竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

観音の山懐や鳥曇 松家京子

2020-04-19 | 今日の季語


観音の山懐や鳥曇 松家京子

作者は観音への参道をすすみ
観音への最後の石段を上っている
新緑に芽吹く木々の息遣いを感じる
参拝を丁寧に済ませて
上ってきた石段をふりかえると
眼下には真っ青な相模湾の
身上ぐる空には北へ帰る鳥の一団

私の大船出の実体験そのものだ
(小林たけし)


【鳥曇】 とりぐもり
◇「鳥風」 ◇「鳥雲」
秋から冬にかけて日本で越冬した渡り鳥が北へ去るころの曇り空。その頃の風を鳥風ともいう。

例句 作者

唄ひ出しさうな花束鳥ぐもり 前田典子
喫煙所の海へ向く椅子鳥曇 矢吹えり子
屋根裏の鳥曇なる司祭館 杉野一博
階段に足音たまる鳥曇 杉野一博
鳥曇りいま生きいるは定かでも 宇咲冬男
鳥曇り地球は一枚の厚紙 香坂恵依