「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

汚れなき刑事魂

2011-02-20 20:00:10 | ファミ劇日誌
『♯54 汚れなき刑事魂』
主演:松田優作(柴田純)
助演:露口茂(山村精一)
出演:石原裕次郎(藤堂俊介)関根恵子(内田伸子)竜雷太(石塚誠)下川辰平(野崎太郎)小野寺昭(島公之)青木英美(永井久美)菅井きん(柴田たき)
水谷豊(牧恭一)見明凡太朗(平井栄三)武藤章生(池上平吉)堀田真三(戸川組幹部・角顔)中島元(労務者)村山達也(戸川組チンピラ)門脇三郎(梅津圭助)由起卓也(小金井四郎)宇留木康二(林和正)草間璋夫(川島健太郎)今井和雄(木下哲也)東静子(滝田染子)新井一夫(※ノンクレジット・戸川組組員)

プロデューサー:岡田晋吉 清水欣也(日本テレビ)梅浦洋一(東宝)
企画:魔久平  脚本:長野洋 小川英
撮影:田端金重 美術:小汲明 照明:隠田紀一 録音:大庭弘
音楽:大野克夫 演奏・井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊
助監督:渡辺拓也 擬斗:宇仁貫三 制作担当者:原雄次郎 現像:東洋製作所 アシスタントプロデューサー:梶山仗祐 
協力:国際放映 企画協力:ジャックプロダクション 
監督:高瀬昌弘
制作:東宝株式会社

覆面車:クラウン(70-26)セリカ(57-63)タウナス(32-09)


この作品、脚本が小川&長野さんという事で、前回と比べ太陽オーソドックス度は高いですし、豊さんゲストだからか、1話のオマージュみたいなものを感じます。
ただ、1話と決定的に違うのは「登場編」では無いこと。
これにより、ジーパンとゲストとのガップリ共演が可能になりました。
というところから考えると、山さんとのコンビや爆弾事件、過去の因縁ありという意味では2話を継承しているところもあります。

でも今回はあまり山さんが表に出てきません、どう観ても「優作VS豊」の図式です。

これは、豊さんの扱いの変化が関係しているかもしれません。

マカロニ編での豊さんは、メインゲストの一人という扱いであった為、まだゲスト主演という立場ではありませんでした。
しかし今回、オープニングクレジットが一枚看板、晴れてゲスト主演と相成りました。
そのことにより、かなり豊さん演じる牧に物語を置き、さらに今回はジーパンの拳銃に向けてのもの意外の執念も描かれ、火花を散らすことになります。

そのジーパンの執念・・・・自分が一度信じた人間はとことん信じること。

云わば、体力派の割には哲学者的な面を持つジーパン・・・それが少々理屈っぽく聞こえますが、それを理屈だけに終わらせない、他人を説得する身体的パワーは今回の「手錠割り」に現れているように圧巻です。
ジーパンが愛されるのは、単に体力バカでは終わらない、奥の深さがあるからで、それが「ナイーブな」という彼の形容詞に結び付いていると思います。
あのオートレース場のシーンは1話の後楽園球場のオマージュだと思いますが、マカロニにせよジーパンにせよ、あのシーンで先輩と上司からの熱い信頼を得ています。
今回のジーパンはさらに感動も与えているようです。

そもそも、登場編ではあまり絡まなかった山さんが、今回はジーパンに対しかなり好意的に接します。
牧に対してのジーパンの純粋に信じる思いに感化されたところはあったとしても、それが全方向に無節操に向いている訳ではないというのが直観で解ったのではないかと。
一応は昔の牧を忘れろとけん制しますが、その信じる心を忘れるなとラストで言うのは、自らが忘れてしまった純粋な気持ちという部分の初心忘れるべからずという意味と、ジーパンの勘に信頼を置いたという意味が隠れていると思います。

それにしても、牧という男はどうしてこうも変わってしまったのか・・・。
少し前までは普通の学生だったのが、狡猾な爆弾魔に豹変してしまうという・・・確かに家の不遇があったかもしれませんが、ここまで変われるか?
一人を殺す為に、わざわざ行きつけのスナックにバイトして、さらに誰が居ようとかまわず、そのスナックを爆破したわけですから。
完全に人間不信ですね・・・・。
多分、牧自身が純粋な人間だったからこそ、ここまで墜ちてしまったのかと思いますが、
平井にしても、子供を優しく介抱してくれた少年をこんなことに巻き込むか?
もしかしたら、牧が金の無心に平井を訪れ、半分冗談交えに川島の殺害を持ちかけたところ、牧も川島もとい平井も本気になっていった・・・というよりは牧主導で事が動いていった感じがします。

人間というのは恐ろしいですが、ジーパンと通じるものがあったからこそ、あのラストがあったのでは・・・と思います。
でも、牧とジーパンの違いは、前回の木村清と同じですが、シンコ曰く「やるか、やらないか」。
ジーパンには思いとどまるストッパー(源治の存在)があったからこそ・・・だと思います。

そういう難しい役を豊さんは見事に演じています。
というか、多分豊さんじゃないと出来なかった役だとも思います。

=コネタ=

ジーパンとしては本格的初暴れ。
ゴリさんに怒鳴られますが、まあこういうのはゴリさんからジーパンに継承されたと思いきや、そうでもなかったようで(^_^;)

=ロケ地=

新宿副都心

新宿ゴールデン街(都電跡)

新都心歩道橋

戸川興業は歌舞伎町。

砧8丁目仙川沿い

新宿駅(地下)

多摩川河川敷


前回強盗に入られた信金は保全信用金庫?は現新宿ハルク隣あたり。


平井邸は成城3丁目

大井オートレース場
※廃止後の撮影

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