昔は認知症が発症する前に亡くなっていたものだが今は長生きにな
り死ぬ前に多くの人が認知症になるようになった、私の両親は二人
とも幻覚症状の出るレビー小体型認知症で父は14年前の85歳の
とき、母は6年前の94歳のときだった。
認知症になったら何もわからなくなるから本人は苦しまないのでは
と思ってたものだった、しかし父が亡くなって遺品の整理をしてた
ときに見つけたメモ書き「何でこんな認知症なんかになったんだ、
苦しい、つらい」本人が一番異変に気づいて傷ついて言い知れぬ不
安を抱えてたことを知った。
母もそうだった、明日がどうなるかわからない苦しみ、高齢者施設
に入り、家に帰りたいのに帰れない苦しみ、さらに老いて弱くなっ
ていく情けない自分との闘い、過去と未来がつながらない不安な状
態、自分のことで精一杯だった亡き両親の姿が今でも脳裏に焼きつ
いている。