Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

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   魂のテナー、情念のテナー   ー川嶋哲郎のアルバム『哀歌』-

2009-06-07 | ジャズ



               


     梅雨入りも近いせいか、雨の日が多くなってきました。
     そんな憂鬱な雨の日に、ぜひ聴いていただきたいCDをご紹介します。

     42歳の若さで、いまや日本を代表するテナー・サックス奏者の川嶋哲郎の
     『哀歌(AIKA)』(画像)というアルバムです。

     『哀歌』はその名の通り、川嶋のテナー・サックスがしみじみとした情感こめて歌っています。
     技巧を弄さず、ひたすらエモーションを音に託して、心情の吐露に向かっているのです。
     『哀歌』にこめられた情感の深さが、聴き手の心を揺さぶるのです。
     そこにあるエモーションは哀しみ一色ではありません。
     救いがあり、そして”生”への強い肯定があるのです。

     アルバムの中の『かもめ』は、若き日の恋を歌ったポルトガルの名曲で知られています。
     川嶋カルテットの演奏は、パワフルにジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップ』
     ホウフツさせる演奏をくり広げています。
     「これがジャズなんだ!!」
     そう叫んでいるようなダイナミックな演奏です。

     
     このアルバムには仕掛けやアドリブはありません。
     メロディーや曲そのものを大事にする!!
     
     川嶋カルテットは、そんな演奏を目指しているのです。

            
                  【山野楽器銀座本店調べ 哀歌/MYCJ-30481 3,000(税込)】    

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