DICに載っていた、切ない話。
彼はウィニペグ郊外の廃屋にひとりぼっちで住んでいる。
この子の家族は、当時6歳の彼を置いてどこかへ引っ越してしまった。
なぜ置いてけぼりをくったのか?それは彼にも、誰にもわからない。
そのうち彼は、狩りをして飢えをしのぐことを覚えた。近所の人々は、心配
して役所やあらゆる機関に助けを求めた。だが、保護されるたびに彼は、
もとの家に戻ってきてしまう。
待っているのだ。
彼を置いて消えた家族が帰ってくるのを。
「きっとみんないつか迎えにきてくれる」そう信じて。
家族のにおいのする家で。
月日がたち、12歳となったこのスプリンガー・スパニエルに、近所の人々は
寝床用のあたたかいワラや食べ物を持って来てやる。無理やりこの家から
連れ出そうとしないかぎり、彼はとても人懐こい良い子なのだ。
役所も近所の人も獣医も、「この家に残ることが、彼にとって一番安心できる
ことなのだろう」と結論した。
そして彼は今日も、二度と会うことのない家族を待ち続ける。
彼はウィニペグ郊外の廃屋にひとりぼっちで住んでいる。
この子の家族は、当時6歳の彼を置いてどこかへ引っ越してしまった。
なぜ置いてけぼりをくったのか?それは彼にも、誰にもわからない。
そのうち彼は、狩りをして飢えをしのぐことを覚えた。近所の人々は、心配
して役所やあらゆる機関に助けを求めた。だが、保護されるたびに彼は、
もとの家に戻ってきてしまう。
待っているのだ。
彼を置いて消えた家族が帰ってくるのを。
「きっとみんないつか迎えにきてくれる」そう信じて。
家族のにおいのする家で。
月日がたち、12歳となったこのスプリンガー・スパニエルに、近所の人々は
寝床用のあたたかいワラや食べ物を持って来てやる。無理やりこの家から
連れ出そうとしないかぎり、彼はとても人懐こい良い子なのだ。
役所も近所の人も獣医も、「この家に残ることが、彼にとって一番安心できる
ことなのだろう」と結論した。
そして彼は今日も、二度と会うことのない家族を待ち続ける。