える血糖になったことがないので、4単位など使ったことがない。たった2単位でも200以上下がることもあるのだ。下がらないかもしれないが、念のために3単位にしてもらった。
 徳島に着くとふたりともぐったりで、講義が始まるまでのわずかな時間うとうととした。午前中に電話を入れたが、ほとんど下がっておらず昼前にようやく380になった。点滴と口からの摂取ではやはり吸収が違うのだろうか。
 帰り病院によると主治医から話があるからしばらく待ってくれという。1時間ほど待って手の空いた医師と相談室に向かった。
 主治医はインスリンの投与量を任せて欲しいと言った。以前と違って下がりにくくなっていること、個人差を念頭に置いていること、腎臓のためにも高めの血糖を維持する考えは(200台)私と同じであること、などを説明した。Aドクターについては彼女もコメントを避けた。
 今回ブドウ糖の点滴をいったのは、泌尿器の主治医と相談し、不足しているカリウム補給をしようとしたが、同時にブドウ糖が多く血糖が予想以上に上がってしまったとのことだった。
 「胸の水は引いてきている。心不全の数値は悪いながらも以前に比べるとかなりいい。ただ、全体的な体力が落ちている。そこへMRSAなのだから、CRPが10と高い。状態から言って、いつ何が起きてもおかしくはない。
 呼吸器で入院しているが、もしもの事が急変して起きれば、おそらく「心不全」である。だから労災はきかないからご理解いただきたい。呼吸が出来なくなったら気管切開を希望しますか。」
 そんな話をしっかりとしかしどこか人ごとのように聞いていた。
 とにかく、炎症値が下がるのを待つしかない。下がれば退院させよう。このままここで弱ってしまうのは父も希望しないだろう。気管切開も同じだ。
 説明を受ければ、決していい話でなくても受け入れられる。そもそもインフォームドコンセントは後から行う物ではなかろう。始めにこの説明があったら、理屈も通っているしナースを怒り上げることもなかったのだ。もっとも主治医を無視したA医師は別だが。
 あの医師を除けば、最近はこの病院もずいぶんましになった方なのだ。今日一緒だったナースは父親をここで亡くした。何一つ口に出来ない父親が唯一食べられたのは果物。白血病で余命を切られていたが、医師の指示で生もの禁止だからと厳しく叱られた。その上、あと3日と言われた夜急変。ナースコールには詰め所にいるのに誰も来ず、医師は結局死んでから酒の臭いをさせてきた。
 一つ下の女性は乳ガンの術後、きちんと通院して検査していたのにマーカーの見落としで幼い子供を残して他界した。
 同僚の父親は肺に血液がいっぱいになっているのに抜くことも出来ず「苦しんで死ぬか、楽に死ぬか」の選択を迫られた。幸い正直者の新人医師の薦めで救急車で転院。命拾いをした。
 書こうと思えばまだまだある。いずれも残った親を任せなければならないからとか、医療裁判では勝てないからと涙を呑んだのだ。
 当時からすると、ナースも医師もずいぶん変わった。とくに若い医師は技術や知識はないかもしれないが、精一杯考えてくれる。
 それだけが救いである。
 父のことは、まだあきらめない。今まで何度「助からない」と言われたことか。今回が年齢的にも体力的にも病気から言っても厳しいことは分かっている。でも、まだ、あきらめない。

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思わず・・・大声で

2008-10-04 21:38:14 | ひとりごと
 今日も仕事を終えてから病院に行くつもりだった。ところが戻るとキヨちゃんから電話。
 「昨日遅かったし、明日出張で早いんやから、今夜は来なくて良い。」
父の状態を聞くと
 「今日は点滴変わって、夕方血糖値が500以上あってな。もう1回9時に測ってからインスリン打つって。」
と言う。
 ちょっと待て。糖尿があるの分かっていてなぜ500以上になるような点滴を?しかも糖尿の主治医がいないのに、誰がインスリンの指示を?
 「余計なこと聞いて、看護婦さんの機嫌損ねるなよ。」
と言うキヨちゃんの言葉を無視して、ナースステーションに確認の電話をする。
 「今日血糖が500以上あると聞いたのですが。」
 「はい。ですから今ブドウ糖抜きの点滴に変えてます。」
・・・。糖尿分かっててブドウ糖の点滴行ったか。
 「9時に血糖測ってからインスリン行きます。」
そう答えるナースに質問した。
 「インスリンの投与量はどなたの指示で?」
 「Aドクターです。」
Aドクターは主治医ではない。ましてや糖尿の内科医師でもない。
 「糖尿の医師でもないのに、父の状態もご存じ無くてインスリンの量はどう決めるんですか。」
 「決まってるんです。数値によって投与量が。」
・・・。マニュアルだ。個人の状況なんて無視だ。
 「父はインスリンがすごく効くので、以前いらした糖尿の先生にも何度もインスリンの投与量は調整して貰ってるんです。300近くあってもたった2単位で90まで下がることもあるんです。」
 「先生はご存じです。」
 「知ってるはずないでしょう。看ていただいたことありませんし。」
知っていたら、マニュアルでは出すまい。
 「じゃあ、500あったらどのくらい?」
 「そんなに上がったことありませんから。だいたい糖尿分かっててブドウ糖いきますか。過血糖昏睡になったらどうするんですか。」
 無茶苦茶を言っているように聞こえるかも知れない。ただ、この病院では知人の家族が糖尿病で高カロリー輸液をもらい、昏睡になりかけ、痙攣発作を起こしても気づいて貰えなかった事実があるのだ。
 私は手が震えるほど怒っていた。それでナースはそのAドクターに連絡をしたようだ。長く待たされた後、
 「今夜はインスリン打ちません。500あっても昏睡になってませんし。」
!なんて言い草だ。なっていては困るのだ。
 「じゃあ、おたずねします。9時に測って下がっていなくて600なんてことになっていたらどうするんですか。」
 「A先生に指示貰います。それからA先生がこれからは分からないことは平日に主治医に相談してくださいと。」
 これだ。私がA医師を一番嫌っており信頼していないのはこの性格だ。立場のある医師である。いつも主治医でもないのに、指示を出す。主治医がだいたいが若いドクターなので、文句も言えない。そのくせ、クレームや問題が出ると
 「僕は主治医じゃないから、主治医に聞いて。」
と逃げるのだ。
 とにかく血糖を測ったら電話をもらえるようにお願いした。
 9時、血糖は564。インスリンは投与しないという。医師も意地があるのだろう。私がクレームを付けた以上、打ってもしものことがあったら鬱陶しい。娘が打つなというのだから、打たんでいい・・・てところだろうか。
 「夜間ちゃんと看ますし、医師の指示がないと私たちは何もできませんので。」
考えてみれば、このナースに罪はない。当たり散らして悪かったとは思うが、謝る気にもなれない。まあ、この時間からこれ以上上がることはないだろう。
 それにしてもだ。食事料が減っているから糖尿の食前薬は中止になっている。しかし、高いのだし夕飯も食べたというのだから、その時に食後でもベイスン飲ませてくれたらこんな血糖にはならないはずだ。病院なのに臨機応変がなさ過ぎる。
 来週、主治医と相談して返答によっては在宅介護に戻す。家では病気の平癒は大変かも知れない。しかし、このままでは病院にいても殺されそうだ。
 明日は出張前によってみよう。4時半には起きなきゃ。

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鉄腕くろべえ

2008-10-03 23:34:09 | ひとりごと
 今日は父の透析の状態が悪く、熱もあった。食欲はなく下剤を2回かけているのに、8日も出ていない。CRPも10と高いので、2週間MRSAの治療しても快復の兆しがなければ、長引くかもしれないと主治医から説明の電話があった。
 病院にすぐ行きたいところだったが、まずはくろべえを動物病院へ。愛犬クリは病院は治療の思い出だけでなく、トリミングのいい思いもあったのでそれほど嫌がらなかったが、くろべえはひどい怪我やひどい病気の時しか行ってないので、いつも猛抗議する。
 今日もケージの中で大騒ぎだった。30分も走った頃だろうか、まるでアニメの効果音のような「パチン!」という乾いた音とともに、私の足に軽い痛みが走った。なんとくろべえがケージを破壊していたのだ。そりゃ「猫ちゃんの爪がたちません」って売り文句の壁紙をばりばりにするわけだ。
 仕方なく時間もないのに途中でケージを新調・・・い、痛い買い物だ。それから病院。エコー検査、血液検査。幸い数値は正常だったが、尿は溜まっているし素人目にも砂だらけのお腹だった。抗生剤が14日分。療養食のドライフード。9820円なり・・・。ケージも入れたら12000円を超えてしまった。い、痛すぎる。
 その足で大急ぎで父の病院へ。ちょっと顔を見せて洗濯物を受け取るくらいしかできなかったが、これが大事。顔を見せるかどうかで父のモチベーションは変わるのだ。勿論キヨちゃんも。
 帰ってから言われたように色柄物用の漂白剤で30分以上浸け置き、洗濯した。昨日の洗濯物のアイロンをかけたいものもあったが、この際パスだ。首と肩が痛いので湿布を貼った。くろべえに薬を飲ませるのに大変だったからかな・・・。
 今から洗濯干せたら寝よう・・・。
 明日は父の調子が良ければいいな。

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またまた問題勃発

2008-10-03 00:15:14 | ひとりごと
 昨日、お昼ご飯も8割食べた父は
 「この勢いだと直に点滴外れて退院じゃ。」
と上機嫌だった。夕方キヨちゃんを自宅に届けて、シャワーを浴びて通勤の準備もして病院へ。
 行くと父が
 「先生が来て、なんやよう分からんけど、感染症らしい・・・。」
と言う。急いでナースセンターに行く。
 「実はMRSA出ました。」
・・・・。マジですか。
 MRSA・・・メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌。最近では院内感染などの問題でよく耳にする人もいるだろう。体力のない老人や病人は感染しやすい。父にしても、風邪をひいたりで抗生剤の点滴もしていたので、そのあたりかもしれない。
 早速ゴミ箱は別の物が用意され、洗濯物は漂白消毒するように通達があった。手洗いやうがいはもともとしていたが、念のためにイソジンや洗剤、食器用漂白剤などを揃えた。常在菌だが体力のない父には心配だし、仕事柄持ち帰ることも心配である。
 それまで元気だった父はすっかり凹んでしまった。
 「気にしなくても大丈夫だよ。」
そう一応言ってみたが
 「気にしとるわけじゃない。父ちゃんはず~っとしんどいんじゃ。死ぬときは死ぬんじゃけん、全然気にしとらん!」
とぶっきらぼうに言った。・・・完全に気にしている。
 特に熱が続くとか症状が出ているわけではない。一過性のもので早く退散してくれればいいのだが。
 朝5時に透析の片づけをし、家に戻ってシャワーを浴びて仕事に行った。夕方電話をすると
 「何かようわからん。」
とキヨちゃん。キヨちゃんが言うには、ひとりの医師が
 「感染症が出たので、隔離病棟に移ってくれ。」
と言いに来て、その後主治医が来て
 「何とかが(おそらくキヨちゃんが聞けてないのだが炎症値か何か?)落ち着いたら退院ですね。」
と話したという。父はすっかり帰る気でいる。
 一体どっちなのだ。そして感染症はどうなのだ。6日まで私は主治医に会えない。気になってイライラする。
 しかも、くろべえが今夜に限って口渇感がある。やたらと水を飲むのだ。これは嫌なサインである。以前腎臓結石の時の症状がそうだった。そして、死ぬかと思うほど苦しんだのだ。
 明日仕事から戻ったら動物病院に連れていこう。父は分かってくれるだろうから後から行こう。はああ・・・我慢の年だ。

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台風は低気圧に

2008-10-01 16:06:03 | ひとりごと
 月末に父の入院騒動、研修などで仕事が全くはかどっていなかった。30日も頑張ってみたけれど、こんな時に限って「話を聞いて欲しい」人に当たるわけで、なかなかいい加減に切り上げ事も出来ず、1時間近く捕まってしまう。
 1日に病院に行く予定だったので、30日はあきらめて残業した。キヨちゃんが付いているとはいえ、顔を見せないと寂しいだろうなと思っていると、携帯に父から着信があった。
 仕事を終えて電話を掛けるとキヨちゃんが出た。
 「父ちゃん大丈夫じゃけん。明日は台風かもしれんけん、来(く)なよ。(来るな)」
 「大丈夫じゃわ。出来るだけ早めに行くわ。」
 「いや、危ないけん来(く)なって。」
そう私を心配して、キヨちゃんは「じゃ」と電話を切り掛けた。後ろで父の気配。当然父も代わって話したかったのだ。
 「もしもし。」
 「父ちゃん、ことうない?(大丈夫?)」
 「うん(はにかみ声)。」
 「明日、出来るだけ早う行くわな。」
 「・・・母ちゃんが来るな言うた(ちょっとお拗ね声)。」
 「ふふ・・。大丈夫行くよ。」
そう言うと満足そうに
 「そっかぁ。でも台風なら来るなよ。」
そう言って電話を切った。
 帰ると父の入院で一日中お外猫になっているくろべえが、それはもうぎゅってしなければ収まらないほど、寂しかったを全身で表現しながら
 「ニャンニャンニャン!!!!」
と走り寄ってくる。そして、しばらくはくっついて離れない。トイレに行きたくても、シャワーに行きたくても、ぎゅって爪を立てて「行かないで」と抗議するのでしばらくは身動きがとれなかった。
 早く父ちゃん退院するといいね。お前も寂しいんだよね。でも、台風の時は病院が安心だ。停電がないから・・・。
 幸い台風は低気圧に変わった。くろべえの奴が猟なんてするから、2年ぶりくらいに虫がわいてしまったので、1日は薬をもらってきた。一日キヨちゃんと一緒に父についたが、お天気になったら畑が心配なキヨちゃん。今夜は私が付き添う。キヨちゃんを送って身支度してさて、出掛けますか。

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