「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

偶然観て、目が離せなくなった特集。

2011-12-04 23:53:20 | その他の放送
太陽2代目係長、篁の奈良岡さんの特集が放送されていました。

NHK BSプレミアム
ハイビジョン特集「役者 奈良岡朋子~舞台の上の60年~」


裕次郎さんが尊敬する女優が奈良岡さんだったということから2代目係長として出馬したわけですが、

奈良岡さんはそもそも舞台中心の役者さんですから、舞台スケジュールの隙間で出演ということなり、その出演を以って太陽は終焉しました。

2代目係長のポストは当初渡さんが製作側の希望であったようですが、石原プロ側が難色を示し、どうやら裕次郎さん側で奈良岡さんを口説いたようです。

でも、何故奈良岡さんだったのか。

素人考えでも他の候補が考えられましたが、敢えて奈良岡さんを起用したのは・・・もしかすると、裕次郎さんご本人が七曲署捜査一係長という役を、本当は誰にも渡したくなかったのでは無いかと。
結果的にボス役を自らの断腸の思いで降板せざる負えなかった、裕次郎さんの執念みたいなものが感じられます。
それだけ太陽を大事に思われてたという証拠であるとも言えます。

恥ずかしながら、奈良岡さんのことについてテレビで拝見する部分と民藝代表ということ以外あまり詳しくは知らなかったので、今回の特集を観て裕次郎さんが尊敬なさったという部分が少し垣間見ら事が出来た感じがしました。

画家の父を持ち、同じ芸術の道を歩もうとし、立体的な芸術を勉強する為舞台の世界に入り、いつの間にか女優になって、両親に反対されながらも野垂れ死に覚悟でずっと俳優業を続けてきたとか。
奈良岡さんのどこか冷たい感じを受ける演技の部分は、この特集を見る限りリアリティの追求なんだと感じました。
劇的にするのは簡単、それを踏まえて実世界のなかでの息づかいとか間合いを大切になさるという部分が、もしかすると裕次郎さんの間合いに通じるところがあるのかもしれません。

篁朝子は敏腕で冷静でありながら繊細な心配りもあり、さらには軽妙な部分もある、藤堂と性格が似ている部分が多い。
安定感もありましたから、確かに初見の時は違和感を感じながら、それをすぐ払拭するような風格はあったと思います。

そういえば、同じ民藝の牽引者だった宇野重吉さんとも親交が厚かった裕次郎さん、もしかすると一番尊敬する男優は宇野さんだったのではと、ふと感じたわけで。

そういう色々な意味で、PART2は奇しくも奈良岡さんと宇野さんの息子である寺尾さんの競演。
これは意図的なものなのか、偶然なのか・・・。

奈良岡さん、御歳82。
凄いパワーです。


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