夫が10セントで入手したビデオ、「マルサの女」を観る。
もう20年近く前の映画。
初めて観たのは、トロントの映画館だった。カナダ人の友人数人と一緒に見に
行った。当時から伊丹十三はかなり人気で、日本の映画なのによく知られていて
映画館は超満員だった。「お葬式」は日本で見たが、マルサの他「タンポポ」
とかその後一連の伊丹作品は、全てカナダかアメリカで見た。
海外でも人気の高い「マルサの女」だが、英訳を読むだけでは彼らにはちと
事情がわかりにくいかもしれない。私も夫から説明を求められ、ああそうか、
非日本人には理解できない部分があるな、と思った箇所がたくさんある。
とくに、浮浪者が宝くじの当たり券を持ってきて権藤に売りつける場面、
あれはアメリカ人には理解できないだろう。アメリカでは、宝くじの当たり券
にも所得税がバッチリかかるからである。日本ではかからないから、所得隠し
の方法ばっかり考えている権藤にはうってつけなのだが。
それと、架空名義に使ったハンコがうじゃうじゃ出てくる場面、これはカナダ人
やアメリカ人からいつも「なんだあれは?」と聞かれる部分である。なぜあんな
ものが重要証拠になるのか、ハンコというものを知らない彼らにはサッパリ
わからないのだ。
他にも非日本人には「???」な部分がいろいろあるのに、そんなことはもの
ともせず観客を最後までひきつけウ?ンとうならせる映画だ。
映画に出てくる黒電話が時代を感じさせるし、国税局が旧い庁舎のころの話
なのだが、今見ても十分おもしろい。日本人離れしたセンスのある監督だ。
惜しい人を亡くしたものである。もっともっと、おもしろい映画を作って
欲しかった。
もう20年近く前の映画。
初めて観たのは、トロントの映画館だった。カナダ人の友人数人と一緒に見に
行った。当時から伊丹十三はかなり人気で、日本の映画なのによく知られていて
映画館は超満員だった。「お葬式」は日本で見たが、マルサの他「タンポポ」
とかその後一連の伊丹作品は、全てカナダかアメリカで見た。
海外でも人気の高い「マルサの女」だが、英訳を読むだけでは彼らにはちと
事情がわかりにくいかもしれない。私も夫から説明を求められ、ああそうか、
非日本人には理解できない部分があるな、と思った箇所がたくさんある。
とくに、浮浪者が宝くじの当たり券を持ってきて権藤に売りつける場面、
あれはアメリカ人には理解できないだろう。アメリカでは、宝くじの当たり券
にも所得税がバッチリかかるからである。日本ではかからないから、所得隠し
の方法ばっかり考えている権藤にはうってつけなのだが。
それと、架空名義に使ったハンコがうじゃうじゃ出てくる場面、これはカナダ人
やアメリカ人からいつも「なんだあれは?」と聞かれる部分である。なぜあんな
ものが重要証拠になるのか、ハンコというものを知らない彼らにはサッパリ
わからないのだ。
他にも非日本人には「???」な部分がいろいろあるのに、そんなことはもの
ともせず観客を最後までひきつけウ?ンとうならせる映画だ。
映画に出てくる黒電話が時代を感じさせるし、国税局が旧い庁舎のころの話
なのだが、今見ても十分おもしろい。日本人離れしたセンスのある監督だ。
惜しい人を亡くしたものである。もっともっと、おもしろい映画を作って
欲しかった。