TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

邦画の楽しみ

2006-09-02 14:15:16 | インポート
夫が10セントで入手したビデオ、「マルサの女」を観る。

もう20年近く前の映画。
初めて観たのは、トロントの映画館だった。カナダ人の友人数人と一緒に見に
行った。当時から伊丹十三はかなり人気で、日本の映画なのによく知られていて
映画館は超満員だった。「お葬式」は日本で見たが、マルサの他「タンポポ」
とかその後一連の伊丹作品は、全てカナダかアメリカで見た。

海外でも人気の高い「マルサの女」だが、英訳を読むだけでは彼らにはちと
事情がわかりにくいかもしれない。私も夫から説明を求められ、ああそうか、
非日本人には理解できない部分があるな、と思った箇所がたくさんある。

とくに、浮浪者が宝くじの当たり券を持ってきて権藤に売りつける場面、
あれはアメリカ人には理解できないだろう。アメリカでは、宝くじの当たり券
にも所得税がバッチリかかるからである。日本ではかからないから、所得隠し
の方法ばっかり考えている権藤にはうってつけなのだが。

それと、架空名義に使ったハンコがうじゃうじゃ出てくる場面、これはカナダ人
やアメリカ人からいつも「なんだあれは?」と聞かれる部分である。なぜあんな
ものが重要証拠になるのか、ハンコというものを知らない彼らにはサッパリ
わからないのだ。

他にも非日本人には「???」な部分がいろいろあるのに、そんなことはもの
ともせず観客を最後までひきつけウ?ンとうならせる映画だ。
映画に出てくる黒電話が時代を感じさせるし、国税局が旧い庁舎のころの話
なのだが、今見ても十分おもしろい。日本人離れしたセンスのある監督だ。
惜しい人を亡くしたものである。もっともっと、おもしろい映画を作って
欲しかった。


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