TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Ponzi Scheme

2008-06-17 17:25:11 | インポート
人間というものは、かくもカネに弱いのか。

アメリカ人の知人が、夫に「儲かる話がある」と耳打ちしてきた。
「90日間で12万ドルも利益があったのよ!」と、鼻息が荒い。とにかく
見てみて、とウェブサイトのURLをくれた。夫は全く乗り気でなかったが、
とりあえずログインしてみた。

どう見たっていわゆるPonzi Scheme、日本でいうねずみ講だ。
高配当をエサに資金を集め、まとまった金が集まったらトンズラ。前世紀初め
にイタリア移民のPonziがこの方法で大詐欺を働いたことから、この名がついた。

そんなこったろうと思ったよ、とうなずきあったのが一週間前。
今日のニュースでは、すでにサイトは閉鎖され、主催者はRCMPとFBIから指名手配中。
騙されたとわかった人々はパニックとなり、あちこちに「どうやったら投資
した金が戻るのか?」と悲痛な書き込みが。

あ?あ、S(仮名)、12万ドルの利益はおろか、あなたが投資した金は泡と
消えたよ。なんと気の毒な。

こういった話にひっかかるのは、実は貧乏人でなくある程度お金を持った人々
である。思い出すのは日本のOL時代の同僚。「六本木の豪邸でホームパーティー
があるから、行かない?」と誘う。彼女はお金持ちのお嬢さんで、有名私大
から一流企業へ就職したが、働く必要は全くなく給料は全て洋服代。結婚して
何不自由なく暮らしていた。

そのパーティーには芸能人なども来ていたが、結局はある「ビジネス」の勧誘
だった。これもねずみ講。その場で断ったが、その後も執拗に勧誘された。
極めつけは彼女の「慶応大の経済を出たうちの主人が大丈夫って太鼓判を押す
んだから、絶対安心よ!」とのお言葉。頑として首を縦に振らなかったら、
やがて彼女からの連絡が途絶えた。その後、その「ビジネス」のスキャンダル
をニュースで目にすることになる。

「儲かる話」を持ってくる人々を、私は友人と呼ばない。
人間は本能的に、本当に儲かる話は自分の秘密にするものだ。人に教えるのは、
それが人を紹介することによって自分の利益になるねずみ講のシステムのため。
彼らは私を友人でなく単なる「カモ」としか見てない。大切な友人なら、「もし
これが詐欺で、迷惑かけちゃったら大変」と躊躇するはず。そういう自制が
働かないのは、いわゆる「カネに目がくらんだ」状態だからであろう。


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