「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

ファミ劇太陽放送4/5=シンコの過去が影の世界へ誘う/ある娘の生き抜こうとする姿に山さんが涙

2019-04-04 23:51:34 | ファミ劇日誌
ショーケンさんの追悼番組が個人的には寂しいなぁ・・・と思いながら、
この番組は見ごたえがあったと思います。

4/6(土)
17:00~18:00
【追悼・萩原健一さん】ザ・インタビュー~トップランナーの肖像~
BS朝日1(BS)
“ショーケン"と呼ばれる由来や「太陽にほえろ」の舞台裏、妻との私生活まで赤裸々に語る1時間。そして、闘病中だったこの時明かした、理想の「ショーケンの最期」とは?



さて、4/5のファミ劇太陽放送です。
【萩原健一さん追悼放送】と銘打ちますが、通常のマカロニ編放送、4/19に#1と#52が放送されるというのが特別編成となります。


【CS】

▼ファミリー劇場HDリマスター版 マカロニ編

4/5(金)
6:30~7:30
=再放送=[HV]太陽にほえろ! HDリマスター版/マカロニ刑事編#46
ファミリー劇場HD(CS)
第46話 48.06.01 黒幕は誰だ (ボス)


4/5(金)
7:30~8:30
=再放送=[HV]太陽にほえろ! HDリマスター版/マカロニ刑事編#47
ファミリー劇場HD(CS)
第47話 48.06.08 俺の拳銃を返せ! (マカロニ)


4/5(金)
19:00~20:00
[HV]太陽にほえろ! HDリマスター版/マカロニ刑事編#48
ファミリー劇場HD(CS)


4/5(金)
20:00~21:00
[HV]太陽にほえろ! HDリマスター版/マカロニ刑事編#49
ファミリー劇場HD(CS)



第48話 48.06.15 影への挑戦 (シンコ)

セミレギュラー:ハナ肇
ゲスト:村野武範
 松井紀美江 磯村昌男
 幸田宗丸 北川陽一郎 小野松枝 八木和子 由紀卓也 石川隆昭 門脇三郎

脚本:小川英 鴨井達比古
監督:土屋統吾郎

シンコは友人の祥子と公夫の結婚式に出席し、カメラで写真を撮影していたところ、ある人物を見つけて固まってしまう。
その人物はシンコに見られたと気づいたとたん、車で去っていった。
その人物は、尾沢康彦。3年前に死んでいるはずの祥子の兄だった。
そんなことがあった頃、ある団地の敷地内で殺人事件が発生、至近距離から心臓を一発で撃ち抜かれていた。また被害者が靴を履いていないことから団地の一室で殺された後に遺棄されたと見られた。
また、昨夜付近を酔っ払ってあるいているような二人組がいたとの目撃証言もあった。
その現場検証の最中、公夫と祥子に呼ばれたシンコ。公夫たちは新婚旅行の帰りで、この団地が二人の新居だった。
団地内の捜査がてら、新婚夫婦の新居の様子を見に行くシンコ、差出人不明の聖書が届いていたり、家具の場所が微妙に違うなどと夫婦が言い出した。シンコも見渡してみると床に血痕らしき痕跡を発見、すぐさまボスらが駆けつけた。鑑識によると多量の血液反応を認め、さらに殿下はダストシュートから一足の靴を発見した。
盗まれたものが無いなどから、ここが殺害現場ではないかと思われた。
被害者の身元が判明、北川という妻帯者で自動車セールスマン。しかし、それは妻の証言で、自動車会社には北川は在籍しておらず、本籍地照合で北川は3年前に死亡していたことが判明した。
指紋も無く、銃の前歴も無い、被害者は既に死んだ人間、というのが現時点で判明したことだった。
ただ、山さんはもう一つ付け加えた。団地に早起きの老婆がいて、彼女が救急車を見たという。声をかけると一旦誰かを収容しようとしていた隊員は素早く救急車に乗り込み去っていったという。
消防庁に問い合わせたところ、救急車の出動した事実は無かった。
山さんはぼそっと、刑事をやっていると、こんな不可解な事件に必ず一度は当たるとつぶやいた。
ボスは救急車の連中が死体処理班であると推理、全員に聞き込みを命じた。
シンコはやはり康彦に酷似した男のことが気になった。北川と同じく死んだはずの人間だったからだ。
再び新婚夫婦の新居を訪れたシンコは、式の当日の写真を見渡してみたところ、祥子は死んだものと思い込んでいるが、シンコはやはり写真に写った男は康彦だと確信した。
康彦はカメラマンでベトナム戦争で死んだということが当時の新聞でも伝えられていた。死体は発見されなかったが、万が一無事に帰国していたら、真っ先に家族に連絡があって当然と祥子はいう。
シンコは内密に式の日に目撃した車を調べ、それがレンタカーであったためその線からホテルを割りだし、康彦と再会した。
康彦は何も話すことは無い、名前さえも捨てなければならない者のことなど誰にも理解できないと言い、団地の殺人事件からは手を引けと警告して去って行った。
一方ボスはシンコの様子が気になっており、シンコのデスクで見つけた3年前の新聞記事をもとに、「宗吉」で酒を飲みながら宗さんに康彦のことを尋ねてみた。
当時のシンコの様子から、康彦に好意があっただろうというのは、宗吉も気付いていたが、それが不憫でならなかったという。
夜遅く、シンコが一係部屋に入ると、ボスが帰るのが面倒だとソファーで寝ていた。
ボスはシンコに康彦のことをぶつけた。シンコは事情を話すが、ボスはなぜ刑事として振る舞えなかったのかと諭した。
時すでに遅く、康彦はホテルから消えていた。
これまでの状況から山さんは、康彦も北川も、世界を動かし、自分たちが知っている世界から抹消された人々がいる「影の世界」に足を踏み入れ出ることが出来なくなったものと確信していた。
そのうち、公夫が「しばらく帰れない」と祥子に電話で言い残し、消えてしまった・・・・。


ある団地で起きる遺体なき殺人、そこに死んだはずのシンコの恋人、その恋人の妹の新婚夫婦が絡んで事件は混沌とした展開になってきます。
関根恵子さんのまだ未成年とはとても思えない重厚な演技、決して気取られることの許されない「影」の世界へ足を踏み入れてしまった人間の末路。
一係がその影の存在へ何もダメージを与えることが出来ず、さらに事件としては未解決(御宮入り)になってしまった事件です。
(その「影」=犯人の存在を特定できなかった唯一の事件です。)
現実離れした展開でありながら、太陽ワールドの土壌のなかでうまく消化している名作だと個人的には思っています。
宗さんも久々にお出まし、覆面車もクラウン・セリカ・タウヌスと揃います。(長さんはお休み)
『飛び出せ!青春』卒業から間が無い村野さんがかなり抑えた演技も印象的。
リアリティ云々はよそに置くと、非常に見応えのある作品だと思います。


第49話 48.06.22 そのとき、時計は止まった(山さん)

ゲスト:川口晶
 剛達人
 雨宮和美 毛利幸子 里木佐甫良
 田中力 榛名潤一 芦沢孝子
 宇南山宏 野口元夫

脚本:小川英 長野洋
監督:山本迪夫


殺人事件が発生、被害者の川田美雪は元女優で、豪勢なマンションに住んでいた。
ただ、死亡時刻で様々疑問がわいた。凶器の置時計は「3時」を示していたが、鑑識の見解は午後4時前後だという。
山さんは、発見者のお手伝い・友子に事情をきいたが、知っていることは最初に駆け付けた巡査にすべて話したといい、山さんの質問にも面倒な感じで答える。一方、マンションの住人の聞き込みは非協力で全く振るわず、被害者の周辺からの捜査を進めていくしかなかった。
調査によると、川田は女優を辞めてからも定職もなくパトロンもなく豪華な生活水準を保っていた。さらにそのスケジュールは代議士・社長・重役との面会や会食が目立つ。いくら元女優とはいえ、無職で年増の女性に各界のお偉方が入れ替わりで面会するということは、川田がお偉方の何か弱みを握っているとしか思えなかった。
凶器から指紋がとれたが前科は無く、一係ではお偉方の指紋採取に動いた。
そんな時タレコミ電話が入り、山さんは電話で名指しされた会社社長秘書の橋爪に事情を聴いたが、彼にはアリバイがあり証人もいた。
そんな混沌とした中、山さんは川田の一番身近な人物である友子にもう一度当たることにした。マカロニは山さんに対して反抗的な態度をとっていた友子が山さんと話をするとは思えなかったので、自分が代わると申し出たが、山さんは反発するのは友子と自分が似ているからだといい、もし隠し事をしているのであれば、打ち明けるのは自分だといって、一係部屋を出て行った。
何日か、辛抱強く友子に食い下がった山さん、門前払いや無視ばかりだったが、ある雨の日、唐突にマンションの部屋に招き入れた。友子は孤児で親戚の厄介者だったところを川田が引き取ってくれたという。ただ川田が死んだ以上新たな生活を始めなければならないこともシビアに考えていた。そんな時に殿下がマンション内の聞き込みをやはり辛抱強く続けていて、関わり合いになりたくない主婦からやっと死亡推定時刻の4時ごろに出入りのクリーニング店の正男がこの川田の部屋から出てきたことを聞き出した。
しかし、米田は店を3日前から無断欠勤しており、行方をくらましていた。店主は米田に人は殺せないと言いながら、友子にラブレターを送って川田に激怒されたことも話した。どうやら前のお手伝いが結婚してすぐやめてしまったことが原因らしい。
指紋照合の結果、置時計の指紋は米田のものと一致、指名手配した。
一方友子はただラブレターを受け取っただけなのに、「人殺しの女」というレッテルを貼られ、川田の親戚からマンションを追い出されていたが、山さんは引き続き友子をマークした。それには友子も気が付いていたが、特に気にしていない様子だったが、「人殺しの女」のレッテルで、勤め出した蕎麦屋も辞めさせられ、結局キャバレーで働くこととなった。
しかし、友子の前に米田が現れ、張り込んでいたゴリさんに逮捕された。
そのちょっと前、一係にはまた橋爪を調べろとのタレコミ電話が入るが、今度は女性からだった。
取り調べに米田は自分が部屋に行った時は既に川田は死んでいて、その前1時間ぐらい公園で川田に友子のことをどう言おうか悩んで思案していたという。調べた結果目撃者が居た。自分には動機があるし、置時計と思わず握ってしまったので、逃げ回っていたという。
鑑識の調べで、時計は打撃を受けたショックで止まったことがわかり、まず3時に殴られたガイシャが意識不明のまま4時に死んだことが考えられた。
山さんはもう一度橋爪のことを調べたが、アリバイの証言者が橋爪に買収されたことをはいた。山さんは橋爪を連行し取り調べると、橋爪は自分の会社の汚職を川田に握られ、会社からは辞職をかさに100万円でけりを付けろと云われ、川田にはそれをにべもなく撥ね退けられたため思わず置時計で殴ったのだという。
事件解決、米田は釈放され友子の迎えで帰っていったが、マカロニがしたほんの些細な行動を見て山さんがハッとなった・・・・。


山さん編では初のどんでん返しサスペンス的内容でありながら、山さんの一番弱い部分というか、弱者に対してのシンパシーを感じる面がハッキリ浮き彫りになっている作品だと思います。特に今回の場合は山さん自身の生い立ちと若いお手伝いの人生が重なっているわけで。
それ故に、他のメンバーであればそれほど感情的になるような事件ではないものの、山さんがこの事件を担当してしまったことによっての深みと濃厚さがクライマックスでズシリと響く名作ですね・・・。

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