竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

たんぽぽの絮が飛び立つ“ここはいや” 水口圭子

2020-04-13 | 今日の季語


たんぽぽの絮が飛び立つ“ここはいや” 水口圭子

蒲公英の絮が飛び立つのは蒲公英の意思なのだと
種の定めではなく
蒲公英のひとつひとつに意思感情があるという
「ここはいや」このはっきりとした口語の強さ
蒲公英は作者そのもののように思えてくる
(小林たけし)


【蒲公英】 たんぽぽ
◇「鼓草」(つづみぐさ) ◇「藤菜」(ふじな) ◇「蒲公英の絮」(たんぽぽのわた)
キク科多年草の総称。全世界に広く分布。日本には関西たんぽぽ・蝦夷たんぽぽ・白花たんぽぽ、また帰化植物の西洋たんぽぽなど10種以上あり、普通には関東たんぽぽをいう。3、4月頃、中心から10センチ程の花茎を出し、頂きに黄色い頭状花をつける。実は褐色で、冠毛は白色、風によって四散する。鼓草。

例句 作者

あたたかくたんぽぽの花茎の上 長谷川素逝
あの辻の道祖神にもたんぽぽを置こう 風岡俊子
いもうとや墓標の蒲公英黄をつくす 松本光子(水明)
じきに行く鬼籍たんぽぽの種持って 山本冴子
たんぽぽたんぽぽ砂浜に春が目を開く 荻原井泉水
たんぽぽと小声で言ひてみて一人 星野立子
たんぽぽにとおく黒人兵の野球 吉田耕史
たんぽぽに埋れ男の喉仏 佐藤眞隆
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ 坪内稔典
たんぽぽの乳拭く何か拭き足らぬ 高木一惠