廃校にまあるい時計鳥曇り たけし
2015年3月 下野新聞 速水峰邨先生選
もう5年も前の作
加入している結社から俳誌への原稿のひとつとして
天文の季語を用いた自句を提出せよ
との依頼で探し出した1句
初心の頃のまっすぐな詠み方が良いと感じる
今の私ならこうなりそうだ
句意に何かしら仕掛けをほどこして却って悪くすることが多い
廃校に「万葉講座」梅二輪 たけし
【鳥曇】 とりぐもり
◇「鳥風」 ◇「鳥雲」
秋から冬にかけて日本で越冬した渡り鳥が北へ去るころの曇り空。その頃の風を鳥風ともいう。
例句 作者
腰痛のゆゑの不機嫌鳥ぐもり 原 赤松子
眼鏡より曇りはじめし鳥曇 亀田虎童子
海に沿ふ一筋町や鳥曇 高浜虚子
振つてみるアフガンの鈴鳥曇 川崎展宏
鳥曇波のこみあふ隅田川 久保田慶子
毎日の鞄小脇に鳥曇 富安風生
また職をさがさねばならず鳥ぐもり 安住 敦
廃園にただ来しのみぞ鳥曇 藤田湘子
入選 2015/4/20 下野新聞 速水峰邨選