TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

優しい拾いもの

2002-11-23 08:25:11 | インポート
<img src=http://www.members.accesswave.ca/~monjardin/diary-jpeg/11-21-02.jpg>

夫と一緒にTABIを森へ散歩に連れて行き、また犬を拾ってしまった。

10歳はゆうに越えてると思われるお婆さんミックス。
尻尾を見る限り、もともと長毛のようだが、きれいに丸刈りにされている。
グルーマーへ行ったばかりなのか、シャンプーのいい香りがし、首輪には薄紫色の
新しいリボンがついている。でもIDタグがない。

足は関節炎が出ている様子だが、それでもTABIに誘われると追いかけっこや犬相撲を
とって遊ぶ。私たちについて大通りまで行き、Tim Horton'sでドーナツと飲み物を
買って森の中で一緒に食べた。帰りは道々、近くの家々をめぐって「この犬知らない?」
と聞いたのだが、誰も見たことがないという。仕方ないので、家まで連れて帰る。

夫がアニマル・コントロールへ電話している間、缶詰のドッグ・フードをあげる。
丁度私たちも出かける用事があったので、今回はアニマル・コントロールへ犬を
こちらから連れて行くことにした。

アニマル・コントロールのオフィスは、SPCAと同じビルにある。
受付で「この犬は私の所有ではない」旨の書類にサインをさせられる。自分の犬なのに
偽って「拾った」と届ける人が多いからだ。とくに今回の犬は年寄りなので、
「年取って面倒が大変だから捨てに来たんだろう」と疑われるのは仕方ない。

犬は、耳を寝かせて不安げに私たちの顔を交互に見る。
「大丈夫だよ、きっと飼い主が迎えにくるから」と言いながら、首を抱きしめると、
遠慮がちにペロリと私の手をなめた。そして、係員にリードを引かれ、とぼとぼと
ドアの向こうへ歩いていった。
72時間以内に飼い主が連絡しなければ、原則的には里親に出すのだが、彼女の
年からいって里親が見つかるとは思えない。そうなると、処分だろう。

受付の対応は、事務的だった。
この手のやりとりは厭き厭きしてるのだろう。書類には、犬種のところに「ラブミックス」
と書かれた。どう見ても…と思ったが、飼い主が現れなければどのみち処分になる
犬の犬種など、どうでもいいのだな。

なぜ彼女の飼い主は、彼女を外へ放したのか?
なぜ連絡先を記したIDタグをつけてやらなかったのか?
最後に私を見上げた、彼女の優しい目が忘れられない。


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