作家の村上春樹氏は団塊世代の75歳、音楽好きでジャズのレ
コードをかけて珈琲やお酒や料理を出す店を経営してた、その
かたわら執筆活動に励んでいた、小説を書いているときは文章
を書いているというより音楽を演奏しているというのに近い感
覚があるという。
そんな村上氏は初めての小説「風の歌を聴け」で群像の新人賞
を受賞した、その時高校時代の同級生が店に尋ねてきて祝福し
てくれると思ったら「あれくらいのものでよければ、俺だって
書ける」と言って帰って行ったという、当然腹が立った、その
同級生はその後小説を書いたわけでもない、エッセイの中で書
かれたこのエピソードは読み手として衝撃的だった。
「誰のために書くのか」村上氏は自分の書きたいものを書く、
自分が楽しむために書く、そして読者に楽しんでもらいたい、
何かを感じてもらいたいと希望しながら日々小説を書いてると
いう作家村上春樹、同じ団塊世代として熱い心と表現者として
の覚悟に触れることができたと思っている。