
余生という重しをつけて花筏 川崎益太郎
さくら時の喧騒も一瞬で
枝には早きも葉の芽が見える
川面には花の塵が夥しい
花筏とはよくも言ったものだ
作者はじっと長い時間 その筏えお眺めている
老いた我が身の余生を
水面の流れにつっくりと任せている花の塵に準えている
そのあまりにも緩い流れは重しを曳いているようだ
(小林たけし)
【落花】 らっか(ラククワ)
◇「花散る」 ◇「散る花」 ◇「散る桜」 ◇「花吹雪」 ◇「桜吹雪」 ◇「飛花」(ひか) ◇「花屑」 ◇「花の塵」 ◇「花筏」
桜花が散り落ちること。桜は散り際が美しい。桜の咲く頃はとかく強い季節風の吹くことが多く、咲き誇った花も一陣の風に潔く散る。昔から桜は散り際を賞美されることが多かった。
例句 作者
ビルの影映れる上の花筏 岡田初音
人生は急がぬことよ 花筏 池康彦
大観の生々流転花筏 上野草魚子
満潮の河口に解きし花筏 千葉幸江
花筏これより先は神田川 米田真琴
花筏そこから先の未来都市 松下總一郎
花筏やぶつて鳰の顔のぞく 飴山實
花筏よろめきあひて水の旅 伊藤和子
花筏行きとどまりて夕日溜む 宮津昭彦
ビルの影映れる上の花筏 岡田初音
人生は急がぬことよ 花筏 池康彦
大観の生々流転花筏 上野草魚子
満潮の河口に解きし花筏 千葉幸江
花筏これより先は神田川 米田真琴
花筏そこから先の未来都市 松下總一郎
花筏やぶつて鳰の顔のぞく 飴山實
花筏よろめきあひて水の旅 伊藤和子
花筏行きとどまりて夕日溜む 宮津昭彦