竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

心ゆくまで老柳と空の話 鳴戸奈菜

2020-04-20 | 今日の季語


心ゆくまで老柳と空の話 鳴戸奈菜

口語の表意が直截にひびく
老柳と空の話を心ゆくまでとは
作者と柳の境遇が酷似している故であろう
空の話 見上げる空ではない
内容の無い話 どうでもよい話 だれも聞いてはくれない話
こう読み解いて来ると
決して穏やかな俳句ではなくなる
(小畑氏たけし)

柳 【子季語】
枝垂柳、糸柳、白楊、楊柳、柳の糸、川柳、遠柳
【関連季語】
柳の芽、柳絮、夏柳、柳散る、枯柳、掛柳
【解説】
柳といえば枝垂柳。春、柔らかい葉が煙るように美しいので春の季語とされる。街路や庭園、水辺などに植えられ、古くから、霊力のある木とされてきた。枝垂柳のほか、枝が上に向かって伸びる川柳などもある。

例句 作者

あおやぎの破調まるごと干してあり 吉浜青湖
あなたまかせで今日はゆれたい糸柳 神永千代子
いくたびも柳にとびつく無人駅 徳才子青良
やわらかな風に溺れて糸柳 中原えつ美
ゆつくりと時計のうてる柳かな 久保田万太郎
ワイパーの合間に透けて遠柳 浅野天一
学校の柳が髪を振り乱す 秋尾敏
廃城を柳が包み小武士の居 今井晶
時代劇橋のたもとに柳あり 山本敦子