
心ゆくまで老柳と空の話 鳴戸奈菜
口語の表意が直截にひびく
老柳と空の話を心ゆくまでとは
作者と柳の境遇が酷似している故であろう
空の話 見上げる空ではない
内容の無い話 どうでもよい話 だれも聞いてはくれない話
こう読み解いて来ると
決して穏やかな俳句ではなくなる
(小畑氏たけし)
柳 【子季語】
枝垂柳、糸柳、白楊、楊柳、柳の糸、川柳、遠柳
【関連季語】
柳の芽、柳絮、夏柳、柳散る、枯柳、掛柳
【解説】
柳といえば枝垂柳。春、柔らかい葉が煙るように美しいので春の季語とされる。街路や庭園、水辺などに植えられ、古くから、霊力のある木とされてきた。枝垂柳のほか、枝が上に向かって伸びる川柳などもある。
例句 作者
あおやぎの破調まるごと干してあり 吉浜青湖
あなたまかせで今日はゆれたい糸柳 神永千代子
いくたびも柳にとびつく無人駅 徳才子青良
やわらかな風に溺れて糸柳 中原えつ美
ゆつくりと時計のうてる柳かな 久保田万太郎
ワイパーの合間に透けて遠柳 浅野天一
学校の柳が髪を振り乱す 秋尾敏
廃城を柳が包み小武士の居 今井晶
時代劇橋のたもとに柳あり 山本敦子
あおやぎの破調まるごと干してあり 吉浜青湖
あなたまかせで今日はゆれたい糸柳 神永千代子
いくたびも柳にとびつく無人駅 徳才子青良
やわらかな風に溺れて糸柳 中原えつ美
ゆつくりと時計のうてる柳かな 久保田万太郎
ワイパーの合間に透けて遠柳 浅野天一
学校の柳が髪を振り乱す 秋尾敏
廃城を柳が包み小武士の居 今井晶
時代劇橋のたもとに柳あり 山本敦子