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TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

レースが終われば

2008-06-01 05:17:26 | インポート
ベルモントまであと一週間。

ケンタッキー、プリークネスと勝ち越したBig Brownが、78年のAffirmed
以来初のトリプル・クラウンとなるかが注目の的。もう長い間TCが出ていない。

前にテレビで、TCのトロフィーをケンタッキーからベルモントまで運ぶ紳士
の様子をやっていた。大事なトロフィーであるから、機内に持ち込む。
最近の空港警備は厳しいから、一々箱を開けて検査に出さなければならない。
みな特別の手袋をはめ、傷をつけないように細心の注意を払って調べる。
これだけ面倒をかけてベルモントへ運んでも、TCが出なかったらまた持って
帰るわけだ。「もう三十年も、ほぼ毎年繰り返しだよ」と、紳士。

これだけ華やかに報道される競走馬であるが、その末路は悲惨なものだ。
毎年馬主の期待を担ったルーキーがデビューするが、成績の良くない馬は
アメリカだけでも毎年七千頭以上がされるという。その肉は、ヨーロッパ
や日本など馬肉食の習慣のある国へと輸出される。人間の子供はテストの点数
が悪いからといって親にされることはないが、競走馬は足が遅いという
理由で馬主命令で食用肉になってしまうのだ。

グランプリで勝ったような馬なら悠々と引退生活を送っているかというと
そうでもなく、例えば史上唯一トリプルクラウン馬に二度も勝っており、
欧州でも米国でもG1と格付けされたExcellerは、最後はスウェーデンで
され、食用肉となった。86年にケンタッキー、翌年にはブリーダーズカップ
クラシックを制覇したFerdinandは、後に日本へ種馬として送られたあとに
結局はされた。

さんざん人間を儲けさせてやったあとに、これだ。
有名な競走馬なら乗馬用に売ればいいのに、と思うかもしれないが、レースの
世界は過酷だ。怪我や無理がたたって、生後数年で馬としては使いものになら
なくなる。現役時代は目が飛び出るような値段がついていた馬が、最後には
わずか50ドルほどの儲けのために肉用として取引されるのだ。

なかにはRenaissance Bobのように、される寸前でレスキューされ、今では
引退競走馬の牧場で穏やかに暮らしているのもいる。しかし、大半の馬の運命
は暗く、天寿をまっとうするものは少ない。


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