木の芽風漆黒の膳拭き清め 桂信子
漆黒の膳とは何だろうか
作者は配膳を要する家業の人ではないとすれば
自宅での人寄せ、それも祝い事ではないかと想像する
開け放たれた広い厨つずきの板の間で膳をしっかり磨く姿が浮かんでくる
そこをわたる木の芽風、
祝い事は上首尾に終始するだろう
(小林たけし)
【木の芽】 このめ
◇「木の芽張る」 ◇「木の芽山」 ◇「木の芽雨」 ◇「木の芽風」 ◇「楓の芽」(かえでのめ) ◇「蔦の芽」(つたのめ)
春の木の芽の総称で、木によって遅速がある。楓の芽・桑の芽・蔦の芽など、一括して名木の芽という。きのめとも言うが、一般には山椒の芽をとくに「きのめ」という。
例句 作者
木の芽風アキレス腱をやはらかに 中山ひろ子
木の芽風フォークダンスの輪の中を 佐藤静水
木の芽風人に会ふ目の生き生きと 前田倫子
木の芽風無垢の青空分ち合い 川西茜舟女
木の芽風籬のつづく海岸線 増川*㤚
木木芽ぐむ伊和の狛犬火傷跡 安黒義郎
朴芽吹くまぼろしの相すでにもち 相葉有流
枝岐れ枝岐れして芽を吹けり 林徹
木の芽風アキレス腱をやはらかに 中山ひろ子
木の芽風フォークダンスの輪の中を 佐藤静水
木の芽風人に会ふ目の生き生きと 前田倫子
木の芽風無垢の青空分ち合い 川西茜舟女
木の芽風籬のつづく海岸線 増川*㤚
木木芽ぐむ伊和の狛犬火傷跡 安黒義郎
朴芽吹くまぼろしの相すでにもち 相葉有流
枝岐れ枝岐れして芽を吹けり 林徹