以前TBCの報道特集で7秒しか記憶が残らない女性として三重県
在住の47歳の女性が紹介された、彼女の人生が変わったのは3
9歳のとき発症率100万人に数人というウイルス性の急性脳炎
にかかったことだ。
脳の「海馬」という記憶を保持する機能の記憶障害を発症、病気
になる前の記憶は残っているが病気になった後の新しいことを覚
えられない短期の記憶障害が後遺症として残った。
彼女の記憶が残るのはわずか7秒間、7秒より前のことは忘れてい
く、そのためすべてメモを取ることで理解する、すべての会話をメ
モに残す、当たり前のことが当たり前でなくなった、最初は不安か
らメモをとったが、今では残しておきたいメモにかわった、大量の
メモである。
障害2級の障害基礎年金で母親と暮らす、記憶は人生そのもの、脳
のなかにあるはずの記憶がない、すべてメモをとり文字ですべて理
解する、絶対治らない病気と闘い涙ぐましい努力をする毎日、想像
を絶する苦悩のなかで生きることを選択した姿、画面に映る表情が
表面的にでも明るく見えたのが救いであった。